商店街ノリノリ
ロスリーには商店街が存在する。
いや、この規模の街ならどこにでもこんな感じの商業地区は存在する。
田舎の鄙びた奥様方の憩いの場である。
そして今日は、そこの商店主や商工会、地主を集めた説明会を市役所の一角で行っている。
実は、市役所の裏口、つまり北側は商店街の通りなのである。
「これが、今後進めるロスリー市の整備計画の概要となります。そしてこれからお見せするのが、整備後の地図になります。」
「何となくですが、よくなりそうなことは分かりました。それで、この地図は?」
「今回の計画の柱は5つありますが、その中で最も重要なのが商店街路の拡幅整備と、それに伴う商店の建替工事となります。まず、商店街北側の建物を取り壊し、上下水管を埋設した後に道路を拡幅舗装し、商店を新築します。」
「南側の店はそのままですか?」
「南側は現状維持です。」
「しかし、皆そのようなお金は無いのですが。」
「当家である程度は負担します。まあ、すぐに工事を始める訳ではありませんが・・・」
「お金の心配が無いなら、うちも新しい家に住みたいんじゃが。」
「あたしんちもお願い!」
「いつから?うちはいつでもいいよ!」
「いえ、まだ水道の設計がこれからですから、少なくとも2年は先の話です。」
「すぐにやろうよ!ご領主様!」
勘弁してくれ・・・
「とにかく、今から注意して欲しいことを伝えます。まず、土地を売る場合も、いずれこういった工事があることを知った上でお願いします。変な形で土地が売られて工事が出来ない、なんてことを避ける必要があります。それと北側の家主さんも、家の補修工事は控えて欲しい。」
「家ができるまで儂らはどこに住めばいい?」
「地図のここ、伯爵邸の道向かいの土地を確保し、現在建っている建物を仮の家としたいと考えています。」
「しかし、道路を広げてみんなが北にずれるとなると、伯爵様の屋敷が邪魔だなあ?」
「そうだねえ、伯爵邸も取り壊さないといけないねえ。」
嬉しそうに言うな!
これでも一応伯爵家だぞ!
街から追い出そうとするな!
「まあ、ご領主様はどこでもいいんだからなあ。この辺でいいんじゃないか?」
商店主が指差してる場所、すでにロスリーじゃないし・・・
「ロスリー城があるじゃあないか、山ん中だけど。」
お前ら全員不敬罪だ、死刑だ!
でも、屋敷移転かあ・・・
それもそうだなあ・・・




