表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/29

7.

 小洒落た黒塗りの二頭立て馬車が、荒野をカポカポと進む。


 村の揉め事を追加で解決した分も併せてエイプリルちゃんが分捕った報酬の一部である立派な小型馬車で、俺は、御者台からの長閑な景色を眺めながらノンビリと街道を進んでいる。

 そして。同時に譲渡された立派な二頭の馬が牽く高級な小型馬車の中には、美少女剣士のアーヤさんと、ゴスロリ少女魔術師のエイプリルちゃんと、ゴスロリ超美幼女のリリアンちゃん。


 うん。


 あのエイプリルちゃんが、リリアンちゃんの身嗜みを整えゴスロリ衣装を着せただけで満足する訳がない。

 当然の如く、雑な扱いで搾取され続けていた孤児のリリアンちゃんの身柄を預かる、と宣言したのだった。


 当然の帰結、という奴だね。


 キラキラな姿に変身したリリアンちゃんを、見送りに来た面々の前で披露し、エイプリルちゃんの小間使いとして連れて行くと通告した。


 顔役のお婆が驚愕し阻止しようとしても、報酬の一部だと強弁し、エイプリルちゃんが問答無用で押し切った。

 にこにこ満面笑顔をこれでもかという程にキープ、全く笑っていない瞳から眼力を最大出力で放出し、目出度く新装開店となったこの村の幹部たちを黙らせた。


 ひえ~、怖い怖い。


 いったい何者?

 と思わず考えさせられてしまう程に得体の知れない貫禄と、アンタッチャブルな触れてはいけない崇高な趣味嗜好の世界感を醸し出すオーラを纏う、エイプリルちゃん。


 そのエイプリルちゃんの横では、一切の隙なく腰の刀に軽く手をかけた美少女剣士なアーヤさんが、天然スマイル湛えて静かに殺気を放っていたのだが...うん、たぶん、これも相当に効いたのかな?


 ちなみに。

 お色気むんむん攻撃を俺に繰り出してきていたボンきゅんバンな完璧ボディを誇る前村長の娘であるシンシア嬢は、見送りの面々の中には居なかった。

 それを見て、俺は、何となく胸を撫で下ろしていたのだが、エイプリルちゃんが、にんまり悪役笑顔となっていたのだった。合掌。


 エイプリルちゃんが、鼻高々に語ってくれた解説によると…。


 リリアンちゃんが一応は前村長の血筋である点に着目し、周囲の村との裏取り引きでの活用が画策されていた、のだとか。

 具体的には、シンシア嬢の婿に有能な男性をこの村へと迎え入れる交換条件として、リリアンちゃんを好きに扱ってよい形式上の嫁として提供する、という駄目ダメなお約束。

 そんな実質的には人身売買とも受け取られかねない秘密の契約が、隣接する有力な村との間でコッソリと締結される予定日の直前だった、そうなのだ。


 それを例の手段で察知したエイプリルちゃんが、村の厄介者である小悪人による今回の騒動がある意味でシンシア嬢の思惑通りになるのも業腹だと少しばかりの意趣返しも兼ねて、リリアンちゃんを村から引き離すことにした、という裏事情もあったようだった。


 だから。村のお荷物扱いしていた身寄りない幼女を引き取るだけなのに、村の幹部連中が慌てていた訳だ。

 口頭レベルであっても仮契約を反故にするのであれば、それなりのペナルティは覚悟が必要になるからね。


 けど、まあ。後になって振り返ってみれば、俺たちの同意も得ず勝手に巻き込み良いように利用していた訳だから、その代償を求められるのもまた当然の帰結ではある。

 うん。自業自得、って奴だね。

 ただ単に報酬を積み増しすれば良い、なぁ~んて結末を期待するのは虫が良すぎる、というモノだ。


「良いお仕事をしたわぁ~」


 笑顔でそう(のたま)ったエイプリルちゃんは、本当に満足そうだった。

 そう。ご満悦、という奴である。


 と、まあ、そういう訳で。

 人助けも兼ねた美少女二人による大暴れから始まった騒動は、美幼女一人が増えて乗り物に微妙な変化が発生したものの無事に解決へと至り、長閑な日常が俺の元へと再び戻ってきたのであった。

番外編「閑話」

ゴスロリ美少女エイプリルちゃんによる本日の独り言。


「ぐへへへへ。神聖な真正ロリータをゲットよ! あの男、ダメ駄目だけど、最後には少し良い仕事をしたわね。うん、お姉さまに寄生するゴミは排除しようかと思ってたけど、害は無いし全く使えない訳でもないから、当面は継続雇用で良いわよね。むふふふふ。それよりも、リリアンちゃんと麗しのお姉さまとの…」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