閑話 モッテモテ
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渚佑子が初めて召喚された異世界のお話が連載中です。
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「そう。それで戦争なんか仕掛けたんだ。」
私が初めて召喚された世界で親友が蔑ろにされていたのだ。それも勇哉の手によって・・・。
「そうなんだ。勇哉は女性を見下している。あんな奴が国を治めれば、遅かれ早かれ国として成り立たなくなる。」
「それで、その寝取った母親はどうしたの? 元婚約者のハミルトン王子は?」
「処分はアレクサンドラに任せたから、そんなに酷いことにはなっていないだろう。」
「ゴディバは知らないのね。あの子、ああ見えても私を上回るドSなのよ。」
ゴディバは妄想される側だったから、あの子の趣味を知らないんだった。ゴディバもまさか妄想のなかで、あんなことや、こんなことをやらされるとは思ってないんだろうな。
「渚佑子よりって、どんなんだよ。初めこそ、あの見た目と噂に惑わされたけど、ああ見えてもいい子なんだぞ。」
「いい子ってのは知ってるわよ。時々、過激に走るところがあってね。心配だわ。特にその元婚約者とメリー皇子・・・。」
見た目があの子好みの攻めと受けそのものだもの。きっと、罰と言って、自分の趣味に走っているんだわ。あー怖い怖い。
「しかし、なんでモッテモテなんだろうな。」
「メリー皇子には聞いて見たんでしょ?」
「ああ、そこのところは誤魔化された。そこまで追求するところじゃないしな。」
「えー聞いてないの? あの時は愛に生きるつもりなんてサラサラなかったから、聞かなかったけど・・・、こんなんだったら聞いておくのだったわ。」
あの子の秘儀があれば、社長を虜にできたかもしれないのに・・・。
「しかし、あれだけモテれば、勇哉の気持ちもわからんではないな。で、でも、俺はお前一筋だぞ。」
「わかっているわよ。」
なんといってもあの子曰く「直情バカ」のゴディバだもの。
「アレクサンドラ・・・幸せになったかなぁ・・・。」
「無理じゃねえ? どこか誰も知らないところで逆ハーレムでも作るのなら、話は違うが・・・。」
「そうね。あの子は人との関わりを断ち切ることなんてできないものね。」
「せめて、もう少し助けてあげられなかったの? ゴディバ。無責任よ。」
「それをお前が言うか? 全部放り出してきたくせに・・・。社長にお願いして俺と一緒に戻るか?」
「あの世界に私の幸せが転がっているとは思えないのよね。」
「そうかあ? お前が知らないだけで俺のライバルは沢山いたんだぞ! みんなこんなドSな性格だとは思っていないだろうけど・・・。」
「貴方は何よ。」
「俺はドMだからいいんだよ。」




