表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
COLORS  作者: 夢物語
1/43

一色 白き少女と6人のアイドル

裸足で夜の街をさ迷う少女。



「ここは…何処」



街では男性アイドルグループCOLORSのコンサートが行われていた。



「心の空へ~

…みんな今日はありがとう」



曲が終わりCOLORSが手を振ると観客からは歓声があがる。



「お疲れ様!」



黄理おうり、最後のターン遅れてたぞ」



汗を拭きながら青色の衣装を着た男が黄理おうりに向かって言う。



「そうか?まあ、細かい事は気にするなって!」



「お前は気にしなさすぎだ」



「まあまあ、蒼司あおしもこだわりすぎだって」



藍色の衣装を着た男が蒼司あおしの肩に手を置く。



「そういう藍麻らんまはファンに気をとられてめちゃくちゃだ」



「仕方ないよ。

綺麗な花が沢山あるんだからたっぷり愛でないとね」



紫劉しりゅう、水どうぞ」



「ありがとうあきら



衣装を脱いでいる紫劉しりゅうに、メンバーの中で一番幼いあきらが水を手渡す。



「揉めるのはそのへんで終わりだ。

社長からの連絡で魔が現れた」



赤色の衣装を着た男の言葉に全員の顔つきが真剣になる。



「またか。

何処からともなく現れては人を襲う…何度倒してもキリがない」



「わかってる。

でも蒼司あおし、俺達にはしきの力がある!

魔から人を守れるのは俺達だけだ!」



しきの力か…魔が現れ始める3年前に目覚めた力…

紅蓮ぐれんに言われなくてもわかってる。

みんな行くぞ!」



6人は会場裏の車に乗り込みしばらく走ると人々が逃げ惑い、警官隊が激しい銃撃をしている場所にたどり着く。



黄理おうり紫劉しりゅうは右から、蒼司あおし藍麻らんまは左からで俺は正面から突っ込む。

あきらは逃げ遅れた人はいないか確認してくれ!

みんな、死ぬなよ!」



紅蓮ぐれんの指示に全員が頷き走り出す。



「我が体に宿りし赤の力よ!邪悪なる者を焼き付くせ!」



紅蓮ぐれんは高く跳び赤く輝く右手から大きな炎を出し魔を焼き払っていく。


一方、黄理おうり紫劉しりゅうは魔に囲まれていた。



「今回は数が多いな」



「問題ない」



「言うじゃねえか紫劉しりゅう

いくぜ!我が体に宿りし黄の力よ!大地の怒りを邪悪なる者に!」



黄理おうりが地面に拳を突き立てると地面が黄色く輝き魔を土が貫く。



「我が体に宿りし紫の力よ!邪悪なる者を塵に変えろ!」



紫劉しりゅう両手から紫の玉が現れ合わせると激しい音と共に電撃の鎖が魔を貫き消滅させる。


左にいった蒼司あおし藍麻らんまは別々に戦っていた。



「我が体に宿りし青の力よ!邪悪なる者を凍てつくせ!」



蒼司あおしが地面に触れると蛇のように地面を凍らしながら青い光が進み魔を氷づけにしていく。



「さすが蒼司あおし

我が体に宿りし藍の力よ!邪悪なる者を飲み込め!」



藍麻らんまが手を掲げると地面から水の柱が昇り魔を次々と飲み込んでいく。


あきらは力で逃げ遅れた人を探知しながら誘導していた。



「大丈夫ですか?」



「は、はい」



「この道を真っ直ぐ行けば警察の人達がいますからね」



「ありがとうございます!」



女性はすぐにその場を離れあきらが逃げ遅れた人を探そうとした時、頭上から魔が襲いかかる。



「邪魔しないでよ!

我が体に宿りし緑の力よ!邪悪なる者を切り裂け!」



あきらの目が緑色に輝き風の刃が魔をバラバラに切り刻む。



「ふう…それにしても変だよ。

こんなに魔がいるのにあまり人を襲ってない。

魔の向かう先は………これって!?」



あきらは風に声を乗せて全員に語りかける。



「みんな!魔の動きを調べたら一人の女の子を狙ってるみたいなんだ!」



「一人の女の子を?どうして…」



「分からないけど紅蓮ぐれん急いで!女の子が囲まれてる!

そのまま真っ直ぐだよ!」



「分かった!どけー!」



紅蓮ぐれんは魔を焼き払いながら進んでいくと一人の女の子が魔に囲まれ体を震わせていた。



「見つけた!」



紅蓮ぐれんは魔達の間を縫うように進み女の子の前に現れる。



「もう大丈夫!」



「あなたは?」



「正義の味方だ!

