命は玩具じゃない
電話で依頼を受ける零。
フエが内容を聞くと──
「──はい、はい、分かりました。調査しましょう」
零はそう言って、ガチャンと受話器を置いた。
「零さん、どったのー?」
探偵事務所にやって来ていたフエが尋ねる。
「子どもの死因が事故には見えないどう見ても他殺なのに、警察は調査してくれない、子どもがいじめに遭っていたのに、学校は加害者を守る、娘の無念を晴らして欲しい、と言われてな」
「はいはーい! 無能な警察と無能な学校と、加害者とその保護者呪っていいですかー⁈⁈」
フエが元気よく手を上げる。
「ああ、構わない、だがその前に調査だ」
「やったー!」
「じゃあ、行くぞ。場所は?」
「○○県の○×市だ」
「なるほど」
「レッツラゴー!」
そう言うと三人はその場所から居なくなった。
「……ここか、依頼人の家は」
零がチャイムを鳴らすと依頼人が出て来て驚いた顔をした。
零はどうやってきたかは詮索不要と言って、とにかく娘さんのスマートフォンを貸してもらえるか頼んだ。
すると依頼人は快く渡した。
「ほれ、フエ」
「はーい、じゃ犯人捜しー……うん、こいつらだね、複数人いる。反省もしてない」
「そうか」
フエはそう言ってスマートフォンを返した。
「じゃ、言ってきまーす!」
「ああ、行ってらっしゃい」
フエが居なくなると、スマートフォンを依頼人に返して、慎次と零はその場から姿を消した。
「『いじめをしていたと思われる加害とその家族、精神病院に入院! 校長等、捜査関係者も精神病院行き! 精神病院先で加害者自白!』……さて何を見せた」
「異世界行きさせて、たくさんのあの子に追いかけられて捕まると、化け物化した彼女に体ボロボロにされるのよ! 楽しかった!」
「なるほど」
「ゾンビパニック並みの現象だからね」
「それはホラーだな」
零はため息をついた。
「だが、死者をそのように扱うのはどうなんだ?」
「本人に聞いたよ、だからやってくださいっていったからやった」
「なるほど、なら仕方あるまい」
零はため息をついた。
その後、依頼人から事件が明るみになり、娘の墓前にやっと報告できると零は言われた。
「異形は人間を玩具にして殺す」
「そうだね」
「人間も自分より弱い立場の人間を玩具にする」
「そうだね」
「……」
零は黙り込んだ。
「どったの零さん」
「いやはや、つくづく──」
「度しがたいとな」
零は不満げな顔で新聞を畳んだ──
いじめの隠蔽に対してフエが死者に聞いて行った報復。
それによって事件は明るみになり、両親は報告できた。
そして最期の零の言葉の意味、弱者をいたぶるのは異形でも人でもおなじかという若干諦めの言葉です。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
次回も読んでくださると嬉しいです。




