25瓶 高級 宿
ウィリディス州のトントの町に、来ました。早々に、ギルドの雰囲気が悪い感じしたけど、入るドア‥間違えただけだった。
さてと、今日は依頼の納品だ!
子供たちは「あの店は嫌!」とか言って、ワング商店の依頼を、取りたくないと争っていた。‥そんなに嫌われるお店って・・・。
もしかしたら、すごく 怖い顔の人 かも知れないし、物凄く‥細かい事をグチ グチ言う人なのかも知れない。
私自身は、前者は別に怖くないし、後者は、あしらい方を知ってるので‥たぶん、大丈夫でしょう…と、高を括ってるが・・どうだろうか?
そのお店も…商品の納品が必要だから、依頼してるのだろう・・。なのに、いつまでも納品されないと‥困るのでは? その内、ここ に怒鳴り込んで来そうな予感もする。そうしたら、余計に子供たちは‥依頼を受けたく無くなるだろう。
って、事で…。えぇ‥私が。
黄色紙の納品で、傷薬 (指定 50回復 以上)を10個。それから、3つの属性素材 (別々の素材なら、何でも良いらしい)は赤紙。最後に逃草3つ・・は、黒紙だったけど…どれも持ってる。全部、納品依頼で‥お店に届ける必要がある。
紙3種類を出し、ギルドカードも出す。
「よろしく お願いします」と何だか、申し訳無さそうな顔で言われる。
‥何か、いろいろと‥ありそうね。
1枚扉の方から、外に出て‥地図を開く。
検索してみると、かなり近い位置に在るみたい。近いのは有難いね。
‥アルドルの町のケントニス店は、遠かったなぁ・・。思い出しながら歩いたら、すぐに到着した。緑の壁や窓枠、ドアに至るまで・・全部・・緑。
・・徹底してるなぁ。
入口のマットまで、緑だし・・。プランター(木箱)まで‥緑だった。
ドアベルは無いけど、扉を引き‥入る。
「ごめんくださーい」‥カウンターに人の姿が、無かったから。
‥まだ、やってない・・とか?
それだと‥ドア開いてるのは、不用心だよ・・・。
奥から、目の小さい‥髭も眉毛も、もじゃ もじゃの‥おじいさんが登場。
「誰じゃ?」
「こんにちは、商品の納品に来ました!」と、明るめな声で返事をした。
「何を持ってきた? ここへ並べろ」カウンターを軽く叩く。
「まずは、逃草3体‥」と順に出して、3体 出した時点で‥黒紙を出すと、すぐさま‥お店のハンコだろうか?・・を押した。
その押された紙を片付け、黄色の‥。
「次は、傷薬‥50回復を10個‥ですね」両手を使って、出していく。
…思ったけど、鞄から出すのは、10個までかも。
それ以上なら、木箱とか欲しいね。
でもそれで、自分が持てるかどうか…な方が、心配なんだよなー・・。
・・あ、木箱に入れた状態で鞄‥に・・・。でも結局、大変そうだから・・もう少し考えてからにしよう。面倒でも今は‥鞄から出す以外 出来ないな・・。
そう考えてる間に、鑑定は済んだみたい。ハンコが押された。
「では、最後に・・・」
「何じゃ‥まだ、あるのか?」
3つの属性のある素材・・。
『ディングル草』『水静石』『スフェラ石』を、それぞれ1個づつ出す。
水静石は、もちろん‥水に入れた状態ね。
ディングル草も、安全の為‥下向きに、ガラス瓶に入ってるから、瓶ごと。
ディングル草は、アルドルの町・北の森 ( 雑木林 ) で見つけた‥雷属性の草。
水静石はデトリチュスの森の池に在った、水の中に 入れておかないと 危ない石。・・属性としては 炎 だった。
そして、最後のは・・・。
「これは‥何じゃ? 見た事が無いわい…」
「スフェラを加工して、石にしたものです」
おじいさんは、目を見開き‥鑑定している。
…これは、私が 錬 成 し た モ ノ 。
スフェラを鞄に入れたまま、手袋した状態で‥錬成してみた。
・・すると、この…丸い石の形になったんだ。でも、元が…スフェラだから、落としただけで爆発…とかしたら、危険過ぎる!
