第七部 ネメシスの愛
料理構成
■ 総料理長:かや
・味の最終決定
・盛り付け監修
・季節限定メニュー考案
■ グアラ
・野菜・山菜・食材管理
・森から最高状態で持ってくる
■ セラ
・優しい味の副菜・お吸い物担当
・心がほぐれる味
■ ナポリネス
・理論派、温度管理・時間管理完璧
・分量きっちり
■ イリス
・厨房機器改造
・煙出ない七輪
・熱効率200%かまど
■ レオン
・裏方
・機械調理補助
・手回し発電で停電時も安心
■ アーク
・包丁さばき無駄にうまい
・肉料理担当
■ ネメシス
・子供向けメニュー担当
・おにぎり握るの上手い
エーテルは
基本は厨房入らない。
でも──
・大切な客
・人生の節目の客
・どうしても救いたい客
この時だけ、
静かに厨房に立つ。
誰にも気づかれず
一皿だけ作る。
旅館の庭は昼下がりの陽に包まれていた。
風が木々を揺らし、湯気がほのかに漂う。
本来なら――
エーテルは客の相手をしている時間だった。
……はずだった。
縁側。
柱にもたれ、腕を組み、目を閉じるエーテル。
「……少し休憩だ」
首がカクン。
完全に寝落ち。
廊下の奥。
帳簿を持ったかやが足を止める。
「……エーテル?」
その後ろに
セラ、アーク、イリス、ナポリネス、グアラ、メクル、ネメシス、そして――
レオン(手回し発電ハンドル回しながら)。
全員の視線が庭へ。
縁側で堂々と寝ている創世神。
沈黙。
レオン「……これは省エネモードですか?」
「違う」
即ツッコミ。
「完全にサボってるな」アーク
「業務放棄ですね」イリス
「神である前に従業員だ」ナポリネス
レオンが手回しを止める。
「私はエネルギーを生み出しているのに…創世神は夢を生み出している…」
「うまいこと言ってる場合じゃない」
ネメシス小声。
「父上……かわいいけど怒られるやつ……」
かや、静かに庭へ。
足音を殺して背後へ。
耳元で。
「エーテル?」
「……ん?」
「今、何してた?」
「……宇宙の調律」
「嘘つかない」
デコピン。
「いだっ!!」
一瞬で覚醒。
目を開けた瞬間、全員集合。
「……あ」
「サボってたよね?」(かや笑顔)
「これは創生神の高度な――」
「旅館に不要」
「減給」
「給料ないけど」
「精神的減給」
エーテル崩れ落ちる。
「世界救った実績どこいった……」
そこへ子どもたち。
ルミナ「父上サボり神〜!」
ミラ「撮るね!」
ルーク「掲示板行き!」
レオン「証拠映像は私が保存しましょう(股間からカメラ出現)」
「やめろぉぉぉ!!」
かや腕組み。
「平和だから気抜けてるんでしょ?」
「お客さんもう待ってるよ?」
「え、今!?」
「さっきから」
「うわぁぁぁ!!」
エーテル全力ダッシュ。
残された一同。
セラ「創世神の威厳とは」
グアラ「ないね」
メクル「むしろ売り」
アーク「だが嫌いじゃない」
レオン手回し再開。
「この旅館、エネルギーより笑いが発電されている…」
ネメシスにこにこ。
「父上最高」
夕方。
旅館の玄関に、大きなスーツケースを引いた外国人観光客が立っていた。
キョロキョロ。
完全に迷子顔。
そこへ――
庭から戻ってきたエーテルが遭遇。
「……ようこそ?」
外国人(目キラキラ)
「オォォー!ニーホン!サムライ!ニンジャ!ホットスプリング!」
「情報が戦国で止まってるな」
かやが帳場から顔を出す。
「エーテル、接客お願いね」
「了解」
創世神、国際交流モード突入。
外国人
「アイム・ファースト・タイム・イン・ニーホン!」
「初ニーホンか。歓迎する」
「ユー・オーナー?」
「一応、宇宙の創設者だ」
「オォ…ビジネスマン?」
「そういうことでいい」
ロビーでお茶を出す。
エーテルが急須を持つと、完璧すぎる所作。
外国人感動。
「ビューティフル・サムライムーブ!」
「ただの湯のみだ」
「ニーホン人、ベリーポライト!ベリーピース!」
「まあ争いは嫌いだな」
(宇宙戦争終わらせた本人)
温泉の説明。
「この後、風呂だ」
「フロ!?イン・ルーム?」
「全裸で共同だ」
