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6.

 おいおい、おっさん。本当にダメダメだったんだね。


 村の恩人たち一行のメンバーを、公衆の面前で襲っては駄目だろう。

 サルでも分かる理屈、だと思うのだけど…。


 などと、村人たちが心の内で俺同様に思ったかどうか不明ではあるが、速やかに、村のトップへの繰り上げ当選は不可避かと戦慄されていたらしい器が小さく下品で小悪党面のオッサンは、この村から退場と相成った。

 それはもう、綺麗さっぱり、跡形もなく、物理的にもアッと言う間に村から駆除されてしまった、ようだった。


 ゴスロリ衣装を纏うエイプリルちゃんが魔術でサクッとぶっ飛ばし。

 村の顔役と(おぼ)しき老婆が率いる一団が、即座に現れ回収。

 その後、そのまま一気に廃棄処分へと突き進み間髪入れず闇へと葬られた、といった噂が(まこと)しやかに囁かれた。


 う~ん、仕事が早いね。


 って言うか、計算通り、だったんだろうね。

 はははは...はぁ。


 こうして。前村長の娘でありお嬢様で妖艶美少女なシンシア嬢によるお手軽な計略は、サクッと成果を上げた。

 そして。まあ、お見事な(てのひら)返しで、その後は全くシンシアお嬢様は俺になど見向きもしなくなりました、とさ。


 うん。めでたし目出度し。

 ホント、泣けてくるよね。

 とほほほほ。


 当然ながら、こんな分かり易い策略を平然と進めた、村への魔物襲撃で男性陣のカースト最高位に繰り上がったある意味で可哀そうな男とその関係者を除いた村の執行部員である皆々様方からは、今回の騒動における最大の貢献者であろうゴスロリ魔術師なエイプリルちゃんに対して、報酬の上乗せが提示された。


 エイプリルちゃんは、ニヤけた悪代官の顔でオホホホホと高笑いしながら豪華なお礼の品々を受け取り、ご満悦。

 そう。超ご機嫌、という奴である。


 うん。本当に良かった、よ。

 俺も、皆様のお役に立てて本望です。はい。


 けど。俺は、役に立って株を上げられた...ようには、全く思えなかった。

 ぎりぎり次第点、くらいは得られた?

 はぁ。もの凄く不安、なんだけど…。






 お姉さまと慕う美少女剣士のアーヤさんとマッタリした時間を過ごし、ササっとひと働きした報酬をガッツリ得てご機嫌な、ゴスロリ少女のエイプリルちゃん。


「良いお仕事をしたわぁ~」

「うん。流石だね、エイプリルちゃん」

「...」

「えへへへへ(ハート)」

「えらい、偉い」

「...」


 俺は、魔獣退治と揉め事解決の報酬としてエイプリルちゃんが新たに得た小型の豪華馬車の御者台にて、馬の手綱を取って待機中。

 村の集会所の建物入口から出た所で、見送りのため集まった村のお偉方の面々を前に、今日も安定の美少女二人によるイチャイチャ三昧を眺めていた。


 うん。今日も良い一日になりそうだ、ね。


 もう、そろそろ出発かなぁ。

 今日は、いつもにも増して、ノンビリしているよなぁ。


 なぁ~んて、のほほ~んと思っていたら。


 エイプリルちゃんがクルリと振り返り、建物の中に向かって優しく声を掛けた。


「リリアンちゃん、行くよ~!」

「...はい」


 表情は薄いながらに諦めの境地に至ったような雰囲気を纏ったリリアンちゃんが、登場。

 周囲は静寂に包まれる。


 爆誕、という奴であった。


 村の面々が、一斉に息をのむ様子が露骨だ。

 けど、まあ。それも当然かな。


 そこには。

 全身を丸洗いされ、身嗜みを丁寧に整えられて、ド派手な真新しいゴスロリ衣装を着た超美幼女がいた。


 焦げ茶色で盛大に絡まった癖毛は、ふわふわキラキラの金髪に進化し。

 前髪で隠れていた美顔はシッカリと披露され、パッチリと綺麗な碧眼が降臨。

 薄汚れカサカサだった頬や小さな手足は、完璧にお手入れされ艶々で真っ白なプルプルお肌に。


 まるで、西洋人形のようなスーパー美幼女の出来上がり、だった。


 そして。

 そんなリリアンちゃんを、ドヤ顔で自慢げに披露するエイプリルちゃん。微妙に残念感が漂っていた。

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