464.アベル君獣人の性。
464.アベル君獣人の性。
しばらく待つと、ダイニングに来るようにとジェームズさんが言ってきた。
今日はシチューのようだ。
バケットのようなハードタイプのパンがバスケットの中に複数入っており、各人が好きにとれるようになっている。
まあ、王族向けではないが、家庭料理となればありだろう。
「お待たせいたしました。城の豪華な食事とは違うでしょうが、お口に合えば幸いです。」
キッチンから出てきたローズが多少謙遜めいた言葉を言った。
「いや、いただくよ。」
そう言ってオスカーがスプーンを取り、シチューをすくうと口に運んだ。
「うん、美味しい。洗練された城やここの料理人の料理もいいが、こういうものも良いものだな。」
そう言って、オスカーがローズの料理を褒めた。
「このような料理を喜んで頂いて嬉しゅうございます。主人が好んで食べるものですので、大丈夫だとは思っておりましたが。」
俺が喜んで食べているからオスカーも大丈夫だろうって発言なんだが、まあ、ちょっと違うよね。
これは俺が異世界に持ち込んだホワイトソース?ベシャメルソース?まあどっちでもいいや、で作ったシチューだからさ、万人に受けるわけじゃないと思う。
それでも、ヴァレンティア城内での評判は悪くなかった。
ジョージのお墨付きも貰えたしね。
「オスカー、ちょっと行儀は良くないけど、このパンを千切ってこの白いスープに付けて食べると美味いんだよ。」
そう言って俺はパンを千切り、シチューに付けて食べてみせる。
「確かに行儀はよろしくないな。しかし、興味はある。」
そう言って、オスカーは俺の真似をしてパンを食べた。
「おお、これはありふれたこのパンを高級な料理に変えてしまうな。行儀は悪いが。」
一言多いオスカーは盛んにパンを千切っては食べるようになった。
「なるほど、アベルがすぐに帰るわけだな。」
あらかた食べ終えたオスカーがしみじみ言った。
「まあねぇ。愛妻が作る料理はどこの料理人が作るものより勝るよ。」
俺は最大級に惚気てやった。
「ぬかせ!まあ、しかし今回のことで誠だと思う。アベルよ、いい伴侶を得たのだな。」
「そうだね。料理だけではないけどね。」
俺はオスカーの答えに満足して答えた。
背中を叩かれた気がしたが気にしない。
「さて、ジェームズ、酒を。」
「はい、畏まりました。」
ジェームズさんは深く首肯すると、キッチンへと下がっていった。
「さて、ここからはローズにもきちんと話を聞いてほしいし、答えても欲しい。良いな?」
オスカーが神妙な面持ちで言葉を発した。
「はい、私の知る限りのことをお答えいたします。」
まあ、踏み込み過ぎたら俺が止めるけどね。
「さて、ライラについてローズは知っているだろうか?」
「ライラ・サフィール先生でしょうか?アベル様から聞いた為人だけならば知っておりますが。」
「うん、その方が今、私の夜のお相手をして下さっている。」
「はい。」
ローズは驚いた風もなく、返事だけをした。
「それでだ。赤裸々に言うのも憚れるのだが、どうやら私は年齢を差し引いても、その手の欲求が激しいらしい。娼館の職員にも驚かれるくらいにな。」
やっぱりそうか。
じゃなきゃ、テロに遭っても娼館に行きたいなんて、わがままも言わないだろう。
「でだ、たまたま校内で出会ったライラ先生に惹かれてしまった。ライラ先生もそうだったのであろう、それは磁石のようでもあった。今までそんなことを思ったこともない相手だったのにな。」
ローズも俺も無言。
まだ何を答えるという段階ではないからね。
「ライラ先生はそれは激しかった。三日間、寝かせてはくれなかった。私も授業に行き、ご自分も教鞭をとられた。しかしその時間から解き離れると、すぐに寝室に行った。」
「そりゃ、身体にはよくないよ。」
俺は思わず言ってしまった。
「うむ、ジェームズにも口酸っぱく言われた。しかし、それは呪縛のようでもあったのだ。そこで聞きたい。私が性的に強いのはまあ置いておく。獣人とは、あんなにも性的に強い物なのだろうか?女性の、しかも人の内儀に聞くのは本当に憚られるが、何卒聞かせてくれないだろうか?」
「それは、王太子殿下が、人のボスで在らせられるからです。」
ローズは静かに言うのだった。
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本作は長編となっています。
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