21瓶 答え合わせの手紙
あの問題児くんの薬が 毒を与える物 と知り、手紙でアルドル商館に注意喚起する。こっちで、何で?って頭を傾げずとも‥きっと原因を突き止めてくれるはず。
そして洞窟では、帰りほど‥気を付けないと危険と知りました・・・。
‥洞窟では、危うく大怪我になる所でした。
カラコゥ に追いかけ回されて中々、町へ戻れませんでしたけど…。
沢山 倒したので殻が大量です。ギルド内店で売ろうと思って。
カウンターから本棚の方へ向かい、その横のアーチの奥に、売買 出来る場所がある。一番 手前が、薬 関連・真ん中が 素材・奥が 雑貨を売ってる。さらに‥その奥は…おトイレ。この世界では『手洗い所』だけど。
今回は、素材なので‥真ん中のお兄さんの所だ。
「いらっしゃい‥何か売るの?」「はい…カラコゥの殻を‥いくつか」
「‥ちょい待って。片付けるから」そう言って、今までカウンターに乗ってた‥素材が一旦、箱の中へと片付けられた。どうぞ・・って感じになったので・・出す。
狭い鞄から、大きな殻が出た事に 驚く兄さんに、苦笑いするしか出来ないよ・・こっちは。あんまり、小さいのが無くて・・大きいのばかり。
カウンターに3つも出せば‥いっぱいになってしまう。
「…なっ・・」お兄さん・・固まっっちゃった・・・。おーーぃ・・
両側の店員も、周囲に居た人達も、フロアに居たはずの冒険者たちも・・なんか、皆さん来たのですけど? え・・ザコ敵だよ? あぁ、大きいのが‥珍しいのかな?
「‥ガイルくん…仕事しないと・・」と薬売買 担当のおじさんが、お兄さんの肩をトントンしてる。「おい?どうした?」「何かもー・・凄いな・・」
「君が、これを持ってきたのかな?」どこから来たのか、背の高いおじさんが、声をかけてきたので、そうです・・と答えると「もう一度‥仕舞って、2階へ来てくれる?」と言うから、すぐさま仕舞う。
「うん。じゃあ、ガイル…君も来なさい」「‥ハッ はい・・」
カウンターのある部屋から、入口の正面に在ったらしい‥階段を上り、最初の部屋に入る。ただの部屋なだけだ。家具も‥何も置かれていない。
「君、売りたい‥カラコゥの殻を全部・・出してみてくれるかい?」
私は頷き…窓側の壁に、大きな殻から出していく。この殻‥めちゃくちゃ軽いので問題 無し。腰を痛めません。え? そういう問題じゃない??
最初の4個が、かなり大きくて、そこから5個が 一般的な大きさ…だと思う。その後は10個くらいが‥やや小ぶりという感じで‥出していく。
売りたいのは、これで全部だ。私‥今 この殻…どうにも出来ないし。
一応・・凄く小さめな掌サイズが数個‥残ってるから、もし‥錬成 出来るようになれば、その時は・・それで、錬成しようと考えてる。
「出せました」
「…凄いねぇ・・。これ・・誰かに頼まれて、売りに来たのかい?」
「え? いいえ」
「ふむ。では、これは…君が全部‥倒したのかい?」「はい…」
・・・何だろうか? 全部を説明してくれる人、居ないんだよね‥この世界。
「じゃあ、ガイル‥査定してごらん。その間に、お金は用意しておくから」
「…はい・・マスター・・」
マスター? 師匠? あー・・もしや、ギルド長なのかな?さっきの人。
若干、動き方とかが‥オネエっぽかったけど・・気のせい?
「…」
私は邪魔になりそうだったから、部屋の入口に近い‥壁の隅に居た。
大きさや、艶 加減、・・あとは‥‥何を見てるんだろう?
・・ん? 階下が、騒がしいみたいだけど・・・どうしたのかな?
『じゃあ、外しておいて‥』『了解しました』
さっきの人の声と、男の‥あぁ。冒険ギルドのカウンターに居た 人の声だ。階段を上って来る音がする頃には、お兄さんは‥神妙な顔つきになっていた。
「ガイル? 出来た?」 「はい‥」と、耳打ちしてる。
「‥そうね、妥当だね…。じゃ、あなたは売り場に戻って」「失礼します」
私の方にもお辞儀して、お兄さんは戻っていった。
「じゃあ、今回のカラコゥの殻は・・全部で、小金貨 8枚よ」
・・「えっ?!」 8万?! びっくりし過ぎて固まってる私を見て『あらやだ』ってな顔して「何?商人になりたて⁈ 相場くらいは、把握しておくものだよ少年」
・・・すみません。鑑定しても・・金額、出ないもんで ( 言い訳 )。
「はい。じゃあ、また何か売りたいのあれば、いつでも どうぞ」
・・はい。お辞儀をして、部屋を出る。
階下に降りて行くと、今まで‥冒険者のボードに、貼られていたはずの…カラコゥの討伐 依頼が、無くなっていた。狩り尽くす事は、出来ないと思うけどねぇ・・。
あ・・そうだった。ギルドのお姉さんに、お風呂を借りたい 事を伝えると、手洗い所の奥の道から、2階へ上がれば・・在る・・らしい。2階?