だから川の近くの、砂利ばかりの場所へ行った時、試したんだ‥いろいろ。
「これは、どう扱えば良いんじゃ? 見た事が無いから‥分からんぞ‥」
「この状態であれば、素手で持っても‥落としても砕けるだけで、魔法は発動しません。それに、砕いた‥その破片が、魔鉱石 並みの魔力を宿してます」
鞄から、実験時に砕いた‥スフェラ石の欠片を出し‥見せる。
「なんと! スフェラを加工 出来る者が‥居たとはのぅ」
ちなみに出したのは、光属性の。白かった方。
「注文は、これで よろしいでしょうか?」と聞くと、にこ にこした顔で、赤い紙にもハンコを押してくれる。
「ありがとな‥。また、頼むぞ・・」
私は、会釈して‥お店を出る。
‥何も置いてなかったんだもの・・・あの お店。
納品依頼の紙が在ったけど‥納品されずで、品物が無くなったんだろうね。ご老体だから、この距離でも‥ツライのかも。
ギルドへ戻る。真正面じゃなく…横の入口から。もう覚えた。
3枚出すと‥それぞれの報酬を受け取った。
「それから、これを宿屋に見せて下さい」と言われ、薄い長方形の紙っぺらを受け取る。何これ? 宿屋に見せろ??
どうも・・って言って、さっきの宿屋へ行ってみた。しかし‥満室。
通りの向こう‥。外への門の近くにも、宿屋が在るそうなので行ってみる。
…空いて無かったら‥どうしよう?
少し不安になりながら‥お店を見上げる。 デ カ い ・・。空いてるかな?
両開きの扉を開ける。シャラランッ 「いらっしゃいませ」真正面に カウンター‥ってのは、どこでも 一緒なのね。
今回は お兄さんだ。「お泊りですか?お食事ですか?」
・・ん? と首を傾げてしまった。
「この町は、初めてですね?」
頷くと、この店の紹介が始まった!唐突に!
‥どうやら この宿屋は 1階に食堂と手洗い所。
2階から客室‥個室 風呂付!
凄 い !!
「えっと、空いてますか?」
「いつまで‥でしょうか?」
えーと・・ちょっと分からないけど、ひとまず日数 決めないと いけないみたい。そうだな‥7日間 程度にしておいた。5日くらいでも‥良かったかもと、後で思ったけど・・。
「では、お部屋を‥お選び下さい」と、メニュー表のような板を出される。
ベッドだけ / ベットと風呂付 / ベッドと机セット / その風呂付‥。
全部・・個室しか無いみたい。風呂付‥が良いけど・・。
「一番高いけど‥机セットと、お風呂付いてるので!」と言うと、少し驚かれる。そうでしょうとも・・。1泊‥300Rだもんね!
いつもは、その1割程度の金額以下なのに・・。
・・まぁ 全 然 お金使ってませんので、10万近く‥持ってますけどね 今。
で、先払いなので・・2100R ( 大穴銀貨2枚 と 小銀貨1枚 ) を出す。
「君は、商人だよね?」 「そうですけど・・?」
「何か…売りたい物が在ったら、少しなら‥ココに置いてあげれるから、いつでも言ってね。じゃ、これ部屋の鍵だよ。部屋は・・3階ね」と、鍵を受け取る。
・・売り出したい商品・・。まだ改良中で、数無いので保留にした。
初の 3 階 だ。
・・今回は、マークだ。星のマークにしか‥見えないけど…。
あ・・ここ・・だね!あった。鍵を開け‥中へ入ると、かなり広い部屋だった。正直‥ちょっと広すぎるけど。
‥今までが、4畳半くらいだった・・。よくて6畳?
・・ここは8畳は‥確実にあるね。しかも、風呂付でしょ?!
入って鍵を閉め、横に在った扉を開けると、細めな廊下の先に・・お風呂!
し か も !盥じゃない!‥というか、木製じゃない!
コン コンしてみると、陶器っぽい音。
す っ ご い 贅沢・・。なんだろう…顔が に や け る ・・。
絶対 今、酷く‥変な顔してるかも・・。
お風呂にお湯を溜めてる間に‥以前と同じような、机を見る。
引き出しに‥鍵を‥と思ったのだけど、何だろうか‥。
嫌な予感がして、出来なかった。‥結局、鞄に仕舞った。
‥電気は、勿体ないと思うけど・・消さずに、風呂へ 入る事にした。
薬草・・もう無いな。入浴剤 代わりに入れてたんだよ。疲れが取れるから。
明日、外へ・・出てみようか。湖に行って・・あ・・そうだった。
・・武器屋と防具屋には、行かないと!