「……ゼンラ?」
一瞬フリーズ。
「エブリワン?」
「老若男女」
「……カルチャーショック!!」
そこへレオン通過。
股間からタオル出しながら。
「私は防水仕様です」
外国人目を見開く。
「ロボット!?ニーホン・テクノロジー・クレイジー!!」
「うち基準だから気にするな」
アークとナポリネスも通る。
外国人ヒソヒソ。
「あのファミリー…モデル?」
「だいたい神だ」
「ニーホンやばい国だね!!」
夜。
布団を見る外国人。
「ベッド、ナッシング?」
「床で寝る」
「ハードコア文化ァ!!」
「慣れると最高だ」
翌朝。
外国人、正座チャレンジして足死亡。
「マイ・レッグ・イズ・ゴーン!!」
エーテル真顔。
「それがニーホンの洗礼だ」
帰り際。
「ディス・トリップ・ベスト・オブ・マイ・ライフ!!」
「また来い」
「アイ・ラブ・ニーホン!」
「俺もだ」
かや小声。
「ちゃんと神って言わなかったね」
「バレるとめんどい」
レオンが最後に一言。
「次は充電式外国人対応モードを搭載します」
「いらん」
朝の旅館。
エーテルの周りでいつもの膝争奪戦が起きる前に、異変が起こる。
ルミナが叫ぶ。
「ネメシスいない!!」
庭を見ると――
子供たちに囲まれてるネメシス。
手をつながれる
抱きつかれてる
頭なでなでされてる
完全に保育士状態。
子供A
「ネメ兄〜!」
子供B
「こっち来て遊ぼ!」
子供C
「一緒に鬼ごっこ!」
ネメシス(困惑しながらも優しい)
「ちょ、ちょっと待って…順番……」
エーテル遠くから眺めて一言。
「……天性の好かれ体質だな」
かや腕組み。
「放っておくと誘拐されそう」
ネメシス、しゃがんで目線を合わせる。
「走ると転ぶから気をつけてね」
「はい!」
「手、離さないで」
「はーい!」
完全に理想のお兄ちゃん。
その頃レオン。
「私も人気者になります」
子供たち一瞬見る。
「……ロボだ」
去っていく。
レオンしょんぼり。
昼。
ネメシスが肩車大会開催。
子供たち大歓声。
「たかーい!!」
「空飛べそう!!」
ネメシス汗だく。
「ちょ、重……いや大丈夫!」
(戦争よりキツい)
おやつタイム。
ネメシスが一人一人にお団子配る。
「喧嘩しない、仲良く食べる」
子供たち一斉にうなずく。
エーテルぽつり。
「俺より統率力あるな」
夕方。
ついに限界でフラつくネメシス。
エーテルが抱き上げる。
「お疲れ、人気者」
ネメシス小声。
「父上……助けて……」
子供たち大騒ぎ。
「ネメ兄どこいくのー!」
「また遊ぼー!」
ネメシス手振る。
「また明日ね!」
部屋に戻ってぐったり。
「なんであんなに好かれるんだ…」
エーテル笑う。
「優しさが滲み出てるからだ」
かやニヤニヤ。
「天使系末っ子だね」
ネメシス顔真っ赤。
庭で相変わらず子供たちに囲まれてるネメシス。
鬼ごっこで走り回り、肩車して、汗だく。
子供の一人が言う。
「ネメ兄ってずっとこの姿なの?」
ネメシスきょとん。
「え?」
「大人になったらどうなるの?」
周りの子たちも興味津々。
ネメシス少し考えてから照れつつ言う。
「……見せても、怖がらない?」
「見たい!!」
「ヒーローみたいなのがいい!!」
「強そうなのがいい!!」
エーテルが縁側からぼそっと。
「宇宙仕様いくか」
ネメシス深呼吸。
「じゃ、ちょっとだけだよ」
ふわっと光がネメシスを包む。
背が伸びて
肩幅が広がって
顔つきが大人びて
宇宙時代の戦神クラスの姿に変化。
優しさはそのままなのに、完全に守護者オーラ。
子供たち一瞬シーン……
次の瞬間。
「かっこよすぎ!!!」
「映画の人みたい!!!」
「ヒーローじゃん!!!」
怖がるどころかテンション爆上がり。
ネメシス慌てる。
「え!?こ、怖くないの?」
子供A
「むしろ最強じゃん!」
子供B
「このまま一緒に遊ぼ!」
子供C
「悪者きたら倒して!」
ネメシス困り笑い。
「走るときはちゃんと手つないでね」
その大人姿で手つなぎ鬼ごっこ。
完全に守護神。
遠くで見てるエーテル。
