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7/26

7瓶 黄色のネクタイ

 自分で作った(と言って良いのか怪しいが‥)傷薬を、無事に納品する事が出来た事を、素直に喜んだ。


 ・・風呂情報も、宿屋店主から教えてもらう。個人風呂でなければ・・・・。

しかし、今日も今日とて商人のお仕事だ。コツコツがんばろー!

‥もう、この世界で目が覚める事に‥慣れてきたように思う。


 個人的には、毎朝のメニューが変わり映えしない‥って所に、何も思わないのは、元々・・我が家では、朝は パン食 で、甘いジャムや粒入りピーナッツクリームなどを塗るのが、毎日の朝飯だったわけで。同じでも、全く飽きないのです。


・・・美味しければ、正直・・なんでも・・。


 今日は、納品完了の報告と、報酬を受け取り・・じゃん じゃん、仕事して、とっと と ランクを上げ、早く・・町の外へ 出たいんだよね。


・・・薬師さん、探しに 行きたい。



 道中では、きっと魔物が出るだろうから、許可の書状を入手したら、武器や防具を整えたい。市場で、すぐ食べれそうな果物とか買いたいし。服も・・・。


 中央の大きな通りは、門から北の先まで 真っすぐ に伸びている。その、左側は‥けっこうお店に入ったりして、見てたけど・・・。商館のある右側は、思ってる以上に・・全然、見てないなぁと思ってるので、宿を移動するとしたら・・・そっち方面も、見てみたいけどね。


 商館で、いつもの お兄さんに紙を渡す。

「おっ もう納品完了かい? 早いね」


‥お店までは、遠かったですよ・・と言うと「北の方だからね・・」とお兄さんも、行った事があるのか・・納得してる。


・・・・こういうの、使うと便利だよ・・・とか、これを使うとすぐだよ・・とかの情報が欲しかった所だけど、そういうのは・・・無い・・みたい。残念。


「はい。今回の報酬ね」

 傷薬 10コ 納品で、単価が8Rリンなので、大銅貨8枚 もらった。


まだ、ランクは上がりそうにないから、掲示板を見上げる。

・・・納品 系が、今日は多い。


 同じのは、ダメなんだから・・と、黒い紙は、市場での買い物の手伝い や、他の道具屋に回復薬 納品 とか・・いろいろ。グレーの紙は、草や花の採取、石を集めろ・・みたいなのがある。・・・・石・・・? 何に使うのよ・・謎~・・。


 どうしようか? と考えてると、右横から にゅっ と手が伸びて、草の採取の紙を取った。ちょっと、びっくりして・・一歩、後ろに下がったら、今度は手を出した相手が、上の方を取ろうとしてる。…でも・・黄色のだよ?


・・・後ろ側から見てるから、黄色のアイテム を‥身に着けてるか どうかは、分からなかった。付けてるのかも知れないから、何も言わないまま、様子を見てた。


紙を3枚取ると、お兄さんに出してた。


 見てた人物が 離れたので、また一歩前へ進み・・見上げる。

後ろで「…これは‥まだダメだよ。他は手続きしておくから」と 呆れる口調で言うお兄さんのセリフに、かぶさるようにして「なんでだよ!報酬高いし、やりたい!」と、ど こ か で 聞いた声がする。


・・・もしや? と思ってたら…



「ダメなものは駄目!…ふぅ・・まったく‥何回 言ったら分かってくれるんだい?」「へーん だっ!」


 …この間の、騒がしい子だ。


 後ろは振り返らず…花の採取と、市場での買い物は‥重いのとかだと、困るから・・と、スルーして、また傷薬 納品 に・・決めた。


・・この、花の採取 と言っても・・・グレーの紙だし、絵も・・小さな花の・・雑花ざっかのようだったし、どっかで見た気がしてた。傷薬の納品は、地図見たら‥ここから、わりと近いので宿に戻って作ってから、納品になりそう。


花の採取と同時に、草も抜こう。そして、大量に作っておいて・・。


 決まったので、お兄さんに渡そうとしたのだけど、黄色紙のランク高い依頼を受けたいと、駄々をこねてる・・・。 え? まだ やってたの?


