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Parallel 欲しいのは一つだけ ビリー争奪戦 幼馴染編

英語部メンバーが帰ったのと入れ違いに、今度は幼馴染とお泊りです。


「なんか、むかつかない?」

「しかたないじゃん」

「滅多にないスポットライトなんだからさ」

「静香の言う事に賛成。義人なのに生意気」

例によって、私の家で皆で夏休みの宿題。

よっちゃんは実験が絡んでいるらしくって、レポートを作成している。

静香は、インハイ出場したため、これからエンジンをかけないとマズイ状態。

雅子ちゃんは、お約束の英語で悪戦苦闘中。

創君は、学校の宿題は終わって、予備校のテキストを消化している。



なぜ、みんながよっちゃんにいらついているかというと、ビリーと遊んでいるから。

まあ、無事にレポートが終わったからなんだけどね。

よっちゃんは高専だから進路で忙しくなるのは後2年後。

本人は大学転入を希望しているので、それなりに準備はしているらしい。

高専のコンテストに定期的に応募してそれなりの評価を頂いているようだ。

高校に入った時はそれなりにちゃらんぽらんだったのにね。

やっぱり佐山君達と会えた事が大きいのかな。

同じ学校には進学しなかった私達だけども、定期的にこうやって一緒に過ごしている。

雅子ちゃんは高校に入ってから付き合いだした彼氏と相変わらず仲よしさんらしい。

静香はずっと部活に専念していたけど、これからは恋に生きたいのって宣言した。

けれども…幼稚園の先生を希望しているから、家の近くの短大に進もうかなって言い始めた。

静香の幼稚園の先生…子供と同じテンションで遊びそうだ。

創君は、法律の勉強がしたいからと言って必死になって勉強している。

目指すは、近くの国立だが、彼の学校からだと現役合格はほとんどいないから私も勉強を見てあげる事が多い。

学校の模試でどうしても大学を選択するときは、彼の志望大学の文学部にしている。

まあ、私は専門学校推薦なんだけどね。

私の進路は、先生皆から反対された。確かにそうだろう。

今の私…特待生。持っている資格も英検2級。準1級は1次試験は受かった状態だ。

でも、専門学校に行きたいからワープロ検定も秘書検定も簿記検定も受けた。

商業高校に通っている同級生の平均的は成績よりした位までは取得している。

そんな状態の私だから、特に学びたいものがなくて4年過ごす位なら2年で社会人に慣れるためのスキルを高めたいと言って先生を納得させた。

その代わりに条件が出された。表向きは大学進学をほのめかす様にと。文系トップクラスが現役専門学校と言うのは困ると。

確かにその通りだ。だから、私もその条件を飲むことにした。



「よっちゃん、ビリーと遊ぶんだったら私の部屋で遊んで?皆の邪魔」

私はよっちゃんに宣告する。

「分かった。お前のママが怖いから上の部屋に行こうな」

よっちゃんが私が邪魔にしたといいたいのか嫌味を言いながら部屋を出ようとする。

「…やっぱり、腹立つ」

「まあまあ」

「でもさ、高専の倍率って私達のどの高校より高かったんだよ。忘れてない?」

「そうだっけ…よっちゃんって相当頭良かったって事?」

「そうよ。あの学校は理科と数学の比率が重いからね。私達は皆して文系でしょう?」

3年前の高校受験の時、よっちゃんは私立が受かってから、学校をサボって試験勉強に専念してたのを私は知ってる。

なぜか?その作業に…私はいっちょかみしていたんだね。

気管支炎になったので、完全に治るまで学校に行かないと宣言して10日程…日曜日もあったから約2週間位?

