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小瓶6札 ラフェヌの回想

※キャラクター エピソードです。

※今回は、ラフェヌ視点での話。

※約9千文字 近くあります。

※気になる方のみ、読めば良い お話です。

※現在と過去の線は引きませんので、悪しからず。

 ふぁぁ… た い く つ だ・・。


いつもの日常が、戻って来てしまった・・・。

 あぁ、リモンくんは‥行ってしまったなぁ‥。


「溜息ついてないで、仕事して下さい!ラフェヌ班長!」

‥もう‥うるさいなぁ‥コニシェは‥。


やる事と、言ったって‥。僕が やる事なんて、無いじゃないか・・。


「軍団長からの依頼は? もう出来たのですか?」

はぁ~‥。あれは、まだ・・だ。難しい。



 こ ん な の 、よく作れたもんだよね・・リモンくん。


作り方は‥教えて貰った。材料は‥揃ってる。



・・・でも、同じ効果に…ならないんだ。

僕が作ると・・効果が少なくなる。使って貰っても‥すぐには効果が出ないし。


「サラーサブマ薬は、上手く出来たじゃないですか・・」そうなんだ。

あれは‥リモンくんに渡された材料と、レシピで‥比較的 簡単 だった。


‥瀕死の兵士を‥瞬く間に治す‥奇跡の薬。


 その大元の‥液体 作り。難航中なんだ。


上手く出来ない‥。もう、材料渡して‥本人に作って貰いたいくらいだ。

「そう‥軍団長に進言しますか?」うーん‥。そう‥だね。


コニシェが僕の代わりに、言ってくれるから、僕は‥今夜の薬でも作ろうかな。


 カチャ カチャ・・コトッ


 いつもの‥眠気 覚まし・・。

作り慣れてるものだから‥他の事を考えるには、丁度 良いんだ。



 リモンくん・・彼と、初めて出会ったのは・・・。



 入口の研究室に居ると‥両親が、やたらと施設に来ては、婚約者を選ぼう‥みたいに言ってきて・・。



 う ん ざ り ・・だった。 僕は、研究に集中したかった。


軍団長に、移動の申請書を出して‥施設の 奥に位置する 研究室に移動となった。

 どこでも良い。親が 来 な い 所ならば・・・。



あの頃、僕とは違った理由で‥別の町から来た‥班長が居た。


・・ラオフェンだ。


 彼は親とかではなく、町の女性陣に‥毎度 捕まり‥。

仕事が出来ないと、困っていたから「移動の書類でも、出せば良いじゃないか‥」


 そんな事を言った後(あと)‥。

同じ時に移動となり‥。ガリゾーントの町の勤務となったらしい。


 懐かしいな・・・。



 研究よりも、町での騒動で『鑑定士』が、必要になった時だけ‥僕も‥同行したりしたけど・・。決まって、同じ事の繰り返しだった。すぐに飽きてしまった。


 その内、他の鑑定士が居る時は‥僕は、行かなくなったんだ。



「ラフェヌさん!事件ですよ!」‥いつもの人が、行くだろう?


「ラフェヌ殿、他の者は出払っていたので、ご同行 願えますか?」

「おや? ラオフェンじゃないか・・。久しぶりだね」そんな呑気な‥という顔をしている。分かっているよ。


 いつもの‥鑑定士の時の道具は、この四角い鞄に入ってる。持って行くだけ。


道中、話を聞くと‥移動 早々にも行った、アクセサリ屋のジェマさんとこで、また『ジン』騒ぎだ・・。どうせ、また・・偽物‥なのだろう?



 この町じゃ、よく ” ある ” 事なんだ。



ばれない‥って、そんな訳‥無いじゃないか‥。

  店主たちは 皆(みな)、鑑定 出来るのにさ。


 ジェマさんは、ジンの粗悪品‥というより‥偽物からでも‥。

巧みな技で、様々なアクセサリを生み出す 職人 だ。あれには驚いた。


 今回も…偽物だろうと思っての、対応をしたけど‥相手が、駄々を こねたんだろうな・・。偽物を持って来ても「本物だ」と言う者は 多い からね。


「ラフェヌ殿。あちらで準備を、お願いします」分かってるよ。

ジェマさん とこは、初めてじゃない。いつも鑑定してる場所に移動した。


ソファが‥僕の研究所にも欲しいと思ってるんだ。なか なか‥置けないけど。

 テーブルの上に、[ マイリタイキ ]を出した。魔力を計れる物だ。


ジンと同じ輝きを放つけど‥これは ジン で、出来て無いから 安価 なんだ。

・・みんな、騙されるけどね。


店主から受け取ったジンを、計りに乗せる。その間に‥次の準備をしておく。

・・どうせ、これも偽物なんだ。重さは‥申し分 無かったけれど。


 でも、中のが重い‥だけかも知れないからね。


しかし‥これは、丸いな…。普通は‥四角いのが多いのに。



 ん? !? 


