様々な人のいろんな活躍
辺境に人無し。
確かに一昨年あたりまでは、そう言っても過言ではなかった。
しかし、今はそこら辺の貴族家より、人材は充実していると言える。
他の貴族家と比較して家人の人数が少ないのは、屋敷の使用人が驚くほど少ないためである。
領地経営の実働部隊は他家を圧倒しているはずだ。
まず、家臣としてはセバスを始めとする屋敷のメンバーや政庁職員、騎士団正副団長と直属500名の騎士、8名の騎士爵と200名の所属騎士、市長や市役所、評議員。
外部では各工廠の職工、商会の方々、鍛冶、服飾のプロや測量隊、自警団員、土木商会従業員、教会の聖職者、林業班員や試験場を手伝う近隣領民まで、様々な人材が機能することで領地が発展を始めている。
人数、活動分野、個々のモチベーションのどれを取っても見通しは明るい。
「しかし、本当に多くの人と関わるようになったね。」
「私もそれなりに長く生きた人間ですが、この1~2年に知り合った人数がそれまでの倍以上はいるような気がいたします。」
「父や先代の頃はどうだったんだい?」
「人が離れていく時代でしたなあ。屋敷はもちろん、領民との付き合いなど、考えもいたしませんでしたし、旦那様方も同じだったかと。」
「私も人付き合いは苦手な方だよ?」
「坊ちゃんのお歳でそう判断されるのは、早すぎるのではありませんか?」
いや、49年の実績と実感が十分証明してるよ。
「まだ、これに教師と医師が加わる。」
「きっと、それ以外にも様々な方と関わり、領内を発展させていくことでしょう。ただ、お味方ばかりではございません。きっと対立する者も現れます。」
フラグかな?
「そうだね。特に金のある所には人が集まる。善悪問わず。」
「ところで、今後、工廠の新規建設は行わないのですか?」
「一応、最低限必要と考えていたものは全て作ったよ。ただ今後、様子を見て造船は行いたいし、印刷・出版業にも乗り出したい。それに化学工廠は医薬品、化学薬品、化学肥料と需要を見ながら細分化していく必要は出てくるんじゃないかな。」
「では、さらに関わる人が増えますな。」
「そうだね。各工廠の中間管理職の育成や研究機関や試験場の細分化、港湾管理や検疫なんかも将来、必要になるかも知れない。」
「けんえき?また何か企んでおりますな?」
いや?何のこと?




