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37瓶 森調査 初日

カイチェットの森の調査をすべく、冒険ギルドに依頼を出した私。

・・どこにも泊まれないと気づいて、森で‥初の…ひとり野宿をしたのでした。


‥誰か、来るかなぁ?

‥うぅーー・・・ん・・。風が、気持ち い い な ぁ ・・。


はっ! ガバッ と起きて、ここが‥森の中と気づく。そうだった。

宿では泊まれないから、森で寝たんだった。


‥朝食は、固いパンとチーズと‥レチュガと…。果物のジュース。

カラズとカロッテ多めで、目覚めの一杯!みたいなノリで、飲む。


いつもは、鳥の声で目が覚めるけれど・・・。


やっぱ、ここには‥生き物が来れない理由が、何か‥あるんだろうね。

‥枯れてるだけが、原因とは‥ちょっと思えない。食べ物も無いから、難しいのだろうけど・・。


 天幕とか、盾とか‥毎度、この形にするのは大変だけど、一旦は‥片付けよう。‥体は‥まだ、戻ってない。着替える。


‥うん。まぁ・・あんま、見ないようにしてる。自分の‥。

家族に弟が居たから、知ってるけども・・ねぇ。


よし。着替えた。一応、武具も装備する。


 まだ、早いけど・・たぶん。



 入口に行ってみよう。昼くらいまで待っても来ないなら、ひとりでも始めよう。時間は、無駄にしたくないもんね。




 入口へ行くと・・はい‥。誰も 居ません。


 最初から、来るとは思ってなかったけどね・・。でも、一応‥待つ事にした。かなり、枯草 茫茫ぼうぼう‥で、気になった。


ついでに、暇つぶし錬成。


  【 リモン傷薬 】・・おや?



一般的な傷薬。体力10回復 材料・草 緑色。@8R


おぉ!! 低い回復力の傷薬 出来た~!


‥今まで、30回復のを半分にして水で薄めて‥ようやく、15回復で・・。


10のが欲しいとか言われても、渡せずに15を「サービスで、安くしておきます!」って、乗り切ってたんだけど。あはは…。


 これ、使えるじゃん! 枯草‥燃やすだけの需要じゃなかった!

これで気兼ねなく‥むしって錬成して、10回復を用意 出来る~。



・・・普通は、逆だよね?


普通なら、高い効果の方が出来たら、喜ぶのだろうけど・・・。

‥この世界の人達、10回復を望む事が‥多くて。


 最悪、30回復を3つに分けて、薄めると‥。

今度は‥色が薄くなり過ぎて、貰ってくれないし・・。


 なんて事が、多々あるので・・。

かなりの量・・作って、ストック出来るぞ!


…あ・・採取のハサミ‥使えば良かった。


 草だと、相変わらず‥手で掴んで、引っこ抜いてしまうな・・。入口すぐの部分は、毟ったせいで‥乾いた土が、き出しになってしまった。


 その後は、セウーさんの ニジー という名の ハサミ を使って、切ってたから・・。刈られた芝生の‥枯草バージョン‥みたいな色で整えれた。


いや、整える予定ではなく・・。刈り取っては、束にして仕舞って…。

・・・夜に内職の如く、錬成かなって。


まだまだ、涼しい森の中なので、風が心地よい。






「‥あの・・」 ?!!

勢いよく振り返った・・・・ら、男性が立ってる・・。


「‥はい?」どちら様でしょう??

「あなたが、リモン殿ですか?」

えぇ。『殿どの』なんて、付けられるような者では‥ないけど。


「‥自分、騎士団 所属で‥非番により、あなたの護衛に来た、ダスクと申します。以後、お見知りおきを‥」と深々と お辞儀する。めっちゃ丁寧!


「来て頂き、ありがとうございます。商人のリモンと申します。こちらこそ、よろしくお願い致します」と、お辞儀した。


名前は・・何と呼べば?「えっと、ダスク‥様?‥」と言ってみると「ダスク‥だけで、構いません」と言われる。呼び捨ては・・苦手だ。


「じゃあ、ダスク ” さん ” と呼びますね‥」冒険者は・・来ない・・かな?

