24瓶 ギルドの洗礼?
自作の飲み薬が、意外と好評なのは良いけれど…。
それよりも早く進みたい今日この頃。本日、やっと‥次へ行けます。
でもまずは・・・。
朝…雲はあったけど‥晴れていた。出発の日が雨だと‥げんなりするもんね。起きて着替えて‥。そうだ…。門が開くのは昼だから、その前に‥お風呂は行こう。
酒場での朝飯は、久し振りに‥固いパンの薄切りと、錬成で作ったフィトを‥貰ったランチョンマットの小さな敷物に、貰った食器を出して、盛り付けて食べる。
フィトに使った野菜は‥キヤールって言う、きゅうりに近い食感の 黄色の皮の野菜に、ドマテスって言う‥男性の掌なら乗りそうな 大きさのトマト‥だと思う。味はね。一応、ドマテスは・・野菜らしい。リアルな トマトは 果物 なのにね。
今まで…一応、齧って食べた事は‥ある。
包丁やまな板、鍋などの器具が欲しいと‥思い込んでいたので、作って無かった。でもね・・錬成で、出来ちゃった。
なんという事でしょう・・・ってくらいに。
あと…水と野菜で‥スープまで出来たんだから・・びっくりだよ‥。
でも、スープは‥その場で飲むしか出来なかった。
出来たからって瓶で保存…というのが違和感で出来なくて。なんというか、サラダは平気なのにね‥なんでだろう? それに、温められないからね・・。
朝食を終え、パン屋は‥宿屋の窓から見えたけど、まだ看板も出されてなくて、開いてないみたいだ。
宿屋の受付で声をかけ、部屋を確認してもらう。
「キレイに使ってくれたみたいだね‥。ありがとね。ぜひ、また寄っておくれ」と言われ・・お金を払う。約1週間くらいは居たのかな?と思う。
まずはギルドで便箋を買い、封筒も買える事を知って購入する。
机で、ギルド長に手紙を書く。問題解決へのお礼・貰い物の感想・今日 やっと次の州へ行ける事を‥簡単に書いた。貴重な紙なので、簡潔に書かないと‥すぐ いっぱいに なってしまう。
受付のお姉さんにお願いして、お金を払う。
「そういえば、お昼には門が開きますが、リモンさんは‥どうされるのですか?」と、聞かれ「ウィリディス州へ 行きます」と答える。
受付のお姉さんとは、既に顔見知りになってるので、よく こういう世間話もするようになった。もちろん後ろに‥人が並んでない時だけね。
「…ウィリディス州へ入るのでしたら、十分に…お気をつけ下さいね」
・・・何? 治安が悪い‥とか? 魔物が強いのかな?
「分かりました‥ぁ」
後ろに他の人 来たから会釈して、私はお風呂へ向かった。
お風呂を手早く済ませ、パン屋で‥また、大量購入。
しかも、全種類 購入!
前回は、気になった物だけにしたから、全部は買ってなかったんだよね~。
店員さん達・・ごめんね…。パン屋を紹介する機会があったら、宣伝しておきますから!と、心の中で誓って…門を見る。・・・まだ、開いてない。
‥ぉーーぃーーー・・・
ん? 何? 誰かに呼ばれてる気が・・しなくもないけど・・。
いや‥それ、私を呼んでるとは‥限らないんじゃ?‥と首を傾げてると‥。
ぉおーーぃ! 少年! 飲み薬の!!
って言った辺りから、見てる反対側の門から‥何かの獣肉?の塊を抱えて、走ってくる‥酒場の店主の姿が。
「えぇ⁈ どうしたんですか?」
「おまえさん、今日‥行くんだろ?」
はい‥。今日も朝から、狩りかな?この方。
「その鞄‥魔道具だろ? これも入るだろ!」抱えてた肉の塊の1つを鞄へ。
「え?!」「餞別だ!持ってけ!」ご主人が、いくら入れようとしても‥入らないので、受け取り…重い!‥すぐに鞄へ仕舞う。
「こんなに大きなの…良いんですか?」
ニッ って歯を見せて店主は 笑った。
「ありがとうございます!」
「おう!元気でな!…もし‥あっちで嫌な事あったら、引き返して来いよ」
はい!と、心配してくれる事に喜びつつ、笑顔で答えた。
ブ オ オ オ ォ ォ ォ 今度は何?!