 え⁈ 何・・この数値・・。


僕の計りじゃ、魔力量は100 m(メク)しか計れない‥のに・・。


・・本物・・だ。 初めて見た!! 欲しいっ!!



 ハッ ・・と、いけない‥。まだ、仕事中だ。・・仕事しないと。


ラオフェンが、計りに乗ったジンを持ち、商人の子供に聞いている。

‥盗品かどうか、ラオフェンなら‥スキルで見破れるからね。


 彼に任せれば良い。ラオフェンとの仕事はしやすい。

正直‥僕は居なくても・・良いんじゃないかい?と、聞いたくらいだ。


 戻って来たラオフェン‥おや・・。いつもと、顔が違うね‥?


「ラフェヌ‥どうだ・・」殿‥と、付けないのは仕事中だからだね。

「うん。魔力量が計りきれない程にある。本物だろう‥だけど‥」


 盗品の可能性も‥と思ったが…。


 ラオフェンは、あの商人は 嘘は言って無い と判断したらしい。そして、1つだけではなく、他にも同じ物を持っていると・・。


‥ます ます盗品の疑いは減ったね。


「少し‥削っても?」店主は 駄目と 言うものだから、商人の方に聞いた。


「どうぞ、確認してください」おぉ‥子供なのに、しっかりした物言いするのは、珍しいな‥。好感が持てるね。


 よし。それじゃあ・・。 ガリッ‥。


 下も‥変わらぬ‥輝き。


何これ!僕も欲しい! 削った物だけでも…。 サッと鞄の中に捨てた。


「ラオフェン、これは‥本物の‥。純度の高いジンだよ‥」あぁ‥欲しい!

「という事は‥」


うん。店主は、いつもの予定で、破格な値段を‥出した つ も り だったんだろう。

 ところが、今回に限っては‥本物だった。


 子供の商人が 持って来た物だった 事もあって、見誤ってしまったね・・。

せめて僕みたいな‥鑑定士が来てからでも‥遅く無かったのに。


あぁ‥これ・・返さないと、いけないのか‥。欲しいなぁ。


 こんなに綺麗なんだよ‥。こんな高い純度の物なんて、滅多にお目にかかれないんだぁ。欲しいと言ったら、くれないだろうか? いいなぁ‥。綺麗だ‥


「ラフェヌ‥早く、返せ‥」あ‥ぅ・・うん…あぁ・・行ってしまった。うぅ‥もう少し見ていたかったよ・・・ラオフェン。



 帰りもずっと‥ジンについて、語っていると‥。

「今後、どこかで出会えた時に、交渉すれば宜しいのでは?」と言われた。


・・それも、そうだね。また‥会えると良いけれど。



 それから、しばらくは‥暇を持て余していたな・・。



「ラフェヌ班長、軍団長から指令が来ています!」

コニシェが、部屋に駆け込んで来た‥。


軍団長から~? どうせ『まだ、あの薬は出来んのか!』だろう?

「違います!」


 そう言って、紙を渡された。

===================================


 ラフェヌ殿


貴殿の力を借りたい。


先日、商人リモンに、無茶を承知で 頼んだ 件で、非番 兵士が調査に同行した折、ザンザーラの 幼体と思われる物を 持ち帰った。


こちらで調査を開始したものの、どうやら魔物の生態に詳しい人物が必要と、報告が上がった為、急遽(きゅうきょ) そなたに、指令を出す事となった。


早々に第1研究室まで、来られたし!



