2ヶ月記念と嫉妬
ようやく最近の話になってきたので思い出すのが楽になってきました…
作者19歳のクセに言葉のレパートリー少なすぎていろいろ勘違いをさせてしまう事もあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m
記念日になると喧嘩してしまうのはなにかの悪循環なのかと疑問を抱いてしまうのはうちだけだろうか。
それともうちが単に感情的だからなのか。
事の発端はと言えばうちの意味のわからないわがままからだ。
記念日の少し前の日から、
その日に豊橋行くけど来るかとNから言われていた。
最近全然Nに会っていなかったうちは、
少しでも一緒にいたいからという事で一緒に行く事にした。
前日になっても何時にどこで待ち合わせするかとなにも言われていないうちは何回かNにそれを聞いた。
けど時間はわからずじまい…。
当日、
豊橋に行く話はなくなった。
多分、
なにかいろいろとあったのだろう。
だから、
必然的にNと会うのは夜からという事になった。
豊橋行く行かないより、
うちは朝から会えないという事に落胆していた。
夜からしか会えない理由は、
Nの新聞配達の仕事のうちの1つ、
集金。
親に朝から会わずに夜から会う事になったと言ったうちは、
昼からは無理なのかと言われた。
うちはその時は、
昼から集金出るらしいから無理だと言った。
けど、
そう言われてみたら昼から会いたくなってしまったうちは、
Nにそう聞いてみた。
『集金あるから』
思った通りの返事。
せっかくの記念日なのに会うのが夜からで、
最近全然会っていなかった寂しさが一気に込み上げてきたうちは、
思ってもいない事を言ってしまった。
『今週会わない事にしよ。』
それを聞いたNには疑問しか抱かせなかった。
Nから電話が掛かってきても出る気がしなかった。
出たって言われる事はわかっている。
うちは3回目の電話で、
これが初の目立った口喧嘩になる事も知らずに出た。
開口一番で言われた事は予想通り。
うちは集金件数が多い事をNから聞いていたので、
それを会わない理由にした。
でもNはもうすでに大体終わらせていると言う。
それに、
「俺なんのために夜遅くまで頑張ってると思ってんの。」
と言われた。
そんなん言われなくてもわかってるよと思ったうちの口からは出任せばかりが出る。
「そんなん自分の勝手でしょ。」
そこからはうちは会わないの一点張りだった。
本当は会いたいのに、
なぜか素直に言えない自分がもどかしかった。
でもNに説得されていくうちに、
本音を言った。
悔しかったけど、
すごく気が楽になった。
その後はなぜか少し逸れた話に進んでいった。
そのうちに何時に会いに行くかという話になった。
集合時間は13時。
その時間帯にやっと会える…。
その時はそう信じて疑わなかった。
**************
13時より少し早くに集合場所に着いた。
うちはその間の時間、
近くにあった薬局に暇潰しに入った。
時間も近くなった頃、
うちは薬局を出た。
だが13時を過ぎてもNが来る気配は全くなかった。
だからうちは、
滅多に自分からはしない電話をした。
が、
Nは出なかった。
やっとNから連絡が来たのは電話から数十分が経った頃。
『14時過ぎに近く通るから。』
うちはそのメールを見た時、
え?
もうすでに14時回ってますけど。
と思った。
だから15時の間違いかとも思った。
けど、
やっと会える事が嬉しすぎて楽しみだったうちはその場でずっと待っていた。
予想範囲内の15時を過ぎてもNは現れなかった。
でもうちはNに会いたいがためにずっと待っていた。
この後にNから掛かってきた電話で、
何時間も待ってた事がバカバカしく思える事も知らずに…。
**************
うちが定位置で待ち始めてから数時間経っていた頃、
Nから電話が掛かってきた。
散々待っていたからすぐに出た。
でもその後のNの発言に、
うちは一気にムカついた。
「ごめん、寝てた…。」
は?
寝てた?