「門が開くぞ! 予定より早いな・・」
ご主人が言うので、門を見ると‥確かに開かれた。
あぁ‥やっと、行ける。
「では、また」と酒場の主人に声をかけ、門へと向かう。
門には既に、たくさんの冒険者たちが列を作っていた。最後尾は…どこだろ?
「おーい!」 ん? 視線を向けると‥ノックスさん達が見えた。
近づくと「俺らが先みたいだな。おまえも こっち、行くんだろ?」頷いて答えると「また どっかで、会えると良いな!じゃあ、お先にな…」と それぞれ、話して大きな荷物担いで門をくぐる。
最後尾が、けっこう後ろだ。パン屋の前辺りで後ろに付いた。私の後ろにも、屈強そうな人達のグループが続く。冒険者の中に、ポツン と私が居る感じ。
門の兵士が、何か確認してる。あ‥そうだった。薬‥ここでも渡しておこう。
改良版‥というか、カロッテ味の体力50 回復の飲み薬に、ライムーンを加えて‥さっぱりな飲み味になった。
しかも、今まで『リモン傷薬r』だったのに‥。
ずっと作り続けてたせいか…『リモン飲薬』という名称になってた‥。
えぇ。 い つ の 間 に や ら 。
元々の体力50 回復の飲薬は、カロッテ味で‥色も、オレンジ色だったのだけど・・。ライムーンでの改良版は‥なんか、黄緑になっちゃったよ‥。味は‥飲んだ後がスッキリ?さっぱり?‥うん。そんな感じ。
炭酸水とか有ればね・・。もう少し飲みやすくなると思うけど。無いんで。
あと、あんまり高い効果の物は‥貰ってくれない事が多い‥って知った。
高い効果=高い金額‥って思うからかな?とは思ったけど。
「よし、通れ…次」
顔を上げると、もう自分だった。
「許可書状を広げて見せろ」というので、言われた通りに見せる。
「‥よし」何か…メモしてる。
仕舞って‥兵士それぞれに‥と思ったけど、反対側の人は、ウィリディス州から‥こちら側へ来る人の対応をしていて・・渡せそうにない。
「これ、もうひとりの兵士さんにも、お渡し下さい」と2本 進呈する。
「!…分かった。通れ‥」会釈して門を潜り抜ける。
門の扉はスライド式なのか‥門の両側に収納されていた。
そうして、反対側の町へ出る。
わぁぁ・・・。こっちは、緑だー。
緑の屋根、緑に塗られた柱、緑色のレンガや石が、埋め込まれてる道だぁ。
植物も多く植えられている。全体的に、緑の町なんだ・・・。
ピコンッ! ぅわ!・・びっくりした。
『 トントの町 』と、表示されたものが出た。
これ、いきなり SE 出るから…ホント、びっくりするのよ・・。ふぅ
トラストの町より、大きめ。アルドルの町よりは、小さめ・・って感じかな?
…まずは町の地図が・・欲しいですけどね・・・。
最初の街並みに感動しつつ、ふと‥左手のお店の入口に‥何かある。
近づいてみると…雑誌ラックのような、鉄の棒で作られたようなフォルムで、雑誌ではなく、町のパンフレットが置いてある!
広げてみると‥確かに、町の地図だ。ここも、冒険ギルドと商人ギルドが、一緒になってるみたいだね。
一部 貰って…。そう思った時、何か 嫌な予感 がした。
…セウーさんから貰ったのは、タダだったけど・・・。
最初のアルドルの町でも、パンフレットは‥タダじゃなかった。外に置いてあるけど、もしかして‥お金払わないと マズいんじゃ?
