11瓶 爆発騒ぎ と 薬草
北の森と言う名の雑木林で素材を採取し 丸い地面が見える所を傷薬廃棄で埋める。
ケントニス店でお礼を言われるが、薬草は使ってないのにな・・と思うのだった。
早朝。
何やら 騒がしい人の声で、目が覚めてしまった。まだ、カーテンの外は暗く、薄ぼんやりと‥明るくなってきたかな?というくらいの時間なのだ。
着替えて、鍵も閉めてから‥階下へ降りると、他の人も‥多くが眠そうな顔で、店主と話をしていた。
とその時、町の奥から大声が聴こえてくる・・・何?・・
『こっちに行ったぞ!』『早い所、捕まえろ!』『待てーー!!』そんな声が、宿屋から見える道を・・兵士が何人も、誰かを‥追いかけて走って行ったのが見えた。
「おいおい、朝から‥なんだって、こんなに‥うるさいんだ?」
「あぁ、何か町に入り込んだんじゃないかって」「魔物か?!」
「みんなも起きちまったみたいだな・・。朝飯の支度‥今してっから‥もう少し待ってくれや」と店主。
自分たちよりも‥早く起きた人達が 話す事を、まとめると・・・・。
まだ暗い頃に、町の西側で ドンッ と、大きな音が鳴った時に起きたみたい。その後、人の走る音が聞こえたけど・・小さな生き物なのか、重量のあるような音では無かったから、すぐに納まるだろうと思って、眠ろうとしたのだそう。
だけど、それは・・魔物ではなく、人のようで‥兵士たちに、追いかけ回されてるらしい。未だに捕まってないみたい。爆発騒ぎの直後に、兵士が来て・・「宿から 出ないように」と言われたって。まぁ、追いかけてるのに‥他の人が居たら、間違われて捕まりそうだものね。
・・話は疑問符を浮かばせてるばかりだったので、部屋へ 戻った。
だいぶ、明るくなってきたように思う。
・・・それにしても、爆発 だなんて。
カーテンを開くと、帽子をかぶった少年が‥北の方角へと走っていくのが 見えた。なんか、見覚えある姿だったけど…兵士の動いてる方角とは違ったから。今うろつくのは、危ないのにな・・と思いながら。
宿屋の窓からは、煙は見えなかった。爆発というからには、煙でも上がってるのかな?と 思ったのだけど。なんか目が冴えちゃったので、朝食が出来るまで・・少し錬成しておこう。
傷薬や回復薬は‥多めに。でも素材を使い切らないようにして、扱いに気を付けないといけない素材は、軍手・・いや、軍手でも痺れそうだし・・どうしよ?とは思ったけど、パンッ って勢い よく 叩いて挟んだら錬成出来た。
・・勢いも大事・・・と。いや・・なんか違う気がするけど・・。
・・・・・あれれ? なんで?
・・痺れを回復する薬だけが出来る・・と思ってたのに・・・。
試験管のような細いガラス瓶にあるのが、その『パラ エキス』で、もうひとつ出てきた。えっと・・『グロム』・・・・何?
【 パラエキス 】
痺れを回復する薬。治すだけでなく数分 耐性を得る。材料・ディングル草 1本 ※扱いに注意する事・失敗すると痺れる薬になる。
・・しばらくは、痺れる事が無い・・って事よね? 耐性って付いてるし。それと、前に面白いからと買った、痺れる薬に‥失敗する となるんだって。
【 グロム 】
小さな雷を封じ込めた魔法ボム。敵に投げて 割れる と発動する。落とさないように注意すること。材料・ディングル草の蕾や花部分のみ。
・・・。
魔法ボム?!
つまりは、魔法攻撃用のアイテムって事か・・。あ・・アイテムのマークに、爆弾みたいなマークが増えた。・・魔法ボム 仕舞ったら・・。物騒なもの・・作ってしまったが・・いや、別に作りたくて 作った訳じゃないし!
・・でも、魔物に遭遇した時は・・使う と思う。
私、魔力の値は あるけど、魔法が使える感じ・・・しないし。実家は、有名な高位魔法使いみたいなのにね。まだ教わってないから? それとも、何か必要なのかな?