以上


ウィリディス州軍 軍団長 ファジャーノ

===================================


 おや おや・・。

ザンザーラの幼体だって? 何それ・・そんなの、今まで見た事 無い・・。


 まぁ いいか・・。


「コニシェ‥他の皆も起こして、準備させてくれ」

「了解しました!」


 好きな所で寝転がってる班員たちを、起こしてるのを見ながら、僕も‥必要な道具を鞄に詰めないと・・。



 みんな、眠そうだ。すまないな…。いつもは、ゆっくり眠ってて良いのに。



昨日は、とある素材の話で盛り上がって、朝まで語ったのだから。

 

  最近、素材として出回っている『スフェラ粉(こ)』。


微匙(びさじ)程度で‥かなりの魔力量という、優れた素材だ。


‥普通のスフェラは、扱い難いし‥専用の物を使わないと 危 な い からね。

僕は『危ないから』と‥誰も触らせてくれないんだもの‥。酷いよね。



 でも、この『粉』‥もしくは、その前の『石』であれば、普通の石と同様に扱えるという。僕も欲しいよ・・。粉は、物資班から‥少し提供された。


・・まぁ、それで 一夜‥語り合えたんだけど・・・。




「ソル、そんなに慌てて、どうした?」ん? ラオフェン‥どうしたんだい。


・・・ソルくん?


 あぁ、青になった途端に、執務を " やりたがらない班長 " の所に、配属になった挙句、班長の代わりに、いろ いろ仕事してるっていう・・・苦労人の‥。


 彼を 班長と間違えてる子 も、居たなぁ・・・。

そういえば最近、こっちの町に彼個人だけ‥移動になったとか・・。


「ラオフェンさん、お疲れ様です」非番の時の服装だね・・。


 ラオフェンとは、親しそうだ。


ふいに‥「商人リモン殿の?」

・・そういえば、紙にも‥その名前が・・あったね。


「えぇ。ダスク班長が昨日、同行したそうで‥」

うん。だから・・その幼体を、調べるためにって‥僕が呼ばれて・・。


「リモン?‥あぁ、ジェマの店で会ったな‥。あの子か」

「俺、非番だし‥。行こうかなって」今日は・・雨だよ?


「雨でも、やるのかい?」

「え?‥えーと、一応‥行こうかと」

‥今時の商人は、雨が降ると仕事をしないそうだけど・・・。


「商人リモンって今、噂の‥赤毛の子供 商人ですか?」

コニシェ‥。もう、準備が終わったのか・・早いな・・・。



‥あれ? 今‥さっき、ラオフェン… 何 と言った?


「ラオフェン‥さっき、誰の店って言った?」

「ジェマの店です。ほら、ジンの騒ぎで‥ラフェヌ殿に同行を願って‥」


 !!


そうか! 確かに、あの子・・リモンって。ジン!欲しい!


「ソルくん、調査に同行すると‥報酬は、何か貰えるのかい?」

「行く気ですか? ラフェヌ殿…」止めないでくれ‥ラオフェン‥。


 君の顔が全てを・・語っているよ・・。

『そんなに、あの時の ジン が 欲しいんですか?』と。


   そうだよ! 欲しい!!


「えっと、ダスク班長から聞いた話では、お金以外にも、武具や傷薬などのアイテムなど‥色々言われたから迷ったと‥」ほう!ならば、素材も?!


「ねぇ、ソルくん~」・・・固まらなくても、良いじゃないか‥。


「僕は、戦えないけど‥同行したいんだ。一緒に行っても…良いかなぁ?」

「ソル、ラフェヌ殿は生物 研究者でもあり、鑑定士でもある。調査に同行するのに、問題は無いだろう」ラオフェン! 君に感謝!‥ん?それは要らない?


 まったく。人からの お礼は、素直に 受け取って おくもの だよ。



 はぁ~ ‥懐かしい。


・・会った時には『何で来た?』って‥顔されたけど。リモンくんに。

ソルが、ラオフェンから聞いた話をして、やっと‥納得したみたいだったね。




 ジン…あの、眩(まばゆ)い 輝きの・・!


中心から割って見たけど‥中まで、ジン!!



  はぁ~ …この、光沢が‥。


「ラフェヌ班長!」ハッ

・・びっくりした。コニシェ‥なんだい?