「…。残念ながら、冒険者は請け負ってないようです」と教えてくれた。


「そうですか。教えて頂けて助かります。では、本日は‥この先の‥」

入口に入って、左の道を進み‥大穴から、左側は‥まだ行って無い場所。


 そこから見ていきたい‥と言うと、軽く頷いて‥斜め前を、警戒しながら歩いてくれる。自分も、警戒しながら‥進んで行く。



 最初から兵士さんは、来てくれた。有難い。緑の髪だけど、目が紺色だった。…だからなのかな?‥偏見 持ってないの‥。


自分の 今の 年齢からしたら『 おじさん 』くらいに見える‥。

・・落ち着いた雰囲気だけど。



 大穴から…左へ進んで行くと、地面に‥小さな‥穴に土が入って‥塞いだ‥みたいに見える穴っぽい所が、3か所‥ある。


 私が、その穴っぽい所を見てると、ダスクさんは‥周囲を警戒してくれてる。何か‥気になるし‥こういう所に、やった事 無かったけど・・鑑定!



【 ザンザーラのプッペ 】‥はい?


ザンザーラは成体になるまで、地中で殻に閉じ籠り、ゆっくり成長する。その際の殻をプッペと呼ぶ。地中に居る状態では、抵抗出来ないので駆除 推奨。



「え?!・・は!?」思わず‥びっくり・・した。

「どうしました!?」‥ダスクさんも、慌てたように駆け寄ってきた。


「あの‥ザンザーラって、この間‥討伐してたのですよね?」

「‥そうですが?」


 どんな魔物なのか、聞いてみた。


‥人の顔ほどもある大きさの‥羽の生えた‥虫‥みたいな姿の魔物。成体になった際に、周囲の魔力を吸い上げ‥人も獣も‥その生命力を吸う‥という。


 怖い・・ね。それ。・・・ただし‥と続ける。


「‥正直、ザンザーラの生態については、まだ‥知らない事ばかりなのです」

話し聞いてて、口を堅く結び、チラッと・・埋められたような穴を見て‥。


 ごくっ と‥唾を飲み込んだ‥。


「あの‥ダスクさん・・。この‥地面のとこの。この中に、その‥ザンザーラの卵か、何かが在るみたいなんです‥」駆除‥推奨ってなってたけど。


・・穴、掘ってみる?


 討伐されたから、来年まで出ない‥と思うし。スコップ‥出して、掘ろうとしたら‥ダスクさんから、手が出されて顔を見る。


「自分が行います。少し‥下がっていて下さい」

「ぁ‥ありがとうございます。お願いします」


…。唐突に出て来ると、私じゃ、対処 出来ないかもだし。



 穴を少し掘ると、すぐに何か…白い物が見えた。わりと大きい。

小さな子供くらいの大きさ?の‥白いまゆというか、さなぎみたい。


「1つは、研究班に渡したいのですが・・」

‥・・「ダスクさん、ちょっと待って下さい」


長剣を持って、つつこうとしてるけど・・届かないみたいだから。


槍 出した。

「これ、使って下さい」突くには、長もの!という‥理由しか無いけど。


 ダスクさんは3つの内、2つを突き‥鑑定して…中身は、お亡くなりになったと分かった。その後、スコップ‥スペードって言い忘れるけど、これで周囲を掘る。



 周囲を掘り進めると、太い紐?糸?‥みたいな白いもので、穴から落下しないように‥土の中に、固定してるようだった。


だから‥足場を確保してから、ダスクさんの剣で‥切ろうとしてるけど、切れてない。伸びる・・。うーーん。


 ダスクさんの剣・・何だろ?


【 一般兵士の剣 】

騎士団に所属する、一般兵士に与えられる長剣。攻撃力20

制作者・ホズン


‥攻撃力しか無いんだ・・。


ハサミなら切れる? いや・・落としたくない。


長剣じゃないと、届かないから・・短剣は無しだな。

 槍は‥さっき居た地面に、突き立てられてるけど・・。


30‥いや、もう・・40の剣で良いか!

「あの、これ使ってみて下さい」これで、単純に武器の攻撃力が低いせいか、それとも‥あ・・切れたみたい。良かった。


‥ザンザーラが、中級の魔物らしいから、弱い武器じゃ‥単純に、切れなかっただけだったね。回収 出来たみたい。危ないから、穴は埋めておいた。表面だけね。


大きめな袋に入れて‥ちょっと・・嫌だけど、鞄に仕舞う。


‥運んでる間に 生 ま れ た ら 嫌だし。


「‥あの・・これ‥」あ・・はい。わ ざ わ ざ 拭いてくれた、剣と槍を受け取り‥。お礼を言って、仕舞う。


「‥少し、休憩しましょう」

木々の方へ行って‥座ると、ダスクさんも、近くに座った。


‥けっこう用意したけど・・今日は、ダスクさんだけ。

「少し早いですが、お昼にましょう」はい、どうぞ‥と、渡す。


「‥これは?」あれ?…なんだか‥戸惑ってます?

