表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
PR
56/1781

家族会議

「という訳であの娘をうちで面倒みようと思うんだけど、みんなどうかな?」

 とある日の午後、屋敷の主だったメンバーが食堂に集まる。


「恐らく両親はいないのでしょう。住んでいた場所が分からないのか隠しているのかは分かりませんが、放棄された奴隷ということであれば引き取り手がいるとは思えません。」

「そうだねえ。可愛そうな子だねえ。そんなヤツ捕まえて懲らしめることはできないのかい?」

「主人はヨーゼフという名らしい。珍しくない名前だし、どこの人間か分からない。」


「畑の手伝いをしていたとなると、スーディル郊外かへワーク、マーブルク辺りの比較的裕福な農家でしょう。」

「裕福な農家なんて、うちの領内にはそんなにいないよねえ。」

「裕福でなくてもタダ働きさせてる百姓は結構いるぜ。」


「奴隷ってどこで買うの?」

「一般的には奴隷商ですが、浮浪者や親を亡くしたような身寄りの無い者を拾ってきたり、近所の子供を借金の形に貰ったり、酷い場合は次男以降の子供を奴隷扱いしたり。」

「何でもありなんですね。」

「ええ、平民ならいつ奴隷になってもおかしくありません。それこそ家族が病気になっただけで簡単に奴隷落ちします。ああ、戦争捕虜という者もいますね。」


「領外から来て捨てたってことは無い?」

「奴隷取引に制限を掛けたのはリンツ領ですから。よそなら売れば良いだけですし。」


「もう領外に逃亡したとかは?」

「今は領外に行くより、この領内にいた方が良いと思いますが。領外に出るために衰弱した奴隷を捨てたという可能性は僅かながらあるかと。」


「主人を探すのは?」

「とても難しいでしょうな。奴隷を持つ者は多いようですし、何より農村は領主や騎士団に非協力的な住民が多いので。」


「となれば、うちで働いてもらうしかないねえ。」

「去年の今頃なら難しかったけど、今は1人くらい増えても問題ない。どうだろう?」

「見習いということで雇われてはいかがでしょう。」

「賛成、私もお手伝いします。」

「やっと後輩ができるのね。賛成よ。」

「必ずふくよかにしてみせます。腕が鳴りますねえ。」

「庭仕事もできるかなあ。」

 あんたは仕事しろよ!

「あらあらまあまあ。」


 どうやら反対はないようだ。

 こうしてオルガさんを師とする見習いメイドが誕生した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