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【番外編20】床の上で滑ったら、ズボン生地の一部が、ツルツルで光沢のある素材になってしまいました。

 床と手の間にかませた硬く絞った雑巾から、手がずれないように注意します。


 小学生の頃、今日のように、両足をけたたましく動かし、雑巾がけをしていたら、手から雑巾がずれてしまったことがあります。

 あっ、雑巾がない、と思った瞬間には、手のひらを擦り剥いたのです。

 どう転んだのか、自分では、とっさのことで、全く分かりませんでした。

 ズボンは摩擦熱に弱い素材だったのか、膝や、お尻のあたりだけが、生地の材質が変わったかのように、なってしまいました。ツルツルで、光沢があるのに、柔らかくない状態になってしまいました。


 腰に疲れを感じたので、ふう、と一息つきながら、両膝を突いていました。雑巾掛けをする女子たちから、偉い、と褒める視線や、そこまで真剣にやる必要性を問うような、両方の感情が宿った視線が集まっていました。


「自分が毎日お世話になってる教室だから、奇麗にするの当然だよ」


 担任に聞こえるよう、目一杯、素直で真面目な子を印象付けます。進学希望なので、内申点を稼ぎたい気持ちも、心の片隅には、あるでしょう。

 ファンタジーの多人数参加型オンラインゲームで例えるなら、レベル上げで、倒すのに時間がかからず、経験値が多いモンスターを単調で、面倒くさいな、と思いながらも倒した後のような気分。

 レベルアップしたけど、まだまだ上げる必要がある。そんな楽しさと退屈さが入り混じったような、つかの間の幸せです。


「あれ、床に何か落ちてる?」


 撃ち合いゲーム『共トレ』をしているせいで、ほかごとしながら、床に落ちていたシャーペンや消しゴムなどの個人アイテムは、誰が持ち主か、考えてる余裕は、あったんです。小さな、一瞬光ったモノが床にあります。

『共トレ』なら、スナイパーの存在を疑うところですが、現実リアルなので、撃たれる心配はありません。

 雑巾を片手に提げ、歩いてそこまで行きました。


「女子、細かい汚れも、拭いてね。そこの男子、サボらない」


 担任、自分は高そうなスーツだからか、参加せず指示するだけです。掃除中、サボッて先生から叱られるてるのは、男子率が高いです。

 小学校も中学校でも、馴染んでしまって、男子生徒がサボるのが、フツーに感じる自分がいました。

 教室の後ろ半分では、女子十人くらいが点在して、床を拭き続けています。ほうきを持つ子は、もう、やることないのですが、誰も掃除道具入れに、片付けません。いわゆる、同調圧力でしょう。

 足を閉じて、スカートの裾を手で押さえます。雑巾を持つ手で、ぶつぶつ床、リノリウムとか呼ばれる材質を拭いてました。

 小さな光る物体までは、もう少し腕を伸ばせば届きそうだったんです。

 でも、疲れてきたので、わたしは、担任に腹が立ってきました。

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