「……大人になっても保育士だな」
かや笑いこらえてる。
「むしろ人気加速してない?」
その後、村のお母さんたちまでざわつく。
「え、誰あのイケメン」
「旅館にあんな人いた?」
「モデル?」
気づいてネメシス慌てて子供姿に戻る。
「ちょ、ちょっと静かに!」
子供たちブーイング。
「戻すなよー!」
「大人ネメ兄の方がかっこいい!」
ネメシス顔真っ赤。
「そ、そんなに言われると困るんだけど…」
エーテル肩ポン。
「もう手遅れだ、人気が二段階進化した」
ある日、旅館の前に貼り紙。
「一夜限りの幻想祭 ― 天使と悪魔の宵」
かや発案だった。
「せっかく人も増えてきたし、思い出になるイベントやろうよ」
問題は衣装。
レオンとイリスが本気出した。
羽は軽量浮遊素材
角は感情で光る
ドレスもスーツも異常に完成度高い
もはや舞台衣装レベル。
配役はこうなる。
エーテル:堕天使(白黒の翼)
かや:純白の大天使
セラ:静かな天使
アーク:戦闘系悪魔
ナポリネス:知略悪魔
グアラ:癒し天使
メクル:引きこもり系闇天使
レオン:機械悪魔
イリス:発明悪魔
ルミナ:ちび天使
ネメシス:小悪魔→大悪魔切替式
開幕と同時に旅館パニック。
「ここ天国!?地獄!?」
「テーマパーク超えてる!!」
「衣装の完成度バグってる!」
かやが天使スマイルでお出迎え。
「ようこそ、幻想祭へ」
これだけで宿泊客が昇天しかける。
エーテルは低い声で堕天使モード。
「……魂、預かろうか?」
子供泣くかと思いきや、
「かっこいいいい!!」
写真大会始まる。
ネメシスは小悪魔姿でお菓子配り。
「いたずらされたい人〜?」
子供も大人も群がる。
途中で大人姿悪魔に変身。
悲鳴→歓声。
レオンは尻尾から煙出したり
イリスは翼から火花出したり
完全にアトラクション。
夜のクライマックス。
中庭で光の演出。
天使組が空中に浮き
悪魔組が闇の翼を広げる。
まるで神話ショー。
客たち大合唱。
「毎年やってくれ!!!」
「ここ泊まるために来年も来る!!」
イベント終了後。
売上過去最高。
予約半年待ち。
エーテルぽつり。
「……旅館やるつもりがテーマパークになってないか?」
かや笑顔。
「いいじゃん、みんな幸せ」
そして裏で。
ネメシスだけ疲労困憊。
「人気って……体力削るね……」
エーテル頭なでなで。
「よく働いたな、小悪魔」
幻想祭の翌日。
旅館の前に異変。
開店前なのに行列。
しかも全員スマホ構えてる。
理由は一つ。
悪魔ネメシス。
昨日の写真と動画がSNSで爆散。
「小悪魔が尊い」
「成長形態イケメンすぎ」
「ここどこの宿!?行く!!」
トレンド入り。
ネメシス本人は知らずに中庭掃除。
そこへ――
「きゃああああああ!!!悪魔様!!!」
悲鳴というより歓声。
一斉に駆け寄る宿泊客たち。
プレゼントの山。
手紙の山。
差し入れの山。
ネメシス困惑。
「え……え……なにこれ……?」
一通の手紙を読む。
『あなたの笑顔に心を奪われました。
もしよければ一緒に写真を……』
さらに。
『結婚前提でお話したいです』
『住み込みでもいいです』
『悪魔様のためなら魂売ります』
エーテル吹く。
「魂売るな」
かや大爆笑。
「モテすぎでしょネメシス!」
ネメシス顔真っ赤。
「ち、違うから!昨日の衣装効果だから!」
だが問題発生。
宿泊客が悪魔ネメシス指名接客を要求。
・一緒に庭散歩
・お茶担当
・写真撮影
・チェキ欲しい
完全アイドル状態。
エーテルぽつり。
「……俺の旅館、ホストクラブになってない?」
しかも一部の女性客が火花散らす。
「私の悪魔様よ」
「昨日一番近くで写真撮ったの私」
「先に話したの私ですけど?」
空気ピリピリ。
ネメシス怯える。
「こわい……」
そこへルミナ登場。
腕を組んで宣言。
「ネメシスはうちのだから」
場が凍る。
「え?」
「え???」
「うちの????」
ルミナさらっと。
「家族」
さらに追撃。
「毎日一緒に寝てる」
(※添い寝)
宿泊客、精神崩壊。
ネメシス顔真っ赤で叫ぶ。