 どうしよう・・と思ってたら、お兄さんの居るカウンターの奥から、別のお兄さんが出てきた。手で『こちらへ』と促され、紙を渡す。


目線で、ベルトと帽子を確認したようで、無言でハンコ押してる。


「花は、こちらまで持って来て下さい。薬の納品は‥」

「依頼人から確認のサインを、受け取れば良いのですよね?」と、知ってる事を伝えると‥頷いた。


 2枚の紙を渡される。鞄に仕舞っても・・まだ、少年は「やりたい!」と言っている。余程、甘やかされて育ったのだろうか?


‥兄さんは、少年とのやり取りに疲れたのか‥ギルド長を呼んでいた。


 毎回 毎回、お騒がせ少年だなぁ・・と思いながら、商館を出る。


 花は以前に、大量の草を引っこ抜いた場所に はえてた・・気がするので、まずは‥そこへ向かってみた。


 地図で、花・・と検索したら、アバウト過ぎたのか・・。花屋だろうお店しか‥表示されなかった。依頼の花は、高級な切り花とかじゃ‥ないと思う。


・・・なんせ、グレー(ランク0)の依頼なのだから。


商館から、宿へ戻るような形で 門の前を通った。




・・・何か、忘れてるような? なんだっけかな・・。




    あっ! 風 呂 !


 若干・・挙動不審者みたいな動きで、キョロ キョロ してしまう。


門の近くって、宿屋のご主人が言ってたし。



・・あれかな? 確かに大きな建物が奥に見えるが・・手前に市場いちばが在った。


 前に来た時は、まだ始まってなくて・・・素通りするしか 無かったのよね。

今日は、やってたんだ~・・・。っと‥市場も良いけど・・まずは、宿屋で聞かないと。市場を横目で見ながら、宿屋の大きな扉を、片方だけ開ける。


「いらっしゃ…なんだ、子供か・・」

ん? いや、客です…と言いたかったが、まだ泊るかは、分からない。


「すみません、こちらって泊まれますか?」と聞くと、フンッと口角だけ上げて笑うと「おまえさんのような子供が…うちに‥か?」はは‥冗談だろ? と、バカにしたような顔で笑う男。


「ここの宿は、1泊いくらですか?お風呂や食事は?」

 もう、単刀直入に聞いた。


「…当宿は、1泊 100R だ。食事は食堂にて3食分用意されるし、風呂も 個別 に入れるようにしている。・・・まぁ、おまえさんには難しいだろうがな!」と。


・・・やはり‥風呂は、あるらしい。


だけど、この店主だか店員だか知らないけど、なんか・・腹立つ。


 むすっとした顔をしても、嘲笑あざわらう顔は変わらないので、どうも・・って、宿屋から出る。・・・入りたかったけど、あの態度のデカいのが・・うーーん。



・・市場も、見てみようと立ち寄る。

依頼の花は、今日中だから・・先に探した方が良いかな? 


 ふと…先ほどの宿屋を振り返ると、宿屋の入口 横の大きな窓の下に、雑草の小花が咲いているのを見つける。すかさずっ 引き抜く。そして、ある程度 土を払って鞄へ。


 市場は、本当に・・・様々な食べ物(料理や食材など)、布、ガラス瓶・・・。あとは、使い方も、何と言えばいか・・が分からない・・なんとも言えない形状の物とかがあった。


 見えてる範囲だけ、鑑定していく。どん どん 使ってたら、またレベルが上がるかも‥って思って。


・・・ガラス瓶は、素材を入れるような‥傷薬の小瓶よりは、大きめのものを、いくつか買った。道具屋さんで買うよりは、いくらか安かった。それと、布は売ってるけど・・さすがに錬成で・・服は作れない だろう・・って思ったので、布を買うのは‥やめておく。


 複数を合成 出来るようになったら、作れるかも 知れないけどね。

まだ分からないし。


 果物も種類が多くて、しかも・・どれも 安い!・・小銅貨 数枚で買えるほどに!・・・と、テンション上がり過ぎて・・やや、多く買ってしまった気がする。まぁ、無駄にする訳でも無いから、いいか・・・うん。


