調査団帰還
商業ギルド国と帝都で情報収集していた調査団が帰還し、報告に来た。
早速執務室で話を聞く。
「いやあ、長らく外地で調査いただき、ありがとうございました。」
「いえ、うちにとっても良い収穫がありましたし、これが何倍にも返ってくるんでしょう?もう今から楽しみで楽しみで。」
こう答えるのはエネル兄弟商会副会長。エネル兄弟商会は創業者兄弟のそれぞれの一族が陸運と海運に分かれて事業展開している創業50年の老舗企業である。
副会長は海運を担当していて会長の実弟。つまり、前副会長の家に養子として入った人である。
「うちの調査員も色々新しい人脈を掘り起こしてくれたみたいで、本当に喜ばしいことです。」
こちらがいつもこき使っているロスリー商会長。何かいろいろごめん。
「それで、これが商業国における流通品目、産地、単位当たり価格、およその流通量のリストになります。こちらが同じく帝国内のものになります。」
よかった。ターメリックはターメリックだ。
これがこの世界ではターメリックのことをボーンボンと呼びます、なんてことになったら私の知識がまるで生かせない所だった。
「分かりました。至急読んで把握するようにします。それで商業国までの航路や他の大陸航路の所要日数などはどうでしたか?」
それぞれの物品の価格、流通量、産地、用途、地方名から輸送関連の情報など、様々な報告を受けて大変有意義な、いや本心はウッシッシな情報満載の報告会となった。
「ご報告ありがとうございました。その上でお二人にご相談したいことがあります。」
「いよいよですねえ。」
「お金の香ばしい臭いがします。」
「まず私は大陸間貿易に乗り出し、商業ギルド国に勝る利益を上げたいと考えています。そのため、外洋航路用の大型船建造と現地通訳の確保をお願いしたい。つまり現地での売買はロスリー商会、運輸事業をエネル兄弟商会に行って欲しいんです。これからスーディル港の整備を予定していますし、羅針盤なる物も近日完成予定です。彼らがまだ海外貿易に本気を出していない今のうちに地歩を固めたいのです。ご協力いただけますか?」
「よし来た!と言いたいところですが、スーディル港の整備を詳しく聞かせてもらえますか。」
「うちは具体的にどんな品をご所望か、是非知りとうございます。」
やっぱ商売人ってすごいや、って香ばしい臭いなのね。