よっちゃんの苦手な英語と化学をつきっきりでお付き合いしていたんだよね。

でも、高専の物理はS高並みに難しいんだから…頑張ったと思うよ。



「さて、邪魔ものが消えたので、始めますか」

創君が仕切り直したので、皆で終わっていない宿題を出す。

創君は予備校のテキスト。これは私が受講したものだから、答えも授業ノートも揃ってる。

「創君のは、私のノートでカバーできる。分からなかったら言って?」

雅子ちゃんは、英語のプリントを出してきた。30枚はありそうな分厚い問題集。

中身を確認すると、英語全般から幅広く出されていた。

「ちい、ごめん。グラマーだけやっておいて貰える?リーダーは何とかなるから」

「いいよ。やっておく。問題は…静香。何を先に片付けようか?」

静香は恐る恐る課題の一覧表を私に見せる。

良く見ると、古文と英語の課題は自力で終わらせたようだ。残りは…生物と物理と総合数学と日本史。

「静香の生物と日本史はやってあげる。物理と数学はよっちゃん。自力で今できるものは?」

「…読書感想文。でも本を選んでいない」

さて、この熱血部活少女…どうしましょう?お説教タイムすら勿体無い。

「誰か、感想文書いてない?」

「ちいは?やってないの?」

「今年はないの。皆がないのなら…20日には私が感想文書いておくから任せて貰ってもいい?」

「ちい…甘い」

「何か目的があるのか?」

創君は私の意図がうっすらと見えているみたいだ。

「専門学校で小論文があるんだ。その練習。2学期からは放課後に小論文の補講があるからいい練習になる」

「それならいいんだけど、静香…感謝しなさいよ」

私達は互いに協力できる分野を手分けして消化し始める。



「ビリー寝かせてきた」

「そう。だったら静香の世話ね。静香…逃げない」

「だって、義人ってば人の事馬鹿しか言わないんだもん」

「よっちゃん…言葉は選んでね?」

「分かったよ。ほらっ、静香やるぞ」

ビリーを寝かしつけたよっちゃんが来たことで宿題が飛躍的にに片付くだろう。

皆、とりあえず今夜は泊まっていくって言ってたから、適当なところでご飯の用意しないと。

「なあ、今夜は隣に行かない?俺達だけで」

「いいねぇ。最悪自分達で家に運んでもいいもんね。何食べる?」

夕飯には後1時間以上あるんだけども、隣でご飯は確定らしい。

隣のおじさんが作る餃子がとにかく皆好きだから。それだけは先に頼んでおこうかな。

「餃子だけは先に頼んでおこうか?何個にする?」

「5人だけど…50個?」

「おかずとするならいいんじゃない?ってことは、10人前ね。先に頼んでおくよ」

「だったら…俺は中華丼がいい」

「俺も同じく」

よっちゃんと創君は揃って中華丼を頼むと言ってる。実は私もそうだったりする。

「私もだから…3人前?」

私が静香と雅子ちゃんを見る。二人は…少しだけ悩んでいる。

「だったら、皆同じものにしようよ。喧嘩にならないしさ」

「そうだね。それじゃあ、ちょっと行ってくるね」

私はお財布を片手に隣の中華食堂に行く。



最近のお泊まりはこういうご飯が多い。

ご飯ものは中華丼とカレー(意外においしいの)と八宝菜定食と酢豚定食とマーボ茄子定食。

5人が割れる時は、素直に食堂に言って、皆で訳あって食べるんだけども、今夜はどうするんだろう?

お店が混んでいたら、お盆を借りて家に帰ればいいだけだから…深く考えるの止めようっと。

私は夕焼けに染まりつつある空を見ながら、隣の家に向かうのだった。



おまけ


「ビリーには触れなかったな」

「でも、皆に警戒はしていないよ。もう少しだよ」

創君が寝る前にポツリと漏らす。結局はよっちゃんから片時も離れることはなかったわけで。

構いたくて来ている皆としてはちょっと寂しいわけで。

「ってか、最近。隣で食べてるから、明日の夜は…唐揚げ祭り…する?」

「それもいいけど、カレーも良くないか?」

「えー、素麺でもいいよ。さっぱりしたい」

「食べれれば…文句は言わない」

最後にコメントした静香のは…本音だ。静香のゴールは程遠い。

「大丈夫。ちゃんと野菜は食べれるようにするからね?」

私は頭の中で献立を考える。お泊まり中に皆が千円をくれるのでその中からやりくりする。

今日のメニューだと…丁度千円。今回のお泊まりは、宿題が終わった順に解散になっている。

一番かかりそうなのは…静香なのはここだけの話。

しかも、静香のおばさんから別途でお金を貰っているので、静香が帰る時に清算しないとね。

私達の合宿はまだ始まったばかり。明日の朝ご飯の下拵えをしに台所に行く私だった。

結局はちいに引き合わせた、よっちゃんの独り相撲。

今回のお泊りでは誰も触れなかったというオチでお願いします。

でも、ビリーは同じ部屋で過ごせるまでに距離を縮めています。

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