あっつい中ずっと待っていた事自体がバカバカしくなったうちは帰りたくなった。
しかもその後のNの発言に我慢できなかった。
「夜また来れる?」
なに言っとんのコイツ。
そう思ったうちは帰ると言った。
Nは帰るなよと言うが、
うちにはちゃんと妥当性のある言い返す言葉がある。
「うち一体なんのために早くに来て何時間も待ってたと思っとんの。」
それを聞いたNは謝ってくれた。
でもうちは許す気になれなかった。
だからバカみたいと言って勝手に電話を切った。
その直後に数回Nから電話が掛かってきた。
でもうちは全部出なかった。
掛かってくる電話が鬱陶しくなって、
携帯の電源も落とした。
しばらくして電源を入れたら、
1件メールが来ていた。
送り主はNだった。
内容は絵文字なしで
『10分後に通るから待ってて。』
だった。
メールが来てから10分後、
Nは来た。
夕刊の時間帯だったから、
Nはバイクに乗ってきた。
怒っているにも関わらず、
Nのバイクに乗る姿はいつ見てもかっこいい…。
でもそれ以上に怒っている感情が強かったうちは、
Nがバイクから下りて近くに寄り添って来て謝ってくれてもうんとしか言わなかった気がする。
用件だけ済ませたNはすぐに配達に出、
早くに終わらせ会いに来てくれた。
その後はNは集金に出たので、
うちも一緒に付いていった。
その時にはもういつまでも怒っているのがアホらしくなって、
一緒にいられる事自体が嬉しくなっていた。
**************
長いようで短かった夏休みも終わって、
とうとういや~な学校が始まった。
夏休み中よくNと会っていたうちは、
9月からどうやって接していこうねーとか他愛ない事を話していた。
実際学校が始まってみれば、
夏休み前とそんなに変わらなかった。
あえて変わった点を言えば、
Nと出会った当時に比べればうちはNから逃げなくなった。
2ヶ月と少しも一緒にいれば、
少しは免疫ができるのかなと思ったうちはまだまだなのか。
9月初めの授業だったし、
最初はゆっくり行こうという先生の意向もあって、
この日授業らしい授業はなかった。
ある授業ではUNOをやったりしていた。
それが飽きれば、
クラスの仔達と一緒にUNOでトランプタワーを作っていた。
その頃のNはと言えば、
9月中旬に控えている国家試験の補習を受けていた。
夏休み中にもその補習はあったが、
新聞配達の仕事などでなかなか行けなかったから、
いざ受けている姿を目にすると切羽詰まっているように見えた。
その国家試験まで後1週間、
Nにそれに向けて夏休み中ろくにできなかった勉強をさせた方がいいだろうと思ったうちは、
夏休みに入る前はよく夜に会っていたがそれをやめて、
試験が終わるまで夜は会わない事にしようと言った。
Nも実際焦っていたらしいので、
その提案には反対してこなかった。
最初は1週間くらいは楽勝だろうと思っていたうちだが、
3日目を過ぎると寂しくて夜に泣いたりもした。
たまらずNに泣きながら電話もした。
すると出ないと思っていたのに意外と出た。
N曰く、
寝ていたところを同期の寮生に電話だといって起こされたらしい。
電話に出ても相変わらず眠そうな声のNは、
自分の事よりうちの心配をしてくれた。
心配をしてくれたにも関わらず、
この時のうちはNの声を聞けたという安堵でいっぱいだった。
朝刊に響くといけないからという事で、
電話はすぐに切った。
登校時と下校時にはどっちかが休まない限り必ず会えるのに、
寝てしまえばすぐに朝は来るというのに、
この時のうちはきっと精神的に追い込まれていたんだと思う。
**************
どっちかが休まなければ、
という言葉通りにうちらは一緒に登下校をした。
その日の下校時、
異性経験が少ない人って本当に損をするなとうちは思った。
そう思った出来事はなんの前触れもなく起こった。
いつも通り話ながら帰っていると、
Nがうちの知らない女子にお疲れ~と声を掛けていた。
その光景を見ればすぐに、
あぁ同じコースの仔かとすぐにわかったし、
そんな事は日常茶飯事だから気にもならなかった。
けどうちはその後に、
Nがその女子の名前を呼び捨てにしているのを聞いてしまった。
なんで…
その後はずーっとその事しか頭になかった。
不安という気持ちもあったけど、
でもなにより彼女であるうち以外の女子に、
しかも下の名前を呼び捨てなんてしないでという嫉妬の気持ちの方が強かった。
うちの様子の異変に気付くのがうまいNは、
元気がないとかいろいろ気にしてくれていた気もするが、
うちはそんな事ないよと言う。
夕刊配達の時間も近くなってNがいなくなったうちは寮から少し離れているところで待っていた。
その間中もさっきの事が頭から離れなかった。
待っている途中で帰りたくなって本気で帰ろうかとも思った。
でもどうせ帰ったって同じ事。
この耳で聞いたという事実は何一つ変わらない。
うちもっと寛大にならなきゃなとも思った。
うちの方が年上なんだからとかいうプライドもあったのかな…。
**************
夏休み前まで普通に夜に会っていたものが、
最近はその時間帯にしょっちゅう会えなくなってしまった。
本家の店長の意向で夜の外出が少し難しくなったらしい。
でもこの日Nは少しの時間だけだったが、
会えるようにしてくれた。
久しぶりに2人きりになれたから嬉しい…というより、
少々複雑な気持ちだった。
原因はやはり、
下校時にNがうち以外の女子を下の名前で呼び捨てにしていた事。
それだけが引っ掛かってなかなか素直にNを受け入れられなかった気がする。
そんなうちの様子を見てNは心配してくれたが、
正直こんなちゃっちい事、
しかも18年も生きていれば女の1人や2人友達がいて、
しかもその仔達の事名前で呼び捨てにくらいすんだろと思ったから…うちの事めんどくさい女だと思われたくなかったから、
元気がなかった理由なんて言えなかった。
でもうちはたまらず言ってしまった。
どういう関係…?
そんな事が頭を駆け巡っていた。
するとその理由は、
うちが全く以て想像していなかったものだった。
N曰く、
学科の担任の、
「同じクラスなのにさん付けなんてよそよそしいから。」
という意向らしい。
それを聞いたうちは納得した。
男の事が未だに信じられなくても、
それでもあの学科の担任なら有り得るなと瞬時に思った。
「不安だった?」
どっちかというと嫉妬の気持ちが強かったうちは、
少しでも不安という感情があったから頷いた。
するとNは、
うちが聞いて一番安心する事を言ってくれた。
「俺はお前しか見えてないから。」
すごく嬉しかった。
近距離恋愛をしたのは中1以来だったけど、
でもこういうのは初めてだったからすごく安心した。
その後にNに裏切ったら殺すと言われ、
その言葉にさえ安心した。
さっきも言ったけど、
うちは未だに男の事は信用できない。
けど、
Nはうちが今までに付き合ってきた人とはなにか違う気がした。




