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第19話 パーティ増強

前回はアンケートにご協力頂きありがとうございました。

結果は、圧倒的多数で今のままが良いとなりましたので、このまま主人公達がジックリ試行錯誤しながら成長していく路線で行かせて頂きます。

チートはお腹いっぱいですという意見が多かったので、そろそろチート以外の流行にシフトし始めているのかもしれませんね。

そして沢山の応援のお言葉ありがとうございます!

「一旦ここで休憩しよう」


 先程の窪地から10分ほど歩いた所に隠れるのに丁度良い岩場を見つける事が出来たので、そこで休憩を取る事にした。

 レジャーシートを敷いて意識を失ったままの隼人の仲間達を寝かせる。

 そうして、軽い食事を取りながらスマホを操作してコレまで得た経験値と新しく購入出来るアイテムを確認しようとしたのだが、新しいメールが入っている事に気付いてそちらを先に確認する事にする」


『【2種複合魔法】の習得が可能になりました!』


 ほほう、新しい魔法か。

 どうやらホームセンターの時の拠点作りの様に、スキル取得のフラグが立ったみたいだ。


『複数の魔法を連携して使用する事で、【2種複合魔法】の使用条件が満たされました。複合魔法は貴方が取得した魔法の属性を複合した魔法です。それぞれの特性を同時に発揮する事でより素早く高威力な魔法を放つ事が出来ます。ただし、その分通常の魔法よりもMPの消耗が激しいので注意が必要です』


 成程な。コレを覚えれば二回魔法を覚える必要が無くなるって訳だ。当然二回魔法を発動させるよりも早く効果を発揮できるし、威力が上がるのならなお良しだ

コレは覚えてみるのも良さそうだな。

 必要なスキルポイントは8P。Lv2魔法とよりは少ないが8Lv分のポイントか。

 ロックスライムを倒した事で4Pに、更にロックスライムとの戦闘とここに来るまでに新たに倒したロックスライムで2Lvが上がって現在13Lvとなり、スキルポイントが1増えて合計5Pになった。まだポイントが足りないな。

 残念に思いながらも今度は購入可能なアイテムを確認する。

 ピンクスライムはまだ一体しか倒していないのでアイテムの購入は出来ないが、ロックスライムのアイテムは表示されていた。

 ガードポーション名前の通り防御力を一定時間増加してくれるモノらしい。

 コレに関しては、隼人達がポーションとMPポーションの代金としていくつか融通してくれた。

 俺としても無駄なポイントは使わなくて済むので助かる。

 なんせレッドスライムは水をかければ倒せるが、ロックスライムは二回魔法を唱えなければいけないからだ。

 コスト的にロックスライムを倒す方が手間が掛かる。


「う……」


 と、そうしている内に隼人達の仲間が目を覚ます。


「おい、大丈夫か!?」


 隼人と美香が仲間の元へ駆け寄り声をかける。


「あれ? ここは? ……! あのスライムは!?」


 意識が覚醒した事で、先程までもロックスライム達との戦いを思い出して飛び起きる。

 だが周囲を見回してもロックスライムが居ないどころか、見覚えのない場所に目を丸くしている。


「コイツ等が危ないところを助けてくれたんだよ!」


 そう言って隼人が俺の所に戻ってくると、がっちりと方を掴んで目を覚ました仲間に親指を立てて見せた。


「良く分からんが、君が助けてくれたんだね? ありがとう。僕は狭山、狭山恭一郎」


「恭で良いぜ!」


 何故お前が許可する。

 恭一郎と呼ばれた少年は苦笑すると、それを肯定する。


「隼人君の言うとおり恭で良いよ」


「俺は須藤巧。巧みで良いぜ、恭一郎君」


 流石に恭は無いわ。幾らなんでも失礼すぎる。


「君は要らないよ。隼人君からは何時も恭ってよばれてるしね」


 隼人がコレモンだから恭一郎は人間が出来てるな。


「んっ……何ようるさいなぁ……」


 そうして、最後の一人も目を覚ました。


 ◆


「そっかー、私達が気を失ってる間にそんな事があったのね」


 美香が用意した食事を食べながら恭一郎と少女がコレまでの経緯を聞いている。

 この少女の名前は志泉涼華。隼人達は同じ学校のクラスメートだったらしい。

 そして流されるままにこのイベントに参加してしまったのだとか。

 主に隼人の所為で。


「まったく、隼人君が話を聞かないでイベントに参加なんてするから、十分な準備が出来なかったじゃないのよ」


 涼華は強引な隼人に臆する事無くヤツの暴走を攻め立てる。


「わ、悪かったよ」


 危うく仲間を命の危険に晒してしまった事もあり、隼人は涼華の責めに対し反論する事無く謝罪の言葉を述べる。

 強引なやつだが、反省できない訳じゃない……か。


「所で、これからの事なんだが」


 隼人達が脱線しそうになったので、俺が軌道を修正する。


「俺達はこれから黒い巨大スライムを倒しにいくんだが、お前等はどうする?」


「「「「黒い巨大スライム?」」」」


 コレまでの経緯を4人に完結に伝える。


「成程、レイドボスか」


 恭一郎はネトゲ知識が在るらしく、すぐに理解してくれた。

 他の三人はあまり詳しくない見たいだったが、恭一郎の説明でどんなものか理解できたみたいだ。


「レイドボスってのは分かったけど、それだと沢山仲間が居るんじゃ……あっ!」


 質問を口にしながら美香が俺の質問の意図に気付く。

 いまだ理解していない隼人と涼華に説明をすると、4人で相談を始める。


「仲間になってくれるでしょうか?」


 皐月ちゃんが俺の傍にやってきて耳打ちする。

 ない、今の皐月ちゃんは美香の着替えを借りてTシャツとショートパンツ姿であ る。太ももが眩しい。

 ちなみに、皐月ちゃんは気付いていないみたいだから言わないが、彼女はノーブラである。つまりノーブラと言う事は即ち、薄い生地のTシャツを来た状態だと……いや、コレ以上の説明は要るまい。俺は眼と鼻の先にある桃源郷をありがたく拝んだ。


「な、何を拝んでいるんですか!?」


 おっと、本気で拝んでしまった。


「いや別に。けどまぁ心配は要らないよ」


 俺の言葉を証明するように隼人達が相談を終えやって来る。


「ボスとの戦い、俺達も混ぜてくれや。命を助けてもらった礼をさせてもらうぜ!」


 ホラね。義理堅い隼人の事だから、必ず強力してくれると思ってたぜ。


 こうして、新たな仲間達が俺達の元へと集うのだった。

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