八色 タッグバトル
着替えを済ませ黄理と紫劉は遊園地に作られた特設ステージの裏にいた。
「最高のパフォーマンスを見せようぜ!」
「うん」
ステージをスモークが覆い、音楽と共に歓声が上がる。
「月明かりに照らされた」
「街に降り注げ」
「Mysterious snow」
一瞬にしてスモークが晴れ二人が現れると更に歓声が上がり、テンポアップした曲に合わせ二人は激しいダンスを踊る。
それから二曲歌い、客とのトークやミニゲーム等をしてイベントは終了した。
「お疲れ様でした!」
「お疲れ様でした」
二人は楽屋へと戻り着替えを済ませ遊園地を後にする。
「紫劉、今度はもっとアクロバティックなダンスやってみないか?」
「面白そう。
…誰?」
紫劉が突然振り返ると怪しい二人組が立っていた。
「俺達と遊ばないかな?」
「かな?」
「なんだお前ら?
サインならしてやるぞ!」
「黄理、違う」
「ん?」
「こっちだ」
「こっちだ」
先導し二人を路地に入りしばらく進み、廃工場へと導く二人組。
「ここがいい」
「ここがいい」
「一体何なんだ?」
「敵」
二人組が体を回転させ止まるとロドルとロドラの姿に変わった。
「我等、六魔将ロドル」
「六魔将ロドラ」
「六魔将だと!?」
「黄理、油断しすぎ」
「わ、わりぃ」
ロドルとロドラは二人の周りを走り回り、仮面の口に手を突っ込み黒い玉を取り出す。
「き、気持ちわるいな」
「来る!」
ロドルとロドラが同時に黒い玉を投げ黄理と紫劉は別々の方へ逃げるが、黒い玉は突然向きを変え二人を追う。
「ついてきやがる!
なら、壊せば!」
黄理は地面を殴り、土の槍を地面から伸ばす。
「無駄だよ」
黒い玉は土の槍が直撃する寸前、更にスピードを上げガードした腕に直撃し黄理を吹き飛ばす。
「ぐっ!」
「黄理!」
「よそ見はいけない」
横から黒い玉が猛スピードで近付き、それを合わせた両手をゆっくり離し紫の電撃で指先を繋いで受け止める紫劉。
「返す」
ロドラに向かって紫劉は投げようとするが、突然黒い玉が輝き爆発した。
「直接触れないと爆発!ケッケッケッケッ!」
「し、紫劉…」
「しぶといな。
ロドラ!」
ロドルは黄理の首を掴み、ロドラは紫劉の頭を掴み互いに向かって走り出し、黄理と紫劉をぶつけ黒い玉を上空で大きくして地面に落下させ二人を下敷きにする。
「潰れた潰れた!」
「潰れた潰れた!」
「仕上げは」
「これだ!」
黒い大玉が輝き大爆発を起こして地面ごと吹き飛ばし、周囲を砂埃が覆っていく。