78瓶 絆の守り
訓練のち‥外でのリベンジも果たした。
これで、買い物も‥隣へも・・憂い無く行ける!
・・あとは・・・・。
翌朝・・ソルさんと共に、宿1階の食堂で朝食を頂く。
このまま行っても・・あ、そうだった。調べてない‥いや、知ってるかな?
「あの、ソルさん‥」
「はい・・どうしましたか?」
カエルレウス州との境って・・山の中・・・。
「はい。洞窟は‥いくつか道が、分かれてます。基本的に、その先は‥行き止まりが多いですね。奥へと続く道は1本ですので、あまり迷わないかと…」
・・迷子になっても、最終的に向こうに‥出れれば良いんですよ。
「山の中を…通るのですか?」ん? 何か変な事‥言ってる?・・私。
「‥エレフセリアの町からでも‥行けますが…」えぇ?!
いや、印章は‥ある。色も…染まってるから、使えなくは‥ないけど・・。
「え?‥町の中に‥他に門って、外に繋がる所しか‥無いのでは?」
町の北には、ウィリディス州との扉。南には、外に出る扉しか‥見てない。
両側も‥調べてみたけど・・。壁しか無かったよ??
・・何です? その笑顔は・・??
「騎士団の施設 内部から、行ける場所が 在る のですよ」そうなの?!
でなければ、エキャルラット州軍 や ウィリディス州軍も、キトゥリノ州に出入りし難いと‥。どうやら‥大きな町の施設内は‥繋がってる・・らしい。
「印章を お持ちのリモン殿であれば、申請書を出せば通れますよ」申請書?
‥そういえば、訓練所を使う際にも‥出しておく‥みたいに言ってたね。
「そうなんですね‥」なら、ここまで来なくても‥良かったかも・・。
もっと、早く言って下さいよ・・・。
そう言ったら、苦笑 気味に…「リモン殿なら 気づいているかと」
‥いや、それは無理が ありますよ。
騎士団の施設なんて、どこに何が在るか‥知らないもの。
町の雑貨屋に寄り、いくつか ガラス瓶 や 袋を購入した。
「すみません‥」
荷物 持ってくれたので、助かりましたが‥なんだか、申し訳 無い。
「どうぞ、お気になさらず」いや、ただの子供 商人の‥お供 状態で、班長さんを、振り回してるんだよ?!気になるよ!
「あなたを ” ただの子供 商人 ” と言うには、難しいものが ありますよ」えー~
・・自分、今‥ 男の子 で良かった、女子だったらデー‥いや、止めとこう。
この世界の人に‥『デート』と言って、通じるかは‥謎だけど・・。
「どうしました?」
「いえ。では、エレフセリアの町に、戻りましょうか」
帰りは、お互いの魔物が出て…クレスト‥毛が逆立ってるのか、トサカはえてる‥犬‥。仲間 呼んでたから、倒すの‥時間かかった・・・。
森の遺跡の所で、お昼を食べる。
「…そういえば、ラフェヌ殿が‥リモン殿に、会いたがってましたよ」そうなの?
「じゃあ、隣の州に行く前に会った方が、良さそうですね」
・・ラフェヌさんの用事、何だろ?
「あの、ソルさん」そろ そろ、止めて欲しい事が…。
え? そんな驚いた顔しなくても・・。
「僕のこと‥『殿』を付けずに呼んで‥くれませんか?」
リモン・・とか、ラフェヌさんみたいに、リモンくん‥とかさ。
「え‥‥」え・・じゃ、ありませんよ。
「せめて、今みたいな非番の時くらいは…」リモン‥で、良いんですよ?
「…うーーん」 悩むほど??
「じゃ、練習して下さい」「はい‥」よし。
とりあえず‥食休みしたので、あと‥町まで もう少し。
また、ワシャク出たけど‥だいぶ、戦いに慣れたかも!
まぁ‥戦い方は、ワンパターンだけどね・・。
「それで良いのですよ。リモン・・・どの‥」もう。
頑張ってくれてるようなので、あんまり言わないようにして‥話の続きを促した。
「戦い方は1つの型で、構わないのです。それが、あなたにとって 戦い易い事である ならば。それを繰り返す事で、新たな戦い方が、出来るようになりますから」
なるほど。・・ありがとうございます。ソルさんも、優しいな。褒めて伸ばす方針とか言うのかな?と、思ってたけど・・。
「えぇ⁈ ラオフェン殿が⁇」 え?‥違うの?