 一応、食材も買った。フィト・・サラダ?に入ってた、そのまま でも食べれる野菜も、少し買っておいた。調理器具とかも・・今後、欲しくなるかも知れない。


 でも・・この見ためが ニンジン の カロッテ みたいに、生のままで、もしゃもしゃ食べてたら、馬に見えそうね・・私。


 市場の中で、花を見つけたので‥これで計3本。あとは納品すれば いい。

草と違って、必要な本数 少ないけど・・。


 あとは、草も欲しいから・・以前に見つけた場所は、地図に表示されてたので、行ってみると・・・。




・・・・・あの時も、けっこう抜いた気がしますが・・・。

数日 来てないだけで、かなり・・草 ぼう ぼう ね・・。


 まぁ、いいか。 と、ねこそぎ引っこ抜いた。大量。


・・・ここでも 出 来 る かな? 錬成。


 試しに、数本・・『錬成』・・。落下しないように、水をすくう時の手にしてみると、ちゃんと掌の上に乗った状態で‥出現した。



出来るんかいっ! そうですか。なら、このまま数作って・・納品に行こう。



・・ホントに、近くのお店だった。 近いけど、入ってなかったお店。

 無事に納品 終了!


 今日は、さくさく 進めれてる気がする。

これでランクアップも出来たら、おんの字・・なのだけどねぇ。



 いい天気だ。雲1つ無い。 快晴  風も‥ほぼ吹いてない。



 商館へ戻ると・・・入口で、ギルド長にお説教されたのか、しゅんっ・・としてる少年が、ギルド長の居るカウンターの左隅で座ってた。・・・納得したのかな?


 少年を チラ見して、カウンター内のお兄さん・・。今日、対応してくれた無口な方へ出す。2枚見て・・それぞれの報酬を 無言で 出す。なので、こちらも会釈 程度で受け取り鞄に入れる。



・・また、依頼を受けようかと思ったら「おい、そこの‥」と、ギルド長に呼ばれてるようで、行くと・・・。


「カード、出せ」


・・もしや?!


カードを出すと、また何かしている。


 そして、再び出されたカード。今度は、黄色の帯が付いてる。

「これを付けろ。ボタンに付く」と言って、黄色の 形が整ってるネクタイ・・小さめなものを渡される。手に取ろうとしたら、少年が横から奪って前を横切るっ! だ け ど ・・・。



・・・あれ?




「えー?! なんでーーっ??」って言ってる。


勢いよく奪われた気がしたけど、奪われてなくて、そこに在るまま。


「無駄だ。馬鹿者‥」ギルド長は そう言って、私に「早く付けろ」と言うので、首元に近づけると、瞬間『カチッ』とも『パチッ』とも似てる音で、勝手にくっつく。マグネット?みたいな、引き寄せられ方‥だったけど。


帽子は・・また、くれる‥そうです。有難く貰っておきます。


少年は、諦めきれないのか、私の首元に手を伸ばして来るっ!