「誤解を生む言い方しないで!!」
その夜。
エーテル会議。
「人気はありがたいが、恋愛戦場はまずい」
かやうなずく。
「修羅場になったら旅館壊れる」
対策決定。
ネメシス接客はイベント時のみ
通常日は子供姿限定
写真は予約制
翌日発表。
悲鳴と歓声半々。
それでも去り際の宿泊客が言う。
「来年も悪魔様に会いに来ます」
「一生推します」
ネメシスぐったり。
「人気って怖い……」
エーテル肩ポン。
「スターの宿命だ」
かやニヤリ。
「でもさ、悪くないでしょ?」
ネメシス小声。
「……ちょっとだけ嬉しい」
悪魔ネメシス人気が落ち着き始めた頃。
一人の客だけ様子がおかしかった。
目が……ガチ。
ネメシスがお茶を運ぶと、
距離が異常に近い。
手を掴もうとする。
肩に触れる。
息が荒い。
「可愛い……近くで見たい……」
ネメシス後ずさる。
「や、やめて……」
ついに腕を強く掴む客。
「少しくらいいいでしょ!」
空気が凍る。
宿泊客ざわざわ。
その瞬間。
スッ……
影が前に出る。
アーク。
低い声。
「そこまでだ」
客が睨む。
「何よあんた!」
次の瞬間。
アークが指一本で手首を掴み返す。
力は入れてない。
だが動かない。
アーク静かに。
「触れる許可は誰も出していない」
「退け」
殺気ゼロなのに圧がやばい。
客の顔が一瞬で変わる。
怒り → 驚き → 動揺 → ときめき。
「……なにこの人……かっこよ……」
手を離されるとフラつきながら呟く。
「守ってくれるタイプ……?」
周囲ポカーン。
ネメシス「え?」
客、顔真っ赤で小声。
「さっきの人……名前は……?」
アーク無表情で去ろうとする。
その背中に――
「待ってください!!」
「あなた強いし優しいし最高です!」
「付き合ってください!」
アーク困惑。
「……は?」
エーテル遠くから腹抱えて笑ってる。
「おいアーク、ネメシスの盾がファン増やしてどうすんだ」
かやも吹く。
「守護者がモテ始めたんだけど」
ネメシス安心しつつぽつり。
「……ぼくより人気出てない?」
その後。
ネメシス推し
アーク推し
両方推し
の三派閥が旅館に誕生。
しかもあの乱暴客は完全にアーク沼。
毎朝フロントで待ち伏せ。
「おはようございますアーク様!」
アーク疲弊。
「なぜ俺なんだ……」
エーテル肩叩く。
「血筋だ。モテ遺伝子」
ネメシス小声。
「助けてくれたのは嬉しかったけど、増殖してる……」
まだ空が薄青い早朝。
鳥の声だけが響く庭。
アークは一人、黙って竹刀を構えていた。
上半身は脱いでいる。
汗が肩から背中を伝って流れ落ちて、
筋肉が朝日に照らされて浮き上がる。
スッ……
ブンッ!!
風を裂く音。
一切の無駄がない剣筋。
「……ふぅ」
呼吸すら整っている。
まさに武神。
その瞬間。
廊下を歩いていた宿泊客が角を曲がる。
そして――見てしまう。
上半身裸のアーク
剣を振るう筋肉
朝日キラッ
時間が止まる。
「…………」
心臓がドクン。
ドクドクドクドクドクドク。
(なにこの朝……なにこの人……)
次の瞬間。
「きゅんっ!!」
その場で膝から崩れ落ちる客。
※意識はある
※魂だけ天に昇りかける
「尊い……無理……生きてるだけで罪……」
物音に気づくアーク。
振り返る。
「……?」
倒れてる客。
顔真っ赤。
目キラッキラ。
「だ、大丈夫か?」
と手を差し伸べる。
これが致命傷。
「近い!!!!」
「やばい!!!!」
「心臓もたない!!!!」
完全に昇天寸前。
そこへエーテルが縁側から見て大笑い。
「おいアーク、朝から大量キルしてるぞ」
かや呆れ顔。
「修羅場製造機じゃん……」
ネメシス小声。
「……ぼく悪魔コスプレより被害出てない?」
その日から旅館では新ルール誕生。
早朝アーク上半身禁止令
理由:
「宿泊客の心臓がもたないため」
アーク真顔。
「理不尽だ」
エーテル肩ポン。
「顔と筋肉は罪だ。受け入れろ」
そして噂は広がる。
「この旅館には朝に現れる剣神がいる」
「見たら恋に落ちる」
「生還率は五割」
完全に伝説。
ネメシスぼそっ。
