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目を背けて

今日は優子が気晴らしに美味しいものを食べようって、最近できたカフェに2人で行くことになっている


優子にはいつも心配や迷惑をたくさんかけてしまってる

それでも優しく話を聞いてくれたり、こうやって一緒にでかけてくれる

うん。優子には足を向けて眠れません


「あ、美桜!お待たせ〜」


「大丈夫よ。私もさっき来たところだから」


「で、申し訳ないんだけどまたお姉ちゃんのところ、寄ってもいいかな?」


「あははっ、また忘れ物?」


「そうなんだよねぇ。本当どうにかしてほしいよ、あのオッチョコチョイ」





と言うことでまたもややって来ましたよ、藤堂さんの会社!

今日は最初から椅子に座って待たせてもらおう

また転んだらシャレになんないからね


「じゃ美桜、ちょっと行ってくるからそこの椅子で待っててね

じっとしてるんだよ!」


「リョーカイ」


それにしても大きな会社だな

社員さんかな?人もたくさん。それに皆んな賢そう

仕事もできるんだろうなぁ

私はまだ学生だけど、就職してこんな風に働けるようになるのかなぁ


優子がみっちゃんを呼んでもらってる間、外をボーッと眺めてた


暫くするとエントランスに一台のベンツが入って来た


ーーあれ?あの車藤堂さんがいつも乗ってるやつじゃないかな?

もしかしてチラッとでも藤堂さんのこと見ることができるかな?

気付いてもらえるかな?


ドキドキする胸を押さえて車から藤堂さんが降りてくるのを見つめていた


でも降りて来たのは藤堂さんだけではなかった


ーーえっ?


藤堂さんのあとから1人のとてもキレイな女の人が降りて来た

肩のあたりで切りそろえられたサラサラの黒髪

少しつり目で真っ赤な口紅をつけてる

濃いグレイのスーツで、藤堂さんと何か書類を見ながら歩く姿は

私なんかよりうんとお似合いだった


ーーやっぱり私なんかじゃ釣り合わないよね


この日、芽生えたばかりの気持ちにフタを閉めた


大切なものはやっぱり作っちゃダメ


今度失ったら私はもう立っていられない


それなら、初めから持たない方がいいから



そっと2人から目をそらし背中を向けた

藤堂さんに気付かれないように


秘書の加藤さんがこちらに目を向けたのにも気付かずに

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