新年度に向けた取り組み
さて、来月から新年度である。
まあ、未だに違和感を感じる9月スタートではあるが、年度始め開始後すぐに始める業務の具体的な指示を職員に周知する。
まず、予算概要説明と決算事務開始、購入予定地の概要、騎士団を含む人員募集。
また人員拡大に併せて自警団組織の発足、新法令の公示と周知活動、増員した測量班による直轄市街地測量、新港湾設備設計、水道取水口及び下水処理場設計、上水道用水路建設ルート決定、試験栽培・養殖の準備、各業界への人員強化依頼方法など、多方面に亘る指示を出す。
「しかしまあ、あるもんですねえ。」
「さすがに全て把握するのは困難でございましょう。」
「昨年より随分お金に余裕ができたのが唯一良かったところですかねえ。」
「いやいや坊ちゃん。政庁職員が7人に増えたところでしょう。」
「結局、徴税方法改善は間に合いませんでしたし・・・」
「あの市役所に税を自ら払いに来た人への1割還付ですね。あれは今年度の税収見込みを見て判断しないと・・・いきなり大幅減収では不安で・・・」
「でもあれで徴税員を削減して政庁職員に繰り入れれば一気に人が揃いそうですが。」
「まあ、人口も増えているみたいですし、今後に期待ですな。」
「景気もかなり良いようで何よりです。」
「あまりに急な変化で皆まだ半信半疑のようですが、これが確信に変わった時、爆発的に活気が出ることでしょう。すでに領民からは好感触を得ていますし、一部では人手不足も起きています。」
「後は教員と医師か・・・」
「これは何か移住促進策を打った方がよろしいのでは?」
「単純に高報酬で釣るのが一番でしょうか?より近隣に恨みを買いそうですが。」
「そのために騎士団員を増やすのでは?」
「そういう理由付けの仕方もありましたねえ。」
「ち、違ったのですね・・・」
「ま、まあ、ある程度即戦力の団員候補も多いようで何よりです。」
「騎士団員の採用は団長に任せておけば大丈夫でしょう。元々近隣では強いと評判でしたし。」
「父仕込みの厳しい訓練をやるんでしょう?」
「それで兵器生産は間に合いますかね。」
「近日中に試作が完成します。乞うご期待といったところですね。ところで、政庁職員で特に優秀な人いる?」
「エネル商会から来たパウロが特に優秀です。まあ、皆良く働いてくれてますよ。彼らがあちこち走り回ってくれているおかげで、随分ほかの事をする余裕ができてまいりました。」
「まあ、セバスもお疲れのようだから、あんまり無理しないでね。」
少しづつ前に進んではいるらしい。