「……次はぼくも鍛えよかな」
アーク即答。
「やめろ。被害が増える」
ある日の昼。
山道に大型バスが何台も止まる。
ゾロゾロと降りてくるのは――
社員旅行の団体客 約40名。
スーツ姿、テンション高め。
「山奥の高級旅館らしいぞー!」
「温泉!酒!宴会!」
旅館スタッフ一同、固まる。
かや(女将モード) 「……みんな、戦闘配置。」
エーテル 「戦闘言うな。」
役割確認
かや:フロント統括
セラ:宴会進行
グアラ:体調管理
ナポリネス:会計監視
イリス:厨房サポート
レオン:配膳&機械補助
アーク:警備兼圧抑
ネメシス:接客(人気枠)
メクル:裏で全体オペレーション
エーテル:話し相手兼トラブル処理
第一波:テンション高い幹事
「今日は無礼講でいくぞー!」
嫌な予感しかしない。
第二波:酔っぱらい出現
宴会開始一時間後。
すでに出来上がってる数名。
「兄ちゃん強そうだなー!腕相撲しよーぜ!」
アークに絡む。
アーク、無言。
エーテルが横からスッと入る。
「俺が相手しよう。」
小指だけで圧勝。
酔っ払い、静かになる。
第三波:ネメシス被害
悪魔コス衣装のネメシス。
「写真いいですか!?」
「一緒に撮ってください!」
「連絡先――」
かや、視線で制圧。
ネメシス小声。 「人気って大変……」
第四波:本気のクレーマー
一人の中年男。
「料理が遅い!」 「接客がなってない!」
声を荒げる。
空気が一瞬凍る。
エーテルが静かに隣に座る。
「どうされました?」
怒鳴る男。
だがエーテルは一切怒らない。
ただ、じっと目を見る。
静かに、丁寧に、話を聞く。
数分後。
男の声は落ち着き、最後には――
「……すまん。仕事で色々あってな。」
エーテル、ただ一言。
「ここでは、戦わなくていい。」
男、泣く。
周囲も静かになる。
宴会はその後、穏やかに。
笑い声が戻る。
深夜
団体客全員就寝。
スタッフ全員ぐったり。
レオン、床に転がる。 「充電……」
ナポリネス 「二度と団体割はやらない」
かや 「……でも、嫌いじゃないでしょ?」
エーテル、縁側に座る。
「人が多いってのは、面白いな。」
翌朝。
団体客代表が頭を下げる。
「また来ます。」
バスが去る。
静寂が戻る。
ネメシス 「……嵐だった」
アーク 「だが悪くなかった」
エーテル、笑う。
「うちの旅館は、戦場も癒せる。」
夏が来た。
山の緑は濃くなり、蝉が鳴き始め、
旅館の空気も一気に暑くなる。
縁側でだらけるエーテル。
「暑い……宇宙の真空の方がマシだった……」
そこへ――
女将モード全開のかや。
「はい却下。夏は稼ぎ時です。」
夏限定イベント発表
かやが張り紙を掲げる。
《夏祭り温泉リゾート開催》
・昼:川遊び&水着OK
・夜:縁日+花火
・特別:露天プール開放
一同「え?」
ネメシス 「水着……?」
アーク 「プール……?」
ナポリネス 「経営戦略として完璧だな」
エーテル 「俺の安眠はどこいった?」
そして水着準備
イリスがなぜか最新素材で作った特注水着を配る。
動きやすい
破れない
神でも透けない
レオン 「科学の結晶だ」
男子側
アーク:筋肉が凶器
エーテル:無駄に完成された体
ナポリネス:知性系細マッチョ
ネメシス:中性的で反則級
宿泊客、ざわつく。
「モデル来てる?」
「この旅館何者?」
女子側
かや:大人の女将オーラ+水着破壊力
セラ:清楚なのに強すぎる
イリス:近未来スタイル
グアラ:健康美
メクル:恥ずかしそうで逆に強い
視線集中。
プール開放
客が入る前から空気が異常。
エーテル小声。 「これ旅館じゃなくて戦場だろ」
そして事件は即起こる。
・水に入った瞬間にネメシス囲まれる
・アークの腹筋撮影会始まる
・かやにナンパ敢行→即失神
エーテル、頭抱える。
「夏イベントって聞いてたけど戦争イベントじゃねぇか……」
その時。
子供たち(ルミナ・ミラ・ルーク)が
巨大ウォータースライダーに向かって叫ぶ。
「いこー!!!」
エーテル 「待てそれ速度制限超えてる」
ドボォォォン!!!