・・どうやら、ラオフェンさん…。兵士 相手では、ダメ出ししてくる‥らしい。
「その叱責が、的確 過ぎて‥反論も出来ず‥」・・・。
「僕が、子供だし‥兵士じゃないから・・ですかね?」どうでしょう‥って。
ま、鍛錬が‥中級の魔物 倒したい‥だけだったから‥かもと。
「もしも‥国の為に戦う‥という事なら、厳しくなるかと…」なるほど。
そんな話をしながら、町に戻って来た。
今日の お礼を‥え?‥要らない??いや、でも・・あ‥そうだ。
「じゃ、これ‥貰って下さい」
【 絆の守り 】魔石品・アクセサリ
ワシャクの爪 と ジャッドの粉で作った お守り。欠片となったワシャクの爪は、人の親指くらいの長さ と 太さ になった。敵 と、認識する相手の強 攻撃を受けた際に、身代わりとなる。草の蔓で首から、かけられるように 加工された物。創造者 / 作成者・リモン
‥ミーサークの守り‥ってのになった‥ネックレス。
男性が付けてても違和感・・無いと良いな‥くらいだけど。
「‥えっと、こちらは?」見慣れないのかな?
「僕が作った お守り です」正確には‥コビトとの共同 作業‥だったけど…。
「え⁈ ‥あの‥そんな大層な物を、頂く訳には‥」むぅ。
「文句 言わずに、貰ってくれれば‥良いんです!」はい、どうぞっ!
「ぅ…はい・・・。有難く‥頂戴 致します…」
騎士団の入口前で、明日‥ラフェヌさんに会う時に、申請書を持ってくるって。
「わかりました。お願いします」
お‥さっそく、首に かけてくれた。うん。服装にも合ってる。よし。
「では、自分は この辺で失礼しますね」
「長々と‥ありがとうございました。本当に、助かりました!」
お互い お辞儀して・・。ソルさんが、見送ってくれてるので、お先に失礼した。
‥家に・・あ、帰りに塔町に、寄れば良かった‥と、少し後悔した。
家に戻ろうと‥歩いてる。もう昨日 確認した。印章は・・染まってる。
ラフェヌさんに会って、出来れば‥ダスクさんや‥ラオフェンさん、それに‥今回、訓練に付き合ってくれたお二人にも・・。
この、お守り‥渡したい。
申請書‥書いて出して‥翌日?なのかな・・。近い内には行けそうね。
町の中に見当たらなくても‥。施設内から行ける所が在るなんてね・・。
早く‥行きたい気持ちも在る。焦ったら‥ダメ。
ボッカさんの店、灯り‥付いてなかったな。
・・昼間でも、なんか暗いし‥あの店。
「リモン?」はい? 振り返ると‥あれ?…。
「シェルタと、ヴェレーノ!‥どうした・・って、ランクアップ‥したんだね!」
おめでとう!! 2人とも、笑顔だ。良かった~。
「クレオは?」ふむ。クレオも、無事にランクアップ!良かった。
「クレオの奴は、おまえの薬 捌くので・・毎日、忙しいってよ」
「今日は、シェルタの武器を 受け取りに、ついて来たんだ」そっかぁ。
「無事、受け取れた?」「おうよ」
うん うん! おぉ、こういう風に強化されたのかぁ‥なるほどなぁ・・。
「‥おまえ」ん? 何? どうかした?
「何で、強化の依頼まで付いてるんだよ?」何でって・・。
「直しただけじゃ、また壊れるじゃん」むすっ としてる。
「シェルタは、支払いの金‥足らなくなるかと思ったんだ」
「それは僕が・・」なんで、まだ むすっ としてるのよ・・。
「‥余計な事しやがって…」そっぽ向いてる。
「へぇ? 強化する為のアトゥリ岩‥持ってたの~?」
お金 持ってるだけじゃ、強化‥出来ないんだよ・・。
「ははっ リモン、許してやってよ」だってさ~・・。
「シェルタは、いろ いろ 頭が回る おまえに、嫉妬してるだけさ」は?
「ヴェレーノ!!」あ・・追いかけ回してる…。狭い所じゃなくて良かった。
・・捕まった‥ヴェレーノ。戻って来ーい!
「‥ともかく!‥もう何も、してくれなくて良いからな!」
「えー‥。それは無理そう」睨まれても無理 ですね・・性格なので。
って‥ヴェレーノ‥大声で、笑い過ぎっ!
「あ、そうだ‥みんなに、ひとり1本ね」と、お守りを渡した。
ワシャクの爪‥1つで‥5個くらい出来たから・・。
「‥言ってる傍から・・」
「良いじゃん、シェルタ。リモンだって、もう他の州に行くんだろ‥たぶん」
「うん。もう近々‥行くよ」
ほらな‥って、また そっぽ向いてるシェルタを・・小突いてる。
みんなに、ソルさんと同じ お守り。
アルクス団のは5本、全部 同じ色にしておいた。
これで、いきなり瀕死には‥なり難いと思う。
「元気でね!」
「おまえもな!」「またなー!!」
ふたりと別れ、数歩 歩いた所で、後ろから‥駆けて来る…。
足音に、振り返ると‥。
「‥ヴェレーノ?」大丈夫?