「なんだい・・じゃないですよ! 薬、作り過ぎです!」

…置く所が無い?・・えーーー。




 仕方ない‥戸棚の整理でもしよう。過剰分は、物資班に回せば良い。



 あの後、急速に事が動いて…。


 ザンザーラの上級を倒すには、赤 が足らないと嘆いてる軍団長に、リモンくんが武具を持ってた事を報告で、読んだ話をしたら‥。


 数人、残っていた赤の内、ビハイルという青年が「自分が、担当しましょう!」と、張りきっていたな‥。武器が好き…という理由で。


 まぁ、ビハイル殿の家は‥武器を集める家だものね・・。


その後(のち)、無事に討伐は成功したと‥施設内は湧いたが・・。





「ラフェヌ班長・・来ました」うん。行こうか。



討伐前から、通達された。内容は・・。

『 討伐後の事後 処理を頼む。全 物資班と 物資を使い、森での 救助 活動をせよ 』


治癒術師の緑、物資班の黄色と黄緑、多くの物資と・・護衛の青兵士。

・・そして、僕。僕 個人の護衛も‥2人ほど、連れて行く。



森は・・。


 以前‥来た、調査時のような、和やかな雰囲気は、どこにも 無 か っ た 。



「護衛で来た兵士は、倒れてる兵士の分別をしてくれ。意識ある者を中心に、入口付近で緑、黄色で対応するんだ!」僕は、指示する人。


 戦える兵士は、討伐に回されたからね。ここに居る青は、予備隊。

もしくは、青になりたての子達ばかりだ。


 しばらく、行動を見て‥適材 適所って言うのかな? 采配を振るう。

僕みたいなのまで使うなんて、よっぽど‥大変だったんだろうね。討伐。




「ラフェヌ殿、物資が‥」


持って来た物資だけじゃ、足らない…? 目算を見誤ったかな?


 町まで戻って・・いや、そんな事では‥今、意識ある者達さえ、救えない‥どうしたものか・・・。そうだ‥あの子、リモンくんは?どこに居る?


「ねぇ、誰か町まで‥行って来てくれないか?」

いや、近くの港町から探して、全部の町を巡るかも知れない大変さだ。


「自分が行きます!」青になりたての‥。

「君は?」


「自分は、キエトと申します!まだ、誰の班にも入ってません!」

「じゃあ‥君に頼もう。どこかの町の・・宿や店に居るはずの‥」


「ラフェヌ殿、確か‥リモン殿なら、ガリゾーントの町‥緑の宿に居るはずです!」おぉ、ダスク班の才女‥ジェニー殿。貴重な情報を、ありがとう。


「という事で、キエト。君は、ガリゾーントの町に行って、リモンくんに僕、ラフェヌからの要請として『救助に薬の提供を、願いたい』と伝えて、ここまで護衛して戻って来てほしい」「はっ!」


・・リモンくんは、あの魔道具の鞄で来る。

在庫が無くても‥場所を確保して、作業して もらえばいい。


 彼の作る薬は、効きめが‥他の同じ物よりも、高いんだ。不思議だけど。

いつか、研究したいなぁ。


 そろ そろ、底を つく‥という頃‥に、彼らは来た。

これで、助けれる命が増えた‥そう、思ったんだ。


・・助けられない 命 も、あ る だろう・・・。


 山となった兵士達。彼らを治す事は・・今の僕たちには、出来ない。


もう、あの状態では‥普通の薬は、ちっとも効果が 出 な い んだ。

・・ごめんよ・・。ラオフェン‥。ソル・・。みんな・・・。


探してくれたキエトを、労っておかないと。



 順番に、物資班の班員が‥リモンくんから、薬を受け取っているのを見ていた。

幼い子供のはずだけど、この現状を見て‥意識が・・変わったのかな?


 あどけない顔ではなく、キリッとした顔になって。



ソル達は・・山の中の、どれか‥だろう。悲しませる事になるなぁ。



・・嫌だなぁ‥。


 そんな事を思ってると、急に‥そわ そわ し始める。どうしたの?

「この山‥に された人達に、新しい薬‥試して・・良いですか?」



・・新しい・・くすり? 何だろう? 何か新しいのが、出来たのかい?見たい!

「うん!良いよ。何かあっても、僕の責任になるから。僕は構わないよ」


 何より、その薬に 興味が あ る よ。


 山になってる兵士は‥治せるものじゃない。実験に使われるのは、いつもの事だ。この子は、軍の兵士じゃないけれど‥。


 オカシナ事は‥しない気がした。僕と違って。



ん? 口を・・こじ開けたい? 誰か、手伝ってあげて・・。

 僕じゃ、開けられない・・・。


何するんだろ? 飲ませるのは、危険だと思うけど・・。



 何か‥紙を出した。何?? 口の舌の上に置かれ‥口を閉じる。

すぐ!光った! なんだ?! 眩しぃ!


