冬の事業
さて、11月に入り使役事業が始まった。
これは税金代わりに労働力を供出させる、農民にとっては「冬の仕事」であり、帝国内で古くから行われてきたものである。
また、これがあるから農民は基本的に出稼ぎをしない、とも言える。
ロスリーでは11月から3月上旬までであるが、山間のオーガブルクでは3月一杯までするし、真冬でも何か収穫してるニーウェイやウスターは12月開始と、かなりいい加減な制度でもある。
「今年はロスリー郊外から西、スーディル郊外からへワーク峠方面の舗装が主たる工事になります。延長は双方1kmづつを最低ノルマと設定しております。またウスターとウラヌスは合同でスーディル方面へ舗装、ニーウェイはニルヴェ川河口付近から舗装を始めるようです。」
「ロスリー~スーディル間の舗装だけで10年かかるね。」
「そうならないための土木商会では?」
「毎月お金が入ってくるからねえ。」
「先月は70万ディリでしたぞ!」
「石炭様様だね。」
「ええ、意外に家庭用燃料として需要があるようです。村も人口急増中です。」
「ロスリーやスーディルもね。」
「はい。上水道取水施設工事はティグレの商会が建設を受注しましたし、市役所別館の取り壊しも完了しました。」
「着々と進むねえ。父も驚くだろうね。」
「そう言えば今まで全く報告しておりませんでしたなあ。」
「まあ、父はどうでもいいし。でも丁度1年経つし、一度報告してみる?」
「かしこまりました。では、報告しておきます。それと先日できなかった港の視察はいかがしましょう。」
「いつなら大丈夫そう?」
「では来週にでも予定を入れておきます。」
「ほかに何かあったかな?」
「測量隊の一班は舗装と各種施設に付きっきりですが、もう一班は手が空いたようです。」
「じゃあ、コンパス測量器の習熟をさせよう。」
「では、騎士団長に伝えておきます。」
「思い出した。港に行くならエネルに羅針盤を紹介しないと。」
「ああ、そうですね。そちらにも連絡しておきます。」
本日も順調だ。