水柱が上がる。
宿泊客拍手。
かや、満足そう。
「大成功ね。」
エーテル 「俺の胃が犠牲になってるけどな。」
《第一回 水着大会&人気投票》
縁側に特設ステージ。
かやがマイク持って宣言。
「宿泊客の皆さんの投票で、
今年の“夏の顔”を決めます!」
景品:
無料宿泊券
女将特製フルコース
エーテルの人生相談1時間(地味に人気)
出場者発表
まずは順当に――
アーク登場
腹筋が反射で光る。
客「キャーー!!」
エーテル登場
無駄に完成された神ボディ。
客「いや彫刻?」
ナポリネス登場
知性系スマート水着。
客「教授なのに色気あるの反則!」
女子陣も次々登場
かや・セラ・イリス・グアラ・メクル
もう会場がカオス。
エーテル(小声) 「もうこれ誰が勝ってもおかしくねぇな」
そして最後
かやがニヤッと笑う。
「最後の出場者は……ネメシス!」
ネメシス 「え?」
イリスが無言で差し出す――
フリル付き・女物水着(しかも似合うやつ)
ネメシス 「ちょっと待て!?聞いてない!!」
女物水着ネメシス降臨
中性的な顔
細い身体
絶妙なライン
完全に“刺さる層フルクリティカル”。
一瞬、沈黙。
次の瞬間――
客「え、天使?」
「いや女神?」
「守護したい」
「推し確定」
アーク 「……終わったな」
エーテル 「勝負にならん」
ナポリネス 「市場破壊兵器だ」
投票結果
・ネメシス:票箱あふれる
・他全員:普通に多いけど霞む
かや集計中に笑う。
「これ……圧勝どころじゃないわ」
優勝:ネメシス(歴代最多票)
拍手と歓声が旅館揺らす。
ネメシス真っ赤。
「お前ら……見る目おかしいだろ!!!」
エーテルが肩に手を置く。
「現実を受け入れろ。
お前は“夏の象徴”になった。」
その日から――
ネメシス写真撮影会発生
ファンクラブ誕生
グッズ欲しい客続出
旅館の売上爆増。
かや満足。
「経営的には大成功ね。」
エーテル頭抱える。
「うち何の旅館だっけ……」
夜。
旅館の庭先。
縁側に並んで、みんなは手持ち花火。
ぱち、ぱち、と小さな音だけが響く。
ルミナは線香花火をじっと見つめて、
ミラとルークは「落ちるなよ」と小声で応援してる。
ネメシスは火花が指に近づくたび、ちょっと身を引く。
アークは無言で、でも最後まで火を消さずに持っている。
かやは少し離れた縁側に座って、
その光景を静かに眺めていた。
その裏。
庭の奥、誰も見ていない場所で
エーテルは一人、火をもらう。
小さな火種を、
手のひらに乗せた花火玉にそっと近づける。
「……夏だな」
それだけ言って、
火が走った瞬間、軽く空へ放る。
ドン。
夜空が、ひらく。
一発だけ。
派手すぎない、でも深く広がる光。
金と青がゆっくり重なって、
少し遅れて、音が山に返る。
みんな、同時に顔を上げる。
「……なに、今の」
ルークが呟く。
ミラは何も言わず、ただ見てる。
ネメシスは驚いて、でもすぐに目を逸らせない。
アークは腕を組んで、静かに空を見上げる。
手持ち花火の小さな光が、
一瞬だけ影になる。
エーテルはもう、そこにいない。
縁側に戻ると、
何事もなかったみたいに腰を下ろす。
かやだけが、ちらっと横を見る。
「……やったでしょ」
「まあな」
それだけ。
夜空にはもう何も残っていない。
煙も、音も、すぐに消える。
でもその余韻だけが、
しばらく誰の口も重くしていた。
ネメシスが、ぽつり。
「……来年も、ここでやる?」
エーテルは少しだけ間を置いて答える。
「生きてりゃな」
かやが、静かに言い直す。
「いるでしょ。みんな」
エーテルは苦笑して、
もう一度、線香花火に火をつけた。
パチ、パチ。
小さな夏の音が、また戻ってくる。
花火のあと。
夜風が少し涼しくなってきて、かやが手を叩く。
「はいはい、冷えてきたしお風呂入ろ」
その一言で一斉に動き出す一行。
大浴場・男湯サイド
エーテル、アーク、ナポリネス、レオン、ネメシス、ルーク。
湯気もくもく。
湯船に入った瞬間、
「……生き返る」
と同時に声が揃う。
ネメシスは肩まで沈んで
「人間の文化、強すぎだろ……」と真顔。
レオンはすでに浮かんでる(なぜか仰向け)。
アークは壁にもたれて目を閉じている。
ナポリネスがふと聞く。
「さっきの花火、あれ普通じゃなかっただろ」
エーテルは目を閉じたまま。
「夏っぽくしただけだ」
「宇宙規模でな」
「細かい」
ネメシスが小声で。
「……きれいだった」
一瞬、湯船が静まる。
エーテルは何も言わず、
そっとネメシスの頭をぽんと撫でる。
大浴場・女湯サイド
かや、セラ、イリス、グアラ、メクル、ルミナ、ミラ。
湯気と笑い声でにぎやか。
「旅館の風呂ってやっぱ別格だねぇ」
「これは長居する」
「エーテルまた仕事サボってたでしょ」
「絶対さっき裏で何かしてた顔だった」
かやは苦笑。
「分かりやすいんだよね、あの人」
メクルがぽつり。
「……でも、さっきの花火、少し泣きそうだった」
セラが静かに頷く。
「懐かしい感じがした」
グアラは湯をすくいながら言う。
「創生の頃に似てた光」
かやは何も言わず、
ただ湯面を見つめて微笑む。
そのころエーテル
くしゃみ。
「誰か噂してるな」
アーク「間違いないな」
湯上がり。
みんな浴衣に着替えて廊下に集合。
ルミナたちは眠そうに目をこすり、
ネメシスはのぼせ気味でふらふら。
エーテルが自然に抱き上げる。
「はいはい」
「……あったかい」
旅館の夜は静かに更けていく。
さっきの花火みたいに、
派手じゃないけど、確かに心に残る夜。
夜もすっかり更けて、旅館はしんと静まり返っていた。
虫の声だけが障子の向こうから聞こえる。
エーテルはもう完全に夢の途中だった。
片腕を伸ばして布団の端を探りながら、無意識に何かを引き寄せる。
その「何か」は――
そっと部屋に入ってきたネメシス。
眠そうな目で小さく呟く。
「……父上……今日もがんばったから……」
本当は抱きしめてほしかっただけ。
だがエーテルは半分夢の世界。
腕に触れた感触に、
(あ、抱き枕来たな)
と完全に勘違い。
ぐいっと引き寄せて――
そのまま布団の中へ。
ネメシス、目を見開く。
次の瞬間。
ぎゅううう。
エーテルの腕がしっかり回って、
背中にぴったり胸板。
寝息が首元にかかる。
「……すー……」
ネメシス(思考停止)
(え……?