 瀕死だったから、その山に乗せられたんだよ‥。



 光が無くなると・・・。


 何事も 無かった かのように、起き上がった!

今まで‥治療してた者達も・・物資班も。光った時の‥同じ光景を見た。



・・凄い。この子は、とんでもなく・・凄い!!



あぁ、あれ・・面白そう!

「何それ⁈ 僕も やりた~い!」・・仕事を忘れて、言ってしまった。



・・呆れた顔を‥されるだろうか? いや!でも、あれは奇跡の薬だよ!


「じゃあ、予備あるので‥お願いします」木箱を渡された。小袋も出している。


「小袋は・・何だい?」木箱は、今の紙だろう?


「小袋は、同じ効果で 粒 の方です。ただ…意識ある人に、噛んでもらう必要があって・・」なるほど。


 他の‥見てるだけの 兵士たち に声をかけ、口を開ける係と 薬を入れる係に 別れ、山積みの兵士を・・次々‥回復させていく。


 ここの周辺だけでも・・3つ以上の山が、出来てたからね。



しかし・・・。また、欲しいものが出来てしまった・・・。


 リモンくんに、おねだりしてると・・。

「ラフェヌ殿‥」うぅ・・ダスク。君が・・来てしまったのか‥。


 ダスク殿に、僕のお願いは‥中々、受け入れて貰えないんだ。残念‥。


 項垂(うなだ)れてる間‥。

僕の代わりに、リモンくんを誘導してくれた事に、頭が上がらないよ‥。




よし。 こんなものかな。


 こっちのは、木箱に詰めて・・。

「自分が、やりますよ班長」おや、起きたのかい?じゃ、任せるよ。



物資班に届けるのも兼ねてるからか、オクホワが‥声をかけてきた。

・・いつもの事なのだけど。




・・ルカーの一件も、片付いて良かった。


リモンくんが、キトゥリノ側で 倒 れ た と‥聞いた時は、凄く‥怖かったんだ。


 それは、ソルも‥ラオフェンも‥同じで。

あの ダスク殿や、ジェニー殿まで‥彼を心配していたくらいだ。


 リモンくんは、不思議だ。

     少年と・・ちゃんと 確認 さ れ た のに。



‥未だに、女性なのでは?なんて、言ってる者が多い。


「ソルくん」

「ソル‥で、構いません。ラフェヌ殿」


君も、彼のこと・・。

「!‥だ、断じて!違います!」・・・そんな 大声 で、言わなくても‥。


 瀕死の状態から‥救われたせいか‥。



皆(みな)‥ 一様に、リモンくんを 女性 と、思い込んで‥しまったようだ。


 しかし、キトゥリノ側で‥念入りな身体 検査が‥されたのだ。

もう、そういう疑いは、彼へ の侮辱(ぶじょく)になると思うんだ。




ある日の夜・・「どうしたんだい?ソル、その綺麗な袋は?」

「その‥『班長になった祝い』だとかで‥」リモンくんから、貰ったらしい。


「はぁ~‥」何を、溜息ついてるんだい? 嬉しくないのかい?

「…いえ。そうでは無く…」あぁ、ラオフェンが‥。ふふっ。珍しい。



 受け取った場所が施設内の廊下で ラオフェンに、声をかけられ‥リモンくんから この袋を受け取ろう‥とした際に 鋭い殺気に‥驚いたそうだ。


 ラオフェン‥。ソルも、不可 抗力じゃないか。許してあげてよ。

「‥しばらく、声をかけても‥話して頂けず…」それは大変だったね。



しかし‥この後、今度は首から何か下げている。

 今度は‥どうしたんだい、それ?


  前も言ったね、これ・・。



「これは、鍛錬の成果を確認する為、同行した際の礼‥は、受け取らない予定でしたが…」またラオフェンに、怖い態度を取られるからだろう?


「文句 言わずに‥受け取れ‥と、渡され」おぉ・・凄いな。リモンくん。

また、溜息を ついている・・。まったく。喜べば良いじゃないか。


「‥これを渡して来た‥という事は、すなわち‥カエルレウス州へ 行く という事で」え・・・今・・何て?


 リモンくんが、カエルレウス州へ・・・。


   そっか…。薬師を探すのが‥彼の目的。



そんな‥。しばらく…会えない?