・・分からないね。周りで使ってそうな人も居ないし・・・。
『おーーいっ! 飯出来たぞーーー』 店主の声が 響いた。
丁度、お腹も空いたし・・頂いたら、また北の雑木林へ 行こうかな。
武具屋にも寄りたいし、服も。商館でお風呂も借りたいし・・。
昨日 買った、お風呂セット使いたい・・と、少しニヤニヤしながら、朝食を食べる。隣の席で食べてた人が、向いに座ってる人に‥話かけていた。
「さっきのは、もう終わったのか?」「さぁな。静かになったし、終わったんじゃねえか?」お互い‥情報が少な過ぎて、分からずに食べている。
奥の方で食べてる人達の声も 聞こえる。
「最近、薬草が採れないって‥話を聞いたか?」
「あぁ。俺も行ってみたが‥1本も みつから無かったぜ・・」
「薬草無いと、効果高い薬が作れないし‥。いざと言う時が困るんだよな」
・・そういえば、草や花は多かったけど、薬草は見つかってなかったね。
ディングル草は在ったけど・・。それに、あの丸い所・・・。やっぱ、この後・・見に行ってみよう。
朝ご飯を頂き、鞄を持って出かける。
ちょっと速足で・・というより、走ってみる。
・・・けっこう、早く着いたし・・そんなに、疲れてない。やはり、若いって良いわね・・なんて、思いながら。・・昨日のあの・・丸い、緑の薬で覆っておいた場所を見る。
え・・何・・この・・ヨモギみたいな草・・・?
鑑定してみると、どうやらこれが『薬草』だったみたい。
【 薬草 】
そのまま噛むだけでも、多少の怪我が治る草。全国各地に群生する。効果の高い傷薬の材料。効果・噛む/体力10 回復・お湯に入れる/体力30 回復 ※皮膚に直接貼り付けるのは、かぶれる為 やらない事。
噛む・・とか、お湯に入れる・・とか、薬効 自体はあるけど、皮膚に直接・・は、駄目なのか。湿布みたいに使えるかも!と、ちょっと思ったけど・・ダメですか。残念。でも、お湯に入れるって・・入浴剤‥みたいなイメージ? それとも、お茶みたいに飲めって事かな??
・・どっちだろ?
あ、いくつか採取して・・・そうだ! 確か、薬草の納品 依頼在ったし、自分も使いたいから・・と、20本ほど採っただろうか。でも・・まだまだ沢山ある。みなさんに教えたいね。
10本は納品して、お風呂も借りるから‥1つ・・お湯に入れてみよう。
それと、部屋に戻ったら‥錬成しよう。よしっと。・・ディングル草も、昨日より多く生えてるので採取した。早く済んだので、昨日は行けなかった‥もうひとつの、雑貨屋さんへと向かう。
んー・・ここら辺らしいけど・・・。
目の前には、焼け焦げた建物が‥外側から壊されたような 大穴 が開いていた。朝の爆発って、ココだったの?!
「少年、危ないぞ」と声を掛けられ、横を向くと・・おじさんが居る。
足元の瓦礫を避けながら「ここは、どうされたんですか?」と聞くと、今朝方‥突然 何か投げつけられて、壊れたらしい。どうやら、ここが・・私の目指してた雑貨屋さんみたい。えーーー・・。
「なんだ、客だったのか? 悪かったな・・。せっかく来てくれたのに‥」
残念だけど、仕方ないよね。「災難でしたね」と言うと、店主が奥から何か箱を持ってきた。
「俺は奥で寝てたから家族も無事だったが・・、店に置いてたのは、全滅したんでな‥。在庫は在るから、好きなの 選べ」と見せてくれる。
在庫として残ってたのは、石鹸や薬 関連、それに・・あれ?この黒いのって・・もしかして?!
これは、もしや セーカ では?!と、聞いたら・・私の勢いに、少し驚いた顔で・・「そうだ。よく知ってたな」
「商館で、お風呂借りた時に在ったので・・」と伝える。
普通は、1コ…1000R・・じゃなかった、えっと、大穴銀貨1枚くらいの高級品だけど・・半額で売ってくれるという。定価でも買えますが・・と思ったけど、安く買える時に買わないとね!と考え直して、支払う。
やった! やっと念願の! セーカ!!
・・思わず、頬擦りしそうになって、直前で気づき、鞄に仕舞う。
危ない危ない・・・。
いくつか、服も在ったけど・・・どれも、大き過ぎた。なので‥おじさんに、子供や女性用の服屋を紹介してもらい、そこへ向かう。
服屋は、今の雑貨屋さん・・バルヘルト店から南に3本ほどの横道を‥過ぎると、見えてきた。わぁ~‥オシャレな外観!
ややピンクがかってるような茶色っぽい、壁と・・上部が丸い窓ガラスに装飾が付いた壁の・・なんと言ったかな・・こういうの・・。
ドアも‥‥丸みのあるドアで・・ドアベルも優しい音が鳴った。
店員さんに自分でも着れる服は、どこですか?と聞くと、すぐに案内してくれた。
服にも値札が付いている。ポロシャツみたいなものから、Tシャツもトレーナーもある。防寒着・・も欲しいとは思うが、袖の無いダウンみたいな服もある。ズボンも・・今、自分が履いてるような・・ショートパンツだけじゃなくて、様々な種類がある。出来れば長ズボンが…欲しい。草むらに入る時に・・草で切れてしまいそうだった。傷薬をかけろ・・と書いてある時点で、使い難そうと思ってるせいもある。
帰りに、市も寄らなくては。傷薬・・改良作戦のために!