・・考えてたって答えなんて出ないんだから、聞こう。
パンフレットのある、すぐ近くの扉は1枚ドアなのに‥重厚感のある高そうなお店・・。ドアノブも、花の形で作られていて、とても凝ってる。
パンフレット片手に、ドアを開ける。
カランッ カランッ・・ドアベルの乾いた音が鳴った。
入ろうとしたけど、絶対‥高級品 扱う店です・・みたいな印象を受ける内装で、足を踏み出すのを躊躇った。
「いらっしゃいませ‥」と不思議そうに見る‥店員のお兄さん ( またしても若そうな‥ ) と、目が合った。
「すみません‥これが欲しいのですが、いくらでしょうか?」と聞くと、店内に入るようにと促される。‥小さめの声で、失礼しまーす・・と、言って入った。
「こちらは、大銅貨3枚ですよ」 やっぱり!
あのまま、持って行ったら‥どっかで、捕まってたかも…と、私は苦虫…なんて、噛んだ事無いけど…を 噛んだみたいな顔をしてただろう。
「よく、持って行かなかったね‥きみ」と奥から、品の良さそうな紳士が出て来た。「はい…。今までも購入してたので、一応 聞こうと思いまして」と お金を、お兄さんに払う。
すると手を出される。何?と首を傾げてると‥。
「オルデン、ちゃんと伝えなさい」という言葉に、ハッ としてるお兄さん。
「申し訳ありませんでした‥。そちらの地図を、貸して頂けませんか?」
はいっ て渡す。すると右下に、空白の白い部分が有ったのだけど、そこにお店のハンコだろうか?…ポシッと押してた。
・・・なるほど。購入したものかどうか‥一目で分かるようにする為か。
‥あと、盗んだ か どうかの判別も、これでしていそうね…。
「では、こちらを‥お持ち下さい」と返される。
お兄さんがハンコを片付けにでも行ったのか、カウンターへ戻って行くので‥私も、お店から出ようとすると「もしもこの先‥」え?
「あなたが、もしも‥城へ招かれるような事があったら…。その時は、いつでも‥服を仕立てますので、お越しください」と言われた。
・・・先程の店は、オーダーメイドの服屋だったようだ。
‥‥城へ・・なんて、生涯無いのでは?!と思うのは、今だけ‥なのだろうか?
・・いや‥私が城に行く予定、無いですけどねぇ…エシェックさんが、城に居る・・とか言わない限りは。
中央国の地図で見る。トントの町、こっちと‥反対の扉を抜けると、外に出るみたいで‥。やはり・・左手に湖・右手には森があり、その奥には‥海が広がってるらしい。海のその奥にも陸地が在るように、見えるのだけど…ちょん切られてるから、本当に在るかは‥見て、分かるなら・・・ねぇ。
ひとまず‥宿屋? ギルド??
宿屋が近いので、宿屋に寄って部屋を借りれないか、聞いてみる事にした。
しかし・・・。
「旅人かい? まずは、ギルドに寄ってからにしておくれ」と言われた。
何だろう?まぁいいや。と、言う事で・・ギルドへ。
門から真っすぐに伸びる大通りを進み、交差する場所に で ~ ん ! と、真ん中に陣取っていた。目立つ所に在るんだなぁ・・。
あれ?
正面の両開きの扉ではなく、横の1枚扉から中へと入って行く‥子供を見る。黒い帽子を被ってるから、商人の子かな。
…どっち・・? もしかして、正面は 冒険者用‥とか言うのかな?
いや‥実は、どっちでも良い…のかも?
なんせ、冒険者の人も‥その1枚扉の方から入って行くから。
まー…いいか。前から入ろう。
入って行くと、たくさんの冒険者が、各グループごとに分かれて座ってたり、壁の隅で話してたりしている。入った瞬間‥なんとも異様な空気を感じる。
『 おまえは 場 違 い だ 』という 空気 だ。
商人だから? 赤のランク3だからか? それとも‥よそ者だから?