  何だろう‥この、何と言えば良いのか‥。



 …ソルと別れた後(のち)…溜息が・・止まらない…。はぁ~…



僕は、会えなくなる‥リモンくんの事ばかり、考えていた。

「なんだか班長…。そいつに 恋してる みたいですね」え?


「何を言ってるんだい?‥リモンくんは・・男の子だよ…」

「ラフェヌ班長には、そういうの‥関係、無いんじゃないかと」


 そうかな?


年の初め頃、両親から 新しい婚約者を‥とか言われても、興味が湧かなかった。

そも そも、僕と話が合わない人は 嫌なんだよ!‥都度の説明が面倒で。



素材の話や、魔物の話を 一緒に出来る・・リモンくんなら・・・。




…ぁぁ・・そうか。だから、哀しいんだ。寂しいと思うんだ・・。


うぅ‥ぐすっ。


「班長?!」

「え?!‥ラフェヌ殿、どうかされたんですか?!」


ソル~…。リモンくんに…僕も会いたいよぅ‥。

「そう言うと思い、伝えておきましたので‥近い内に、来られるかと」

本当かい?! わぁ~‥リモンくんに‥会える!




‥来ないじゃないか! うぅぅ…ぐすっ…。


「こんにちは、ラフェヌさん」ん? え・・・。

「リモン…くん?」ぐすっ‥うぅ・・本物?


あぁ・・リモンくんだぁ。


 会いたかったよ‥リモンくん。

「え⁈ ラフェヌさん??」


あぁ、この声だ。柔らかくて‥優しい‥癒されるよ‥。

「⁉ ラフェヌ殿! 駄目です!!」


 え・・・あ・・・あぁ‥リモンくーん…。酷いぃ。

酷いじゃないかぁ~‥。訴えても‥聞いてくれないなんて…。うぅ‥


 もう一度・・むぅ・・ソルが邪魔してくる。


あ‥そうだった。カエルレウス州に行く君へ‥贈り物あるんだ。



 あの土地は、特殊だからね。まぁ‥城が在るせいだけど。


これなら、君の役に・・立つよね?


使い方は‥きっと、分かると思うんだ。

・・君は‥聡い子だから‥きっと、大丈夫だね。



「わぁ~ ありがとうございます!」可愛い‥笑顔だ。良かった。



はぁ‥寂しいけれど、僕が止めたって‥駄目なんだろうね。


 ん? 何だい? ・・これは、ソルと同じの…。


蔓かな?‥色が、紫になっている。こんな色のなんて、あるんだな…。

「説明しましょうか?」うん。聞きたい。


君との会話は、おもしろいからね…。そうか・・そうやって作って‥へぇ・・。


 工夫が‥凄いなぁ…。そうだね。ヒルードーの魔石じゃ、雨が降ったりすれば‥元に戻るからね・・。うん‥。そうか・・なるほどねぇ。



 途中、ビハイル殿が・・やって来た。

物資 供給で‥リモンくんに会ってから、家に迎え入れようと考えてたようだね。


 クロウくんの、苦労話を聞いたんだ。


年齢さえ、解決していたら・・・。


 押しの強さで、彼の家に‥入ってしまったかも知れないね。

嫁 候補‥と言っていたけど、性別は気にしない 一家だそうだ。


 14歳で良かったね‥リモンくん。15歳でも、危なかったよ‥。



リモンくんが聡い子で‥教養もあり、受け答えも申し分無く。


 騎士団と同等の資格を持つ 印章 持ちの商人だ。

扱う商品の ど れ も が 目新しい物ばかりで、全く飽きる事が無い。


 彼の家の力をもってすれば‥。目的の薬師もすぐに、見つけれただろうけど・・。自分の力で、見つけたいんだものね・・君は。


 いつでも、僕を頼ってよ…。頼られる‥存在でありたい。



いってらっしゃい‥リモンくん。元気でね・・・・。

【コニシェ】

第2研究室・ラフェヌ班の班員。主に ラフェヌへ の ツッコミ や 他との連絡役。それとラフェヌの研究の助手としての役回りが 主な仕事。研究班では 珍しい 女性。女 / 22歳 / 152cm / 黄緑セミロングの髪 / 赤い瞳 / 槍 / 紫。のんびりな人達が 多い中で 唯一 テキ パキしてる人。


※奇跡の薬 =『44瓶 即効性』の 瀕死 回復薬の事

※サラーサブマ薬は『45瓶 活力剤』で森を再生した薬

※入口の研究所 = 第1研究室


【マイリ タイキ】(アイスランド・数値を計る物)

