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リンツ伝  作者: レベル低下中
第一章 領地改革編
32/1781

ロスリーの街

 ゴホーク村で一晩宿泊した。


 ロスリーとは違い、湿度が低かったので、心地よく休めたまでは良かったが、帰ってくると反動で何だか身体がだるい。

 夏バテか?

 そう言えば日本なら、そろそろお盆か。

 このままお盆で目が覚めないかなあ。


 そんな蒸し暑いロスリーを紹介する。


 帝国東部辺境の街であるが、国境の町はさらに東のガーゴイルであり、国境一つ手前が正しい。

 人口は約7000人で、外周部に城壁などはない普通の田舎町である。


 その代わり、郊外北西部の小山の上にロスリー城があり、騎士団の本部がある。

 まあ、あんな小さい城、実戦では何の役にも立たないだろうが・・・


 町の東約5kmの所にニルヴェ川という比較的大きな川があり、これが東の領地境を形成する。

 ちなみに領地の東はアンブロス伯爵家所有の飛び地があり、私たちは単にガーゴイル地方と呼んでいる。

 このニルヴェ川からロスリー中心部までは緩やかな下りとなっている。

 これはニルヴェが暴れ川の証拠であり、堆積物により町の東側の方が2mほど高い。


 町の北は標高100mほどの低山があり、山の向こうはハガ-騎士爵領となる。

 町の南にはハーゲン川が流れ、ニルヴェ川に合流するが、このハーゲン川一帯がロスリーで最も低い土地である。

 つまり洪水時はニルヴェ川の水が逆流して、市内中心部から西が浸水するのがお約束らしい。

 ちなみに伯爵邸も見事に浸水する。


ハーゲン川以南は低湿地帯があり、その向こうに標高約200mの山がある。山の向こうは海沿いの村ウスターである。


 町の西は丘陵地帯であり、これを過ぎるとヘワーク騎士爵領、更に西に進んでへワーク峠を越えるとスーディルの町がある。

 つまり三方を山や丘、一方を川で区切られた小さな平野がロスリーである。


 ちょっとした盆地状の土地なので夏は暑いものの、冬は温暖な気候に助けられ、氷など年に数回張るだけである。

 雪も一冬に何度かちらつくが、積もることは稀である。


 そして、町の周囲は畑が拡がり、南の山に登れば遠くにエル=ラーン山脈が見える。

 何でここに町が発展したのかはよく分かっていないが、帝都から続く東部街道の宿場町と考えるのが妥当な所か。


さて、領地の東端が領都ロスリーであり、西端が港町スーディルである。

 双方の距離は感覚的に約20kmであるが、ロスリーが領都になった理由は、単純に国境最前線の町を避けた結果と思われる。

 ウェーヌ時代はそれで良かったが、今は逆にこちらが国境に近い。


 スーディルにも一応小さな城はあるので、今から領都を変えることは可能だろうが、そんな面倒なことを考えた領主はいなかったらしい。


 私も、きっとその一人となるだろう。


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