‥矢も、心もとなくなってきたし。自分に装備出来るかどうかは、行ってみないと分からないし‥確認したい。お金のある内に‥買っておきたい。
・・お湯 溜まったから、入ろう。
‥ご飯・・どうしようか・・・。1階で、食べても良いけど…。
・・最近‥この体 ヤバい。何が?って・・・。まだ布で抑えていられるけど、その内・・難しくなりそう。発育が良いのだと思う。
さて、どうしたもんか・・。なるべく、キツく巻くしかない。
これも ” さらし ” って訳じゃなく、ただの‥布だから。今は良くても‥その内…うぅーーん・・・。
なんか根本から、どうにか出来る 薬 でも生み出さないと‥旅が続けられなくなるかも?! は ぁ ぁ ~
ここの洗い場には、陶器の椅子まで在る。‥すごいね。
さすが・・300Rの お部屋!って‥言わないと。
夕食‥まだ、食べれるようなら‥何か食べようと思ったけど…。
座れる所が見えない・・。無いのかも。部屋に戻って‥と考えて、受付のお兄さんの前を通って‥部屋に戻った。
‥大量の! パ ン が ありますから、問題なし!!
お部屋、汚さなければ良いと思う。言われてないし。
椅子に座って、食べながら‥地図を開き、武器屋と防具屋を検索。
‥1つだ。とりあえず、印の旗をつけておく。宿屋に来た時に通った道に‥在る‥ぽい。自分にも、扱えると良いけど・・・。
ふわぁぁ…眠くなってきた。
どうやら、この外へ出る門前 通りに、お店が集約してるみたい。
…なんとなく‥お店見てたら夜に・・みたいな展開が、頭を過った。
明日は・・・。
①武器屋と防具屋を見る
②門の外で湖を探す のち 小屋 見つける
③無事に宿に戻る
だな。さて・・眠ろう。…正直な所、また服も欲しい。
バラダーのせいで、服がけっこう‥すぐボロボロになる。しくしく。
葉っぱ攻撃で、切られてしまって・・。
あ・・カーテン閉めて無かった。起きて閉める。窓は‥大きい出窓。
オシャレな部屋だな・・ホント。
ベッド・・ふっか ふかっ!
‥良い夢が・・見れそう・・・くぅー・・すぅ・・ーー
『どの部屋だ?』『わからん‥3階ってのは聞いた』
『3階に何部屋あると思ってるんだ?!』
ぅ・・うん・・・? 何だろう・・騒がしいな・・・
人の声で、起きてしまった。どんな騒音の中でも眠れるけど・・・人の話し声だけ‥無理なんだ。枕に潜っても‥人の話し声が、大きく聴こえて…気になって、眠れなくなる。
音を立てないように、近づいて‥ドアに、耳を付けてみる・・。
『ちゃんと調べておけよ!』『おい‥静かにしねーと‥』『悪ぃ』
『大金を ポンッ と出す子供だろ?』『あぁ‥商人の恰好のな‥』
・・・もしかして、私…って事かな?
『・・お客様。他のお客様のご迷惑となります。話なら1階へ』
『あーはい はい。分かったよ‥。行くぞ‥』
…階段を降りて行く足音が・・聞こえなくなった。お店の人が来たみたい。
ホッとして‥再び、ふか ふか のままの布団へ 潜り込む。
・・・朝だ。
よし! 武具屋に寄って、門の外へ出発だ!・・の前に、朝飯!
1階の食堂って、朝から食べれるのかな?
着替えて‥支度して‥鍵かけて・・行ってみる。カーテンは 開けた。
階下へ降りて行くと、お兄さんが カウンターの掃除をしていた。
「おはようございます」と声をかけると、挨拶で返してくれた。
食堂へ向かおうとすると、お兄さんに声をかけられ、振り向く。何?
「昨日は夕食、食べれなかっただろう? すまないかった‥」
・・何を 謝ってるのだろう?
「手持ちがありましたので、問題ありません」と答えると、少し ホッ とした顔をして話を続けた。
どうやら宿に泊まってる人を、優先したかったのに‥外からのお客さんに対処していて、招けない状態になってたみたい。「気にしないで下さい」と伝えた。
食堂では、みなさん‥何か食べてる。
自分みたいな子供が居るのが、不思議なのか‥めっちゃ、見られてるぅ。
「あら、おはよう!」「おはようございます」
食べて行くかい?と聞かれたので、お願いしますと言うと、好きな席に‥と言われた。なので窓際に座って外を見てた。
【スフェラ石】スフェラを錬成したら出来た球体。元々の属性を、そのまま閉じ込めた。この状態なら、素手で持って良く、落としても‥砕けるのみで魔法の発動は無い。さらに、魔力を凝縮したような状態の為、砕けた欠片は、魔鉱石のような魔力量を持つ。
【ギルド認定 商人証 ( 紙 )】ギルドが宿で見せろ‥と言った長方形の紙。他所から来た、商人・冒険者は、1度でも依頼をすれば、宿屋で安く泊まれる事を示す紙。なお、これは高級宿でも適用されており、通常 500Rの所を 300Rになっている。最初の宿で言われたのは、リモンが『お金持って無さそう』と判断された為。
次回‥ウィリディス州の外へ。湖と森へ・・・