ラフェヌが所持する簡易 魔力 測定器。金色に輝いてるが ジン では 作られてない。かなり安価。100 m(メク)程度までの魔力が計れる。物の重さでは 計りは 動かない。謎 原理。


※『ジン』の偽物・模造品‥を 作っては、納品 依頼で 持ってくる事が 多いそう。それが日常の事ゆえにジェマ店主も、それを見越しての依頼を出している。※『32瓶 呆れる人達』にて、そんな事とは知らないリモンは 本物を出した って話でした。ちなみに偽物の ジンは 四角く 売っても100R~500R程度。


※ラオフェンは、ウソ発見器・・のようなスキルを持っている‥らしい。詳しくは不明。


※基本的に騎士団内にも序列があり、黒 > 白 > 赤&赤紫 > 緑 > 紫 > 黄 > 紺 > 青&黄緑 > 水色となっている。なので普段から「ラフェヌ殿」と呼ばれる。ラフェヌが ダスクに 殿 を 付ける理由は 単純に目上の方だから。


※スフェラ粉(こ) = スフェラ石 が 粉となったもの。耳かき 程度の 小さな匙 で 1杯分・約100 m(メク)あるとされている。最近 ( リモンが キトゥリノ州に入った後から ) 出回るようになる。


※ラオフェンが 第2研究室の 近くに居たのは 偶然 です。

※ソルの班長については『小瓶4札 兵士ソル』を読んで下さい。


※ソルを班長と間違えたのは 水色 ( 見習い ) 兵士たち。班長の代わりに行動し過ぎなソルだから。のちに その班長は 一兵士に 降格されたらしい。ソルは 班長に昇格。班員は 新しく招集されたとか。


※ビハイルの家 = 武器が好き&集める‥というより、国内で 生産された 新しい武器は 一旦 この家に 集められ、強度・扱い易さ・作り易さ や 効果など を 確認される。鑑定書と 共に 製作者に戻され 初めて 店で販売される。ちなみに 防具などは 別の家 が 担当している。


【キエト】(スペイン&ポルトガル・静か)

青になりたてだと 水色マントの ま ま だったりする。森の討伐 始まった頃に 青になった ばかりだった。ラフェヌの伝言を伝えるべく リモンを探しに来た兵士。男 / 19歳 / 薄い緑の髪 / 緑の瞳 / 178cm / 彼女が居る / 長剣 / 偏見なし


※瀕死 状態 = 体力が1桁で 自力で動けない・話せない者の事。かけるだけの薬には 限界があり ここまでの状態の者には 効果が出ない ( 表面の 皮膚のみ 治る程度 )。治癒 魔法も 受け付けない事が多い。この世界での 常識 として その状態では『助けられない者』という 認識 になっていた。


【オクホワ】

第2研究室・ラフェヌ班の班員。現在・物資班 班長の ユーニ に 恋してる。なので 事あるごとに 物資班の所へ行く時は 名乗り出て 仕事をしてる。男 / 18歳 / 168cm / 紺の髪 / 青い瞳 / 紫 / 長剣


※リモンを 女性 と 疑う兵士達は、ただ単に 瀕死から回復した際の リモンの安堵し喜んだ顔を「かわいい」と思ったせいで、男に恋したのか?と思うのを認めたくなく‥。女ならば この感情も 間違いでは無いと思う事により 女性であれ‥と 願望めいた感情で 考えてたせい。リモンが 男でも問題無い と 考えた者も 数人 居たようだが。・・作者は 子供の笑顔ならば どちらでもカワイイと思えます。


※ラオフェン‥心、狭くないハズなのに‥。ソルばかりが受け取ってるのを見て‥少し‥自身でも分からぬ感情で睨んだりしてます。子供だから‥ではなく、リモンだから優しいだけ‥という。


※ビハイル 一家 補足 = 優秀な人材は 男 女 問わず、欲しい と 思った時に 声をかけるよう言われている。ビハイル自身が リモンに出会った事で 16ならば 嫁候補 ( 15歳~19歳まで ココらしい ) という扱いで 呼ぶつもりだった。その為に 自腹で騎士団 天幕を 受注していたようだ。欲しい物は 作れるという理由 付けに 使う予定だったそう。


ラフェヌが泣いた理由は‥寂しかったから・・でした。

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