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【番外編】⑥『タイルにシールでポスター貼ったら、剥がした後、汚れませんか?』

 やけに良い、暇つぶしの姫の香りが鼻腔をくすぐります。

 危ない、こっちに倒れないでよ、受け止めれる自身がない。心で思いますが、口にはしません。机に座り、足をふらふら浮かせ、しかも、前のめり。暇つぶしの姫は、バランスを崩しかねない姿勢なのです。


「ねえ、どこに、フレンチの加登かどさんのポスターあるの?」


 暇つぶしの姫、スマホを手に取ろうとしません。決して、自らの手は、汚さないタイプなのでしょう。男子のスマホを触るという、仲良しみたいな行為を、避けているのです。

 画像を見る限り、歯磨き粉のチューブみたいなのに入ってたりする、シール剥がしは、厨房には備品でなさそうです。お玉やターナーや、泡立てや、ボウルしかありません。むしろ、口にしたら危ない、シール剥がしが置いてあったら、怖い気もします。

 わたしが、小指の先で液晶に触れます。


「画像、アップしてみるね」


 ポスターでは、フレンチの加登かどさんは、写真撮影用に、新品にしか見えないコックコートに身を包み、しかも、画像を加工済みみたいにみえます。眉毛近くの産毛処理が雑で、眉間に、一本だけ、アホ毛がくるり飛び出そうになっているのに、消し方が雑で、丸い毛の真ん中だけが、肌の色を塗って溶かしたように、なっているので、見破れました。

 ポスターの下にある説明文に目を通しながら、自分の考えを、わたしがそれとなく、言葉として発声します。


「ホントだ。生徒が、中学生、高校生限定でお菓子作り教室を、うちの高校でするんだ! 定員に達し次第、募集締め切り。つまり、希望者は早い者勝ち、お店で例えるなら、レジに先に並んだ人が、先にお会計を済ませれるようなモノ。うちの高校が完全有利ジャン。何か裏がある気がする!」

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