え……??)
でも、温かい。
安心する。
心臓の音が聞こえる。
しばらくして、そっと力を抜いてみようとするが――
エーテル、無意識にさらに締める。
「逃げるな……抱き枕……」
ネメシスの顔が真っ赤。
(父上……寝ぼけてるのに優しすぎだろ……)
そのまま観念して、胸に顔を埋める。
「……これでいいや……」
少しして、かやが様子を見に来て障子を開ける。
そこには、
エーテルにがっちり抱きしめられて
完全に満足そうなネメシス。
かや、無言。
数秒見つめてから静かに閉める。
「……まぁ、いいか」
ネメシスはそのまま眠りにつく。
エーテルの腕の中で、
世界一安心した顔で。
――翌朝。
旅館の庭に、鈍い衝撃音が響いた。
ドゴォン!!
縁側に転がるエーテル。
顔から地面にめり込み、魂が半分抜けている。
「……は……?」
ゆっくり起き上がるエーテル。
目の前には、
拳を握りしめて微笑む女将・かや。
笑顔なのに目が笑ってないやつ。
「おはようございます、エーテル」
「……おはよ……う?」
次の瞬間。
バキィ!!
横からもう一発。
エーテル、三回転。
「ちょ、ちょっと待て!?
俺なにした!?まじで記憶がない!!」
本気で困惑するエーテル。
かや、静かに指をさす。
縁側の向こう。
毛布に包まれて、
顔真っ赤で固まってるネメシス。
視線が合った瞬間、
ぷいっとそっぽ向く。
エーテル「……?」
「……あれ、どうした?」
かや、低い声で。
「昨日の夜、あなたの腕の中で朝まで寝てましたよその子」
エーテル、フリーズ。
「…………え?」
「いや待って待って待って」
「俺そんな記憶一切ない!!」
「てか俺は寝てただけだよな!?な!?!?」
ネメシス、小さく震えながら。
「……父上が……離してくれなかっただけ……」
追撃クリティカル。
エーテル「ちがっ……!!」
「俺は抱き枕だと思って……!」
かや「便利な言い訳ですね」
さらに一歩近づくかや。
「じゃあ聞きますけど」
「私のことは抱き枕にしたことあります?」
エーテル「…………あります」
(素直)
ドゴォォォン!!!
天に舞うエーテル。
「あるなら余計アウトです!!!!」
地面に埋まったまま叫ぶエーテル。
「不可抗力だってえええ!!」
「夢の中だったんだって!!」
かや、腕を組んでため息。
「はぁ……」
「まぁ、ネメシスが泣いてないから今回は死刑は免除します」
「重罪だけど」
ネメシス、ぼそっと。
「……また抱き枕でもいいから……」
かや「よくない」
即却下。
エーテルは土まみれで立ち上がり、
「俺の人生、無意識が一番危険なんだな……」
と悟るのであった。
翌日から――
明らかにおかしかった。
朝。
エーテルが縁側でお茶飲んでると。
すっ……
無言で隣に座るネメシス。
距離、ゼロセンチ。
肩が完全に触れてる。
エーテル「……ネメシス?」
ネメシス「ここ、落ち着く」
「父上の熱があるから」
昼。
庭で仕事してるエーテルの背中に――
ぴとっ。
抱きつくネメシス。
腕が腰まで回ってる。
エーテル「お、おい急に!」
ネメシス「離れると不安になる」
「昨日……安心したから」
遠くで見てるかや達。
(距離感バグってきてる…)
夜。
客の相談を聞いてるエーテルの横に
正座でぴったり寄るネメシス。
視線ずっとエーテルだけ。
客「……あの、お子さんですか?」
エーテル「……息子……です」
ネメシス「父上のものです」
即答。
その日の布団。
エーテルが寝転がった瞬間。
すぽっ。
横に入り込んでくるネメシス。
自然すぎて怖い。
エーテル「おい!!今日はダメだって!!」
ネメシス「抱き枕じゃない」
「ネメシスだよ」
腕を自分でエーテルの腕に絡ませて固定。
完全ロック。
「父上が安心する位置、覚えた」
「ここ」
胸元に頬すり。
エーテル(詰んだ)
翌朝。
かやが見た光景。
エーテルを枕にして熟睡ネメシス
エーテルの腕が自然に回ってる
ネメシスの顔は勝ち誇り笑顔
