ついに爆発する
最近すごい。
何がすごいって色々・・・
もうドッカンドッカンって感じ。
「名代様、準備が整いました。」
ここは、ヒューイ騎士爵領内に建設した演習場である。
ロスリーから西北に約一時間の地区であり、三方を山に囲まれた他に使い道のない広い土地を騎士団のために確保した。
まだ演習場とは名ばかりで、単なる広い土地である。
「では、あらかじめ粉末にしておいた材料を調合する。危険だから材料は全て濡らしてある。はじめはごく少量づつ行うので見ていて欲しい。」
分量的に一番多いのは硝石である。
これを慎重に混ぜる。正直言って怖い。
学生時代も劇薬を取り扱うことはあったが、こんな原始的な調合はさすがに初めてである。
「材料は何でしょうか。」
「硫黄、硝石、つまり硝酸カリウム、そして木炭。4分の3は硝石で硫黄が1割、残りが木炭ってところかな?じゃあ、みんな離れて。」
一応、油に浸した糸を導火線代わりにしている。そして着火。
バン!
そうこれこれ、火薬の音と臭い、ある意味懐かしい。
集まった皆さんしばし無言。
「成功ですね。」
「いやあ坊ちゃん、こりゃまた愉快なもん作りましたなあ、ガッハッハ!」
「これは・・・投石機など問題にならないのでは?」
「将来的にはもっと威力の高い火薬を量産する。でも、生産設備や人の確保が先決。」
「確かに、それに町中で製造する訳にはまいりませんし。」
「うん。ゆくゆくは火薬だけでなく化学薬品や金属、精密機器の各工場、それに研究所を含む工業団地を作るつもり。場所はロスリーの西にある丘陵地帯がいいと思ってる。」
「では一度、現地視察ですな。」
屋敷に戻ると今度は鍛冶屋の主人が。
注文していた金型多数が完成したとのこと、すぐ確認に向かう。
できる、できるぞ!鉄砲と大砲が。