・・いえ・・今 思いついただけなんです・・。
Tシャツ数枚、長袖のシャツ数枚。ベルト1つ、長ズボン2本と、靴下長いものから、ほどほどのものと・・数本分買う事にした。それから、防寒着が‥どの程度の物が必要なのか‥分からないので、一応・・袖なしダウンみたいなのを1つ。軽く羽織れる薄手の上着を1つ買う事に・・した・・。けっこう・・多い・・・・。
途中で店員さんが、持ってくれた。度々すみませんね・・。自分の大きさ考えて無かったせいです。現代の頃は 160cm あったから・・もう少し、自分で持てるって感覚だった。今は・・そんなに持てないのね。
「靴ってありますか?」と聞くと、服はカウンターに乗せられたまま、靴コーナーへと案内してくれる。いろんなオシャレな靴が、多かった。
でも・・使われてるのが、魔獣の皮とかっぽい事に・・やや引き気味に鑑定して、長靴を発見する。一応念のために「試しに履いても良いですか?」と聞いてから、サイズを確認した。念の為に聞いた理由は・・この世界での常識と思われるのかどうかが・・い ま い ち 分からなかった から。
聞くは一時の恥 聞かぬは一生の恥・・なのだから、さっさと聞いた方がスッキリする。そして、許可もらって履いてみて、長靴1つと・・すぽっと履ける、革靴だけど・・今の高校時代の革靴よりも、丈夫そうな革靴・・こっちは、焦げ茶色のを購入する事にした。
・・女性物の靴も、どれもカワイイし、おしゃれだったけど・・。今は男装してる手前、どなたかにプレゼント・・とか言わない限りは、買いにくいと思ったので、見るだけだったよ。
全部、購入して・・大穴銀貨2枚分 近く・・飛んで行きました。
でも、これで着替えも・・そうそう下着も、男子用だけど・・買った。多めに‥替えれる方が良いもの。
鞄にすんなり入ってく事に、店員が驚いてたけど・・。そうですよね‥。でも、容量オーバーで入らない という事は、今の所‥起こってないので、まだ 大丈夫だと思う。
お礼を言って、お店から出て・・今度は、商館へ。
依頼ボードの 薬草 納品を取り受付すると、どうやら‥すぐにでも欲しいみたいで、売店の人が「この袋に入れてくれ」と持ってきた袋へ10本入れる。出かけようとしてたので「ケントニス店 北の森の入口に、いっぱい生えてましたと伝えて下さい」と言うと「何?!」と、みんなして一斉にこちらを向く。
・・間違った事は・・言って無い。
「その話、ホントか?」ギルド長が睨みをきかせてきたけど、自分はそこで、採取してきた…と伝える。「ケントニスの旦那に、知らせておけ」と売店のお兄さんに言ってから・・お兄さんは、商館を出ていった。
「じゃあ、報酬を渡すね」と、カウンターのお兄さんが言うので、向き直り受取る。早く済んでしまった。
ギルド長に言えばいいのか分からなかったが「お風呂を借りたい」と伝えると「今は誰も入らんから、勝手に使え」と言われる。奥の部屋の・・前にも使った所へ行って・・中から鍵をかける。
お湯が溜まったら・・薬草を1枚 入れる。
桶は無かったが、バルヘルト店で 木のお椀 みたいなのを見つけたので、ついでに買っておいた。ひとまず、これを桶代わりにする。手で掬うよりかは、だいぶマシだろうと思って。
自分のタオルと、お店のタオルは、色が違うので間違える事は無いが、石鹸も色違う・・。でも、セーカは同じなので、使う時に出す事にして・・まずは、お風呂に入ろう。
いや~・・気持ち良いねぇ~・・・。薬草効果は・・・
【パラ】痺れるという意味。何かの略称だったのが、定着してしまったらしい。
【魔法ボム】各属性魔法を秘めた攻撃用アイテム。通常は、専用の機材を使って作成する必要性があるが、主人公は無理やり錬成した。主に、花や蕾に そういった属性の力が多い為、扱いが非常に難しい。なお、作成に失敗すると、属性の無い爆発物になる。大きさは、片手に収まるくらい。
次回・・ギルド長の試験?!と爆発騒ぎの犯人が・・・