「言い忘れた‥はぁ‥ちょい待って‥」うん。言い忘れてた事?
「ボッカって人から、伝言」ほう。
1つ、薬師は‥城から出て、町へ 向かったらしい。
他所へ 行く前に‥店の鍵は開けておくから、カウンターの上に置いた、紙を見て来い・・だそうな。来い・・って。
お店、勝手に入って良いの?
不法 侵入とか言って、捕まらない?ちょい不安。
「分かった。ありがと。気をつけて帰ってよ」
話が終わると・・また、走って戻って行った・・・。
今日は、酒場で‥いや、今から行ってみようかな?ボッカさんの店。
さっきは暗いから『 居ない 』と思って、素通りしたからね。
それに、酒場に行くには‥まだ、日が高いし。
地図 見て、近道を行く‥。
途中・・シェルタたちが、観光してるの‥見えた。
・・お店、やっぱり暗い。ノックしても‥反応 無し。
「失礼しまーす・・」ゆっくりドアノブを回して‥入る。
相変わらず、薄暗いな・・ここ。
えっと、カウンターの上・・これかな?
=============================
裏口のドアを3回ひねって開き、真っすぐ進め。
合言葉は『 我ら、アルクスの後継者なり』だ。
ドアをノックしても、開かんからな。必ず 言え。
トラッシュの事は聞いた。
悪いが、俺らからじゃ聞く耳は無いらしい。
伝えるかは、任せる。
ボッカ
===============================
ん?? 裏口のドアを・・3回 ひ ね る ?
そういえば、前も‥ガチャ ガチャ やってたけど・・・。
鍵かかってるの忘れて、回してたのかと思ってた。
真っすぐ・・。うん。でも地図に載ってる‥はず。まぁ、迷子になったら‥にしよう。とりあえず‥行ってみようか。
裏口・・ここ だ。3回‥。ガチャ ガチャ ガチャ
カチッ
開いた? じゃ、出て・・真っすぐ‥しか、無いように見える。
・・前は、人が多かったから‥よく見えて無かったけど。
これなら、迷わなそうね・・。
突き当りにドアが在る。ノックしてみたけど・・反応 無し。はい。
合言葉は・・。
「我、アルクスの後継者なり」‥ホントは、違うけど・・。
ガチャッ キィィ
「おや・・君は・・」あ、この間の薬師の人だ。
「こんにちは。マエロルさんに‥会いに来ました」
中へと・・促され入ると、鍵が閉められた。
マエロルさん…。相変わらず‥ベッドに、腰掛けたままだ。
「マエロルさん‥リモンです」・・・。
「トラッシュくん‥見つけました。でも・・」それまで無反応だったマエロルさんが、いきなり振り返って‥私の両肩を がしっ と掴んだ! びっくりした・・。
「‥トラッ‥シュ…どこ‥に・・・」
「トラッシュくんは、アンビジョの塔町に‥」
「…帰って・・・いた・・のか…」帰ってた‥というか。
「ごめんなさい。マエロルさん‥」
「?…リモン・・・どの・・」
「トラッシュくん、助けてあげれなかったっ!」
「!?」
「‥僕が見つけた時には‥もう・・」お墓の中に、居たんです。
「あぁ‥‥ぁぁ…」ごめんなさい。
あの日、塔町の中での怪我人‥治す事ばかりで・・。
マエロルさん、ボッカさんが 一緒だから、トラッシュくんも‥無事だと・・思ってた。なのに‥馬車からって…。事故か、故意かは‥私には、分からない。
「トラッシュ‥」
「マエロルさん‥僕、数日の内に‥隣の州へ 行くんです。今日で、しばしの お別れです。どうか‥生きてて‥下さいね・・」
マエロルさんは、力無く‥ベッドに横たわった。
その目には・・涙が溢れ‥零れていた‥‥。
※大樹に沿った所に在る町は 騎士団 内部から 騎士団や印章持ちでなら通れる扉がある。基本的に兵士たちは、その扉で各州に行き来している。
※お守りの類は高価な物という認識なので 普通の反応です。確かに‥ジャッドの粉とはいえ高い。
※シェルタの武器は 変わった形状をしているが、刃の部分に レリーフのような模様が入った。そこが 強化された部分らしい。強化 部分は 鉱石と共に 前払いで頼んでたので 受け取るシェルタは 金を払わずに済んでた。
※ボッカの店は 両側 民家なので窓は あっても暗い。マエロルの居る家の 薬師は アルクスの後継者の 協力者のため、この合言葉が必要。
次回、お世話になった方々へ‥贈り物を・・・