「お魚の身の入ったパンですよ。どうぞ‥」あ、そうだ。


‥コップは 無い けど、瓶で出るので・・。


「野菜ジュースです」と言って、瓶に入ったまま‥渡す。

わりと、地面は平で良かった‥と思いながら置く。自分の分も出す。


ぱくっ ‥うまし! うーん!おいしいっ!今日は、良い天気で良かった~。

「‥いただく」


 おお・・豪快に食いついてる。好みの味だと良いけど・・。


「…どうですか?」「美味しいです」という答えが返って来た。

お世辞かな? 本音かな?‥でも、マズいって顔してないから、いいか。


「‥これは、じゅーす?と言いましたか?‥あの、飲む傷薬では無く?」

「はい。これは‥ただの飲み物ですよ」


‥傷薬の方が良かったのかな?

それは、報酬の方だしなー・・。いや、怪我したなら、渡すけど。


「どこか、怪我しましたか?」

「…いいえ。大丈夫です」と言って、飲んでた。


瓶‥落としそうになったのを、キャッチ!

「ふぅ‥危ない。再利用 出来なくなっちゃう・・」

「‥再利用・・するのですか?」もちろんです!


 ダスクさんから、少し離れ‥飲んだ後の瓶を普通の水ですすぎ‥セーカを取り出して、乾かす。そうしてから、鞄に仕舞った。


「…なるほど」

なんだろ? 何か変な想像でも‥してたのかな?


 洗って使うのは、当たり前だよ?って思うのだけど…。そうしない人を、見た事でも‥あったのかな?


「少し休憩したら、奥へ行きます」と、指で指示さししめした。

ダスクさんは、頷くだけだ。


‥しゃべらないのは、任務だと思ってるから?


「あの、ザンザーラの討伐‥。ダスクさんは、参加したのですか?」

「‥はい。隣との合同で、多くの兵士が戦いました」


どんな風に戦ったのか聞くと‥‥。

「スコヴェル粉の‥手投げ爆弾を1人数個 持ち、敵に向かって‥投げます」

スコヴェル粉‥そんな、使われ方してるの?!


「それで、倒すんですか?」

「はい。しかし、数に限りが有りますので‥無くなれば、武器や魔法での攻撃になりましたね‥」そうなんだ・・。


‥やっぱ、騎士団って 大 変 なんだね。


「毎年、出現するんですよね?」

「はい。毎年・・ですね」・・・そして、大群で。


 でも、さっきの穴。3つだけだった。他にも‥あるのかな?

穴の中には、1体づつしか‥見当たらなかったけど・・。


‥スコヴェル粉‥作ろうと思えば、作れなくはない・・・けど。



「‥そろそろ、行きましょうか」

 塞いだ穴を見ながら、うーーん‥と悩んでる私に、ダスクさんが言うので、返事して進む。この先は、ホントに‥何も出ない・・かは、知らない。



 奥へと進むと、白い塀が左手に見えて来た。扉も在るけど‥兵士は居ない。

「この門は?」「それは、港町 トロミロスに繋がる扉です。昔の名残ですね」


‥昔、この森がまだ・・『ボトルグの森』と呼ばれていた頃・・。

この門から、森へ素材を採りに、多くの冒険者や、旅人が出入りしてたって。


今は、素材も無い‥魔物や獣も居ない。開く‥必要の無くなった門なんだ。


 奥の木々の間に、低い低木を見つけたから、鑑定してみたけど・・バラダーじゃなかった。


【 グーズコーン 】

緑の実が特徴の果物。緑の内は、薬の代わりになり、熟れて黒くなると、今度は果実として食された。魔力が枯渇してる地域では、実は出来ない。


「これ、薬にもなる実が‥付くみたいですね‥」

「‥あぁ。黒くなった実は、私の娘も好んで食べていた」


そうなんですね。既婚者のようでした。だから、雰囲気が穏やかなのかな?