この子には指一本触れさせない!」



紅蓮ぐれんが炎を手に巻き付け鞭のように魔を倒していくと、魔の動きが止まり道が開け男がゆっくり紅蓮ぐれんに近付いてくる。



「お前がこの世界の戦士か?そこそこやるようだな」



「誰だ?」



「名乗る必要はない。そこの女を渡せ」



「断る!」



「そうか…」



男は紅蓮ぐれんに手のひらを向けると黒い炎の玉が現れ猛スピードで撃ち出され、炎で壁を作り防ぐも壁の炎が吸収され向かってくる黒い炎の玉が直撃し吹き飛ばされる紅蓮ぐれん



「この程度か。

さあ、こちらへ来い」



「い、いや」



男が女の子へ近付こうとした時、足が凍りついている事に気付く。



「一人ではなかったか」



男を背後に蒼司あおしが現れる。



「無事か?」



「何とかな…それより気を付けろ。

こいつは強い…」



「一人増えたところで…ん?」



蒼司あおしに続くように仲間が集まり男を囲む。



「…その女は預けておく。

また近いうちにもらいに来る」



男はそう言って黒い炎に包まれた。



「お前は誰なんだ?」



「俺の一撃を受けて生きていた褒美に教えてやろう。

六魔将が一人、炎獄のダフム」



「炎獄のダフム」



ダフムは黒い炎と共に空へと消えていく。



「厄介なやつが現れたな」



立ち上がろうとする紅蓮ぐれんに手を差し出す蒼司あおし



「あんな奴が後五人もいるのか。

ありがとう」



蒼司あおしの手をとり立ち上がると、紅蓮ぐれんは女の子へ歩み寄る。



「大丈夫か?あ、ちょっと!」



安心したのか女の子は気を失い紅蓮ぐれんの腕の中へ倒れた。



「一旦、事務所に連れて帰ろう。

魔がこの子を狙っていたのが気になる」



紅蓮ぐれん達は女の子を事務所に運びソファーに寝かす。



「事情は分かった。

身元の方は俺が調べるからお前達は休んでおけ」



眼鏡をした中年の男がパソコンを操作しながら紅蓮ぐれん達の方を向く。



彩呀さいが社長、あいつの炎は俺の炎より上だった…六魔将とは一体」



「恐らくは魔を統括している存在だな。

なぜその子を狙うかは分からないが全員気を引き締めろ」



紅蓮ぐれん達は頷き事務所の上にあるそれぞれの部屋に戻っていく。



「うぅ…ここは」



「目が覚めたかい?ここはCOLORSの事務所だよ」



「COLORS?」



「君を助けた男達だよ。

君を襲った魔と戦うアイドルグループ」



「ごめんなさい、自分の名前以外思い出せなくて…」



彩呀さいがは立ち上がりコップにお茶を入れて女の子に差し出す。



「記憶喪失か…どうぞ」



「ありがとうございます。

気付いたら路地裏に倒れていて分からないまま歩いていたらあの黒い生き物が襲ってきて…」



「あれは魔と言って人間の敵なんだ。

人間の兵器では傷を付ける事すら出来ないがしきの力という特殊な力なら倒せる。

そのしきの力を操れるのがCOLORSなんだ。

君の名前を教えてもらっていいかな?」



はくっていいます」



「変わった名前だね。

私は天道時彩呀てんどうじ さいがよろしく」



彩呀さいがが手を差し出すとはくは何かを考えている。



「こんなおじさんと握手は嫌だったかな?」



「あっ、違います!彩呀さいがさんの名前に何だか懐かしい感じがして」



「君みたいな可愛い子に会ったら忘れないけどね。

よし!今日から君はうちの事務員だ!」



「事務員?」



「君は我々がしっかり守る!だから、ここに住み込みで働いてもらう!

難しい仕事は無いから安心していい」



「いいんですか?」



「大歓迎だよ!

お前達もいいな?」



彩呀さいががドアの方を見ると勢いよくドアが開き紅蓮ぐれん達が順に重なりあって現れる。



「ばれちゃってるじゃん!」



黄理おうり重い」



「俺だけじゃねぇって!」



「こんな可愛い子と一緒に暮らせるなんて幸せだよ」



「全く情けない」



「な、蒼司あおしだって盗み聞きしてたろ!

っていうか…お前達…重いんだよ!」



紅蓮ぐれんは勢いよく立ち上がり上に乗っていた四人を吹き飛ばす。



「はぁ…はぁ…はぁ…、こんな馬鹿ばっかりだけどよろしくな!」



「フフフ、はい!」



はくは満面の笑みを浮かべていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