依頼ボードを見ても、青や緑ばかりで、黒も赤も‥無い。
「おまえさんは、こっち じゃなく あっちだ!」と、カウンターのおじさんに言われたが『あっち』って、どっちよ?!‥と言いたくなった。
後ろに居た「‥それじゃ、分からないですよ」と言って、青緑のサラサラな髪と水色の瞳のお兄さんが、カウンター横の‥扉まで案内してくれて「君は、この先で依頼を受けれるよ」と教えてくれる。
普通に親切な人だったので、お礼を言って‥その先へ。
・・・先程は、やや薄暗かったが‥。ここは、比較的 明るい。
でも、なんで子供たちは、争っているんでしょうか?
‥さっきまで、そんな声・・聞こえてませんでしたけど??
依頼ボードを見ると、こっちには‥赤から下のランクの紙ばかりだった。そして、1枚扉の先に繋がってる場所でした。やはり…入口が、違ったんですね。
同じような依頼の紙は、他にも在るのに‥1枚を取り合いっこしている。殴り合いそうになってるのを止めると、両方から睨まれる。
「同じ内容の依頼なら、他にもあるじゃん。なんで取り合うんだ?」って聞いたら、2人はお互いの顔を見合わせ「こいつの持ってる店のが良いんだ!」と。
「ちょっと、紙 見せてもらってもいい?」と聞くと、持ってる子は‥持ったまま見せてくれる。内容と、数・納品場所を確認する。
「ちょっと待ってて」と言いながら、依頼ボードの子供がジャンプしても、届かなそうな所に、同じような依頼が貼ってある。その1枚を取る。
「はい。同じ素材・同じ数‥同じ場所へ納品‥これでいい?」
「ぁ‥ありがとう!お兄ちゃん!!」殴りかかりそうだったけど、仲直りしたみたいで‥一緒に持って行った。それを見て、ちょっとホッとした。
‥売れ残りは・・黄色紙が目立ち、少年たちが選びたがるお店のを、手が届くだろう所へ移動し、自分は売れ残ってた‥って言うと変だけど‥『ワング商店』用の紙を手に取るのだった。
【キヤール】きゅうり に、よく似た食感の‥細くない 黄色の皮の野菜。
【ドマテス】女性なら両手で持てるかな?くらいの大きさで、赤黒い皮の水気の多い野菜。切った断面や、味はトマトそっくり。甘くはないけど。
※復習①カロッテ=にんじん ②ライムーン=レモン ③ノックス=危険な傷薬のウワサ内で毒になってた人。
【トントの町】チェントロ国 ウィリディス州とエキャルラット州との境めの町で、ウィリディス州側。町の大通り中央に、ギルド ( 1階正面→ランク高 受付 / 売店 / 手洗い所 / 貸し風呂 / 冒険ギルド長室・1階奥→ランク低 受付 / 手洗い所 / 商人ギルド長室・2階→ランク高い冒険者用 宿※グループ別の大部屋のみ)・宿2・武具屋 ( 1階 防具屋・2階 武器屋※冒険ギルド登録者のみ購入可能・売るのは誰でも可 )・食事処2・雑貨屋2・アイテム屋1・他 民家
【ウィリディス州】( ウィリディス=ラテン語・緑 )
チェントロ国の2つめの州。町のカラーは、緑。緑の髪・緑の瞳の人は、この辺りの出身。エキャルラット州との境めの町トント・国内最大のメラホリ湖・大樹沿いのガリゾーントの町・アトス山・港町トロミロス・カイチェットの森がある。
【オルデン】( オルデン=スペイン語・秩序 )
オーダーメイド服店 ジェンフに勤めている青年。21歳 / 男 / 170cm / 色白 / 彼女なし / 紺の髪 / 深緑の瞳 / 釣り目なのに優しい雰囲気の人。
【ジェンフ】( ジェンフ=中国語・征服 )
オーダーメイド服店の店主 / 56歳 / 男 / 179cm / 深緑の短髪 / 黒目 / 紳士のような恰好と姿勢
次回‥ワング商店への納品と、しばらくの宿へ・・・