 そっちじゃないだろって? 失敬。


「‥木は生えてるから、森が戻れば‥実が出来そうですね」

今は、枝・・だけなのが、寂しい感じだけどね・・・。


「‥うーん・・もう少し行きたいけど・・。今日は、この辺で‥戻りましょうか」と言う私の言葉に、同意してくれるように頷き、来た道を戻った。


まだ、夕暮れには‥早い時間。

「ガリゾーントの町へ戻るのですか?」

「はい。そうです」


「では、荷物・・出しますね」

先程の‥えぇ・・あの・・蛹っぽいやつ…。


入った袋を出し、渡すと‥行きそうになったので、引き留めるっ!危ない‥。

「待って下さい。本日 来て頂いたお礼に、どれか‥選んで下さい」


「え?…」と、ちょっと驚いた顔をした。


えっと‥「普通の傷薬 か 回復薬・飲む傷薬・傷薬アメ・武器・防具‥えっと‥少しですが、アクセサリも有ります。どれにしますか?」


「…そ、そんなに、あるのですか・・?」・・え?多かった?


「あ、お金でも良いですけど‥」「…」

ありゃ…悩みだした。



 少し待ってると「‥先程 借りた‥長剣で‥」


「分かりました。これですね‥」

さっき‥というか、アレ取るのに使った‥長剣を渡す。


「本当に このような高価な商品を、受け取っても宜しいのですか?」

「はい。報酬として、用意しましたので。あと、これはオマケです」


そう言って、お菓子アメの袋を出して‥渡した。

「これは‥傷薬のアメですか?」お?違和感 無く発音してる!


「いえ。それは‥ただの お菓子です」お子さんに、どうぞ‥。

「‥なんだか、働きよりも‥多い気がします」


「いいえ。こんなに早く来てくれたし、丁寧に対応頂いたし、有難かったので、お礼として、受け取って下さい」


「有難く。あと、これは‥研究班に渡しておきます」


 そう言って、また‥深々とお辞儀をし、差し上げた剣も腰に装備して・・二刀剣士みたいに見える状態で‥アレを担いで‥去って行った。


 こっちも深々とお辞儀をして、ダスクさんを見送った。

【ダスク】ウィリディス州軍 所属。物資班 班長のひとり。「非番の者は協力せよ」という軍団長の話を聞いていて、来た人。非番時なので、軽装の装備のみ。男 / 38歳 / 既婚者 ( 娘が一人居る ) / 180cm / 緑の髪 / 紺の瞳 / 長剣使い。


【ザンザーラのプッペ】(プッペ=ドイツ語・蛹)

ザンザーラ自体は、赤と黒のラインを持つ中級の魔虫(まちゅう)。プッペ自体は、真っ白。中身は成体になるまで、ドロドロの白い‥何か。この状態であれば、脅威では無い為、大昔は地中に埋まってるのを見つけては、駆除していたらしい。


【製作者ホズン】鍛冶屋イロアス 所属の職人。男 / 27歳 / 177cm / 恋人は居る / 鍛冶職人3年め / 緑の髪 / 赤い瞳。


【スコヴェル粉の手投げ爆弾】スコヴェル粉が入った、割れやすい小瓶に入った‥アイテムの事。名称が毎年決まらず、今も そのままに‥なっている。劇物なので、1体に当たった瞬間に周囲に爆散し、1粒が当たるだけで、素材落として倒せる優れ物。スコヴェル粉を作れるのは、一部のみ‥と言われている。


【騎士団への報酬】本来は、来た時にも渡す必要があるが‥その事をすっかり忘れてたリモン。兵士側も言わなかった。ただ、本来は非番ゆえ、報酬とは名ばかりな物を渡される事も多く、あまり やりたがらないのが現状。※よそ者だったから‥という理由だけでは無い。


【報酬の種類】リモンは金銭も含め‥8種類ほど選べるようにと、言いました。普通は‥お金か、効果が50前後の薬の2択が、一般的です。なので。種類の多さに戸惑ってました。


【ドリセレームの剣】( セレーム=イタリア語・晴れ ) Lv.4の剣。攻撃力40 晴れた日は、攻撃力が+10%upする。乾燥した場所なら、さらに追加で+5upする。@1,200R ※ダスクさんに渡した剣


次回は、初日と違い‥大所帯になりまして・・・

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