「必ず、鍵は かけて から使ってね。乾かすのは、どっちでも良いわよ」
それから、これからは‥断らなくても良いって。
・・しかも、1度でも仕事してれば‥タ ダ ♪
なので、さっそく…お風呂を借りた! や~‥久々の・・お 風 呂 !
ややテンション高い私ですが、お風呂場は5か所くらい在るけど‥奥~のお風呂に入る。中の様相は、アルドルの商館と同じ感じ。一応、サポーネとタオルは、ある。セーカは 無かった。
お湯が出てのも一緒。手桶は‥無いようですが・・
ふっ ふっ ふっ 貰い物の、手桶 あるもんね!
洗い場も、ここは広かった。お風呂用のイスは無いから、床に直接 座るしかないんだけど・・。それでも、今までは‥こういう風に座る事も出来ず、ユニットバスのように、風呂用 盥の中で、洗ってたから・・。
入れるだけで、有難いけどね…。あー・・いい お湯ですなぁ・・
セーカも持ってるので、乾かして出る。
・・服を洗濯して乾かしてって所で、再確認。
ズボン…これは、割くなりして、ウエスにでもして使う以外 無いくらいに、ボロボロになってます。はぁ~…
帰りに、雑貨‥じゃなかった。よろず屋さんに寄ろうかな。防具・・在るようには見えなかったけど‥。他にも、数本 ズボンを買っておいて、良かったと‥今は思ってる。元々 履いてた、ショートパンツも在るから‥まぁなんとか。
ギルドを出ると、もう夜になっていた。よろず屋さんに寄るのは、明日になってからにして、酒場の入口から入った。今日は、遅いからか・・いっぱいだ。
「おーい 少年! 席、空けておいたぞ!」と店主が呼ぶ。
「ぁ・・ありがとうございます!」良かった。座れて。
今日は・・下から3番めの・・と言うと「本当に毎日‥順番に食うのか?」と、やや呆れ気味に言われる。
「どれが、何か‥ちょっと分からないもんで‥」と 言うと、そういうのは店主である、自分に聞くのが早いって言われた。それも そうか。
でも、店主が一番 忙しそうなのに聞くのもな‥と、遠慮してしまうのだよ。
今日の晩飯は・・『フー ザウラとユイ ドフダーの串焼き』何かの肉と何かの肉・・なのだろうけど、四角い切り身なせいで…分からず。
毎度 恒例・・何!?・・若干、もう飽きたんだけど?この下り。
「フーザウラは、ザウラ種の小さいやつだな。ユイドフダーは、歌うのがやっかいな魔物だぞ」・・・店主の説明 聞いても‥結局…よく 分 か り ま せ ん でした。
噛みついて食べる。フーザウラの方は、やや硬い。弾力があると言った方がいいのか? ちょいパサついてる。ユイドフダーの方は・・柔らかい お肉で、食べやすかった。美味しいよ。
・・鑑定・・・先に やれって?
だって、先にやると・・・食べないかもじゃん。
…なるほど・・フーザウラは、トカゲさん だったらしい。
そんで、ユイドフダーってのは、大きめのカエルさん だそうです。
・・・初めて食べたわ・・トカゲも、カエルも。個人的には、爬虫類が好きなので‥なんだか、可哀そうな気分になりますけど・・。お腹空いてたら‥焼いて食べそうね・・普通に。
・・そんなものですよ…人間なんて。
今日は…お風呂も入れたし、買取してもらって‥凄い額になったし。
…門 開くの・・まだ なのかな? 明日は、どうしようか?
‥そろそろ、雨が降りそうな予感がしますが・・・。
うーん。明日、晴れたら・・森へ行って、本に載ってた素材 集めしたいね。
でも、もしも雨だったら・・・部屋で錬成‥かな。錬成は…良いのかな?ダメかな?
なんとなく、止めておいた方が‥良さそうな気がする。ギルドの上の部屋‥どっか、借りれないかな? 森へ行った時に、錬成‥でも良いけど・・・。
さて、そろそろ眠ろう。おやすみ・・。
翌日は・・快晴でした。あぁ‥そうですか。晴れですか。
服を着替えて酒場内で、朝食を取りながら…冒険者達の話を聞いてた。
…あのピグロ毒薬は、アルドルの商館 経由で注意喚起され、回収されたらしい。それから、作った本人は‥家に閉じこもってるんだって。
「傷薬作って、毒薬作るとか‥逆に、すげー才能じゃね?」
「それなら傷薬なんて、書かないで欲しいぜ」「だな~」
ですね・・・。でも、傷薬かどうかは、材料で決定してると思うので、本人には‥どうしようも無いと思いますけど。でもなんで、彼の傷薬だけ・・毒なんだろ?
