全身骨折~怪我の功名?~
零は二階のベッドの上でぼーっとしていた。
そこへフエがやって来て声をかけると──
「……」
零は珍しく二階でボーッとしてた。
ベッドに寝転がり、そのままだ。
「零さん?」
フエがやって来て零に声をかける。
「ああ、フエか。すまんな、クラルと慎次にトイレ以外動くなと言われてな」
「あー……異形から被害者かばって全身骨折したもんね」
「あの時は死ぬかと思ったな、痛みで」
「痛みでも自殺じゃないなら死ねないのはある意味難儀だね」
フエはため息をついてそう言うと、零に近寄る。
「でも、全身骨折はもう治ったんでしょう?」
「ああ、クラルとマヨイの手によってな」
「何でベッドにいるの」
「また同じ馬鹿したから今日はベッドと仲良くしてろって言ったんだ」
慎次が現れ雑炊を持ってきた。
「ほれ、食事だ、起きろ」
「こう言う時しか起きられん」
「なるほど」
フエは納得する。
「二日続けて全身骨折された俺の身にもなれ」
「それは謝っただろう」
「謝って許されるなら警察も異形の子もいらん」
「むぅ」
「そうだよー、零さん。少しは自分を大事にしてー」
フエは寂しそうにいった。
「こればかりはな」
零は苦く笑った。
それに二人はため息をついた。
「へーい! 暇人諸君ちょっと集合」
「いや、暇じゃないんですけど?」
「何で?」
蓮が零に呼び出されてそう言った。
「昨日、今日で零さんが全身骨折起こしたから異形がどこかに居ないか調査中なの!」
「じゃあちょうどいいや」
フエはそう言って集まった異形の子等に話をする。
「零さんが無茶して全身骨折二日続けてしやがりましたので、異形狩りを始めようと思います、反対の方、意見のある方挙手」
ちびっ子達──マヨイ、りら、エルが挙手をした。
「はい、ちびっこ三人衆」
「ロナクおにーちゃんは?」
「奴はこの件には出禁だ、彼奴異形の悪意増大させるしか能が無い」
「そっかー」
「そっかー」
「そうなのー」
「そうなのです」
「と言うことで、異形狩り開始!」
「「「「「「了解‼‼」」」」」」
「……」
「ああ、分かった」
「何が分かったんだ?」
誰かと連絡を取っていた慎次に零が声をかける。
「フエがお前が無茶したから異形狩り開始だとよ、一ヶ月は安全になるだろ、ここら辺は」
「そうか……」
「なんだ不満か?」
「いや、そうでもしないと異形の子等は動かないのだなと思ってな」
「……すまんな」
零の言葉に、慎次がばつ悪そうに返す。
「いやいいんだ。異形の子等にとって番いと『花嫁』以外の人間なんてそんなものだ」
そう言って零は盛大にため息をついた──
「花嫁」が二日続けて全身骨折なんて出来事があったから異形の子等は異形を屠れる者達で異形狩りを開始しました。
ただ、零は自分がそうならないと動かないことに悲しみを感じていました、普通の人間なんて異形の子等にとってその程度だ、と。
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