「えっ‥ちょっとっ‥」「おい!よこせよ!」


・・嫌ですけど…と、怪訝な顔で少年を見る。何 コイツ・・・。


「依頼こなせば、すぐ貰えるんだから頑張れば?」と私が言うと「なんだとー!」と、襲い掛かってくる! 直後、見かねた店員のひとりが少年をはたく。


 少年は、落下し・・顔面から落ちた。 痛そう・・・。


‥周囲の人達の 大きな溜息 が聴こえた。


 だって、そこまで多い量を‥こなしてる訳じゃない。昨日の納品や、今日の花採取・納品で、3回しか やってないのに。


・・でも、このネクタイ・・特殊な布で作られてるのかもね。



・・ダメージのある少年を見下ろしながら、少しづつ下がり・・2階へ行ってみる事にした。まだ行って無かったからね。

・・・たしか・・作った商品 売れるって話だったし。



 2階へ上がると、思ってた以上に広い‥それに、こっちの方が 明 る い 。窓が高い位置にあるからか、日差しが よく入り、そのおかげで明るいようだった。


・・・階下で飛び起きた少年が、叫んでるような声が…聞こえた気がする。



 手前のお姉さん・・うーん・・と、なんとな~く30代手前かな? 栗色の髪が綺麗にウエーブかかっているし、緑色の目が優しい印象だった。


「何か、売りに来たのかしら?」

「傷薬を・・」


 鞄から、ちょい多く作り過ぎた‥傷薬を出す。単価が確か・・8Rだったから‥と、15コ 出した。そしてまた、なぜか‥驚かれる。


「…ぇ‥。こちら、鑑定しても?」と言うから、いちいち聞いてこなくても、すれば良いのにね。 私は頷く。


数秒後・・。


「こちらは1つ 15Rで、買い取りますね」と言われた。


ん? 「え?何で ですか?‥8Rでは??」と言ってしまったけど・・・

「これは効能が高いから、それに合わせたのよ」と言う。


‥効能は、確か・・・体力30 回復では?


「‥こっちが、普通の傷薬よ」と、商品のひとつを出す。


‥‥そういえば‥お店で、売られてるのを見た時は、漫画とか描く時のインク入った瓶(壺?)みたいな見ための‥入れ物に、緑の液体が入ってた。でも、自分のは・・・香水みたいな、おしゃれな小瓶に入ってる。


・・・なんで、今まで 気 づ か な か っ た んだろ??



草から出来たのは、同じ・・なのに。傷薬と書いてあったし・・。


 私が 首を傾げながら、むーん と悩んでる間に、お金が用意されてる。薄い皿のようなものに、小銀貨2枚と大銅貨2枚と、小銅貨5枚・・・。


「…草から出来てるのに・・」とボソッと呟くと「じゃあ、効果の高い草だったのね」と言う。


・・そういえば、草・・・鑑定したのは、説明しか出てない時だった。


お姉さんとのやり取りを終え、壁際の長椅子に腰掛ける。


 図鑑を改めて見る。


【 雑草 】

そこら辺に、はえている草の総称。草とも言う。傷薬の材料。草ごとに魔力量が異なる。数本で1つの傷薬が出来る。体力1回復~



・・・記述が 増えてる。


草ごとに、魔力・・量? それが、効果に直結するって事は分かった。

・・・数本で、1つ??


1本で、1つ・・出来ますけど??

・・やはり、転生チート・・だろうか?



 窓からの光が少なくなってきたと気づいて、窓を見上げると‥もう夕暮れだったので、席を立ち商館を出て、宿へ 戻る事にした。階下へ‥恐る恐る降りるけど、少年は居ないようだった。少し、ホッとして商館から出ようとすると、ギルド長が「ちょっと待て」と言うので振り返る。


「明日も来い」

「‥はい・・来ますけど・・」


うん・・と言ったまま、会話は終わったようだった。

 何だろうか?


まぁ、いいか。今日は帰ろう。宿へ。


【無口のお兄さん】依頼のカウンターに居る人。無口。必要な事しか話さない。紺色の短髪と水色の目。


【門前の宿屋】高級店を気取ってる宿屋。一泊 100R 3食の食事付き・個別風呂もある。


【カロッテ】にんじんの事。見ためは、同じ。味も。


【商人ランク2】トパジィ。黄色の帯のカード、黄色いネクタイ(一般 女性の掌くらいの大きさ)。ネクタイは、特殊な布が使われてるのか、与えられた本人とギルド長しか持てない。首元へ近づけると、勝手にボタンに くっつく。


【少年を落下させた店員】

1階で、素材や薬を売ってるカウンターに居る、お兄さん。


【2階 買取 場所】店員は3名。

階段すぐ近くのカウンターに居たのが、栗色ウエーブ長い髪で、緑の目の女性。


【リモン傷薬】の効果・・の方が、普通のよりも高かったというオチ。

傷薬というと、普通は効果最低限のものが出ると思ってるので、皆さん‥驚く。

通常は8R/リモン傷薬 15R


【魔力量】様々な効果を得る為の、基礎となる値。草にも、土や石にもある。


【転生チート?】主人公の使う『錬成』は、素材の魔力量を凝縮したもので形を成す為‥通常より効果が高いものになる。普通は加工してる中で壊れたり、混ざって変化してしまうので、純粋な魔力量だけでは出来ない。


次回、ギルド長からの呼び出しと・・。書状が貰えるのか?!期待したい・・。

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