変な物・・余分に入れた…とか? ホント…謎。
謎は深まるばかり‥って言いたくなるよ。
家に閉じこもってるって。・・・珍しく、反省したのかな?
一応、ギルドで依頼・・確認してから行こう。
ギルドに入ると、朝は‥まばら。依頼ボードを見上げてると…いつものお姉さんが、声をかけてきた。何だろうと思ったら、どうやら‥アルドルの商館から、お手紙が届いたから・・と、手渡される。
…机の所で、座って開く。
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リモン へ アルドル商館 ギルド長・フォルス
手紙は、受け取った。
俺らの方でも確認した。
店にあった分は、回収して店主たちにも今後、ピグロの傷薬・回復薬は買取 拒否という扱いにした。
トラストの町でも、他所の国にも流さないよう徹底している。
報告に感謝する。
ピグロの薬の作り方を、確認した。
普通の低品質の傷薬だろうが、今まで そんな効果になった事は無かったからな。
確認して分かった事を、報告しておく。
ピグロ傷薬・回復薬 共に…水が、問題の原因と判明した。
ピグロは、家の水や井戸の水ではなく、そこら辺に溜まってる、ろ過もされてない汚染された水を使ってた。
この為、薬としての効果も低い為に、中で 毒に変化した と思われる。
おまえの指摘で、被害を最小限に抑えられた。
あと数日で、門は開くだろうよ。
もう少しの辛抱だ。
それから、以前に渡した物の感想が聞きたいと、こっちの奴らが煩いから、気が向いたら、また手紙くれや。
ではな。
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・・・なるほど。 水・・・って、そんなの…汚いに決まってるじゃん!
いや・・普通に考えても、何が入ってるか…怪しいのに…。見えないからって‥ねぇ? ヤバい…あの子。‥‥でも、対処してくれたみたいで良かった。
ギルド長の名前、フォルスって言うんだ‥。初めて知った。
手紙の書き方が、独特だな。
こういうモノなのかな? それとも、ギルド長だけ? 他の人と‥やり取りしてないから、何とも判断出来ないのが難点。まぁいいか。
門は、あと数日か・・・。
まだ、かかりそうだね。とか言って、明日 開いたら笑うけど。
また、便箋‥買わないと。けっこう、お高いんだよ~‥紙。
・・自分で作りたい気持ちになりますね・・。
・・・感想。スコップとか、ハサミとか・・寝袋とか使ったね。
食器とかマットは‥あんまり。矢は、まだ大丈夫。瓶は新しいのが、欲しい所ですけど。売ってるかな? あとで寄って行こう。昨日‥寄れなかったし。
依頼は・・あれ? 赤い紙に・・え? ヘボコ岩? そんなの在るの?
・・普通の ドロドロした感じの石 と表記されてるのは、瓶に入った状態の絵になってるけど、この『岩』って付いてる方は・・固形化してる物みたい。
手に入ったら‥にしよう。あとは、水静石とか。あれ?これも2瓶ってなってる。そういえば森へ行った時に、池すら‥見なかったけど・・。どこに在るんだろ? 捧樹に、薬入れたら…答えてくれたりしないかな?
それから、花・・。これも見てないなぁ・・・。
あ・・これは、持ってる。カルボン石‥100個?! 今‥いくつある?
・・・残念。5個ほど足りません。って、けっこう持ってたな・・。
これも保留だ。さて、よろず屋に寄って‥防具・矢‥その他、見ようっと。
【ガイル・ラベク】(ガイル・ラベク=アラビア語・不屈)
トラストの町・ギルド内の店で、素材 買取担当として働いている。実はアルドルの町のとある店から、出たくて‥こちらで『修行』という形になっている。紺の髪 / オレンジの瞳 / 18歳 / 男 / 180cm / 彼女なし
【フーザウラ】
(フー=フランス語・火/ザウラ=ギリシア語・トカゲ) 低級生物。掌くらいに小さな体だが、肉付きが良い。脂がのってるので、食べると攻撃力が上がったり、炎耐性が付いたりする食材。自身がピンチになると、火を吹くので注意。素材*切り離された尻尾/フーザウラの肉
【ユイドフター】
(ユイ=中国語・雨/ドフター=アラビア語・カエル) 低級魔物。雨を呼び、ヒルドーを呼び寄せる、人の腹の幅くらいの横広なカエル。緑の体に黒い文様がある。ガマガエルに近い。歌い出す前に倒さないと、次から次にヒルドーを呼ばれ続ける事になるので注意が必要。※ヒルドーからユイドフターを呼ぶ場合もある。ジャンプからの圧し掛かり、舌攻撃、様々な歌で各能力を下げる。素材*ユイドフターの肉・魔石(歌)
【ピグロ毒薬】傷薬‥とは呼べないからと、その呼び名になった。本人は不服だろうけど。
次回‥なかなか開かない門。森での採取へ行ってきます。新しい素材と・・・