かや「……」
「増えてる」
ネメシス、目を開けて一言。
「父上はネメシス担当」
旅館スタッフと家族全員の心の声:
(これはもうペットじゃなくて主張強すぎる存在)
翌朝。
ネメシスが目を覚ます。
隣に――
いない。
代わりに縁側で見た光景。
ちびエーテル(小学生くらいの姿)が
ルミナ、ミラ、ルークと並んで団子食べてる。
足ぷらぷら。
ネメシス「……父上?」
声が高すぎる。
エーテル(子供声)
「今日からしばらくこっちの姿で過ごす」
「大人は危険だ」
ミラ「争奪戦から逃げたな?」
ルーク「完全に逃走だね」
ネメシス、近づこうとするが――
かやが立ちはだかる。
「そのサイズにその距離は犯罪」
ネメシス「……ちっ」
こうして始まる
ちびエーテル避難生活
・移動は常に子供チームと一緒
・手を繋ぐのはルミナとミラとルークのみ許可
・ネメシスは三歩後ろ
庭で鬼ごっこ。
ちびエーテル爆速で逃げる。
ルミナ「パパ速すぎ!」
エーテル「本気出したら光超えるからな!」
ミラ「それズル!」
昼寝タイム。
四人で川の字。
ネメシスは縁側から睨んでる。
ネメシス(小声)
「大人に戻った瞬間……捕まえる」
エーテル(寒気)
でもこの姿になると副作用があった。
みんなが無意識に甘やかす
抱っこされまくる
おやつ増える
特にかや。
かや「可愛い……反則……」
頭なでなで無限。
エーテル(計算ミス)
結果:
ネメシスからは逃げられたが
家族の溺愛が加速した
縁側。
夕方の風が涼しくなってきたころ。
ちびエーテルは団子をかじりながら足をぶらぶらさせていた。
その横に、そっとかやが腰を下ろす。
「ねぇエーテル……」
「ネメシスのこと、どうしてあんなに距離が近いの?」
ちびエーテルは少しだけ目を伏せる。
誤魔化す様子もなく、静かに話し出した。
「セラも、アークも、レオンも、イリスも」
「ナポリネスも、グアラも、メクルも」
「みんな元は俺の“感情”から生まれた存在なんだ」
かや「……感情?」
エーテルは自分の胸を指でとんとん叩く。
「孤独、怒り、希望、知恵、優しさ、守りたい気持ち」
「創生の力が暴走したとき、それぞれが形になった」
少し間を置いてから、ぽつり。
「ネメシスだけは違う」
「アイツは――愛から生まれた」
かやの目がわずかに見開く。
「誰かを抱きしめたい気持ち」
「離れたくない気持ち」
「守りたい気持ちと、独り占めしたい気持ち」
「全部混ざった感情」
エーテルは苦笑する。
「だから一番人間っぽくて、一番距離感が近い」
「愛の感情から生まれた存在は、感情が強すぎるんだ」
かや「……だからあんなに甘えん坊で独占欲強いのね」
「そう」
「放っておくと暴走するタイプ」
少し沈黙。
風が木を揺らす音だけが流れる。
かやは優しく笑った。
「でもさ、それって悪いことじゃないよ」
「愛から生まれたなら、愛し方を教えてあげればいい」
ちびエーテルは少し驚いた顔をしてから、ふっと笑う。
「……さすが俺の嫁」
その瞬間。
背後から殺気。
ネメシス「愛の感情から生まれた僕の話をしてたよね?」
かや「聞いてたの!?!?」
ネメシスは満面の笑み。
「父上が愛そのものだって確認できて嬉しい」
ちびエーテル「距離!!距離取れ!!」
ちびエーテルは団子を最後まで食べ終えると、指についた粉をぱんぱんと払った。
夕焼けに染まる庭を見ながら、ぽつりと続ける。
「だからさ……」
「ネメシスが“愛してる”って言っても、俺は否定しない」
かやが静かに振り向く。
「アイツは愛そのものから生まれた存在だ」
「愛することが存在理由みたいなもんなんだよ」
ちびエーテルは少し困ったように笑う。
「否定されたら、自分そのものを否定されたと思っちまう」
「それは創生の父としてやっちゃいけないことだろ」
かや「……優しすぎるよ」
「優しいっていうか責任だな」
「感情から生まれたなら、その感情をちゃんと受け止めるのが親だ」
その瞬間。
縁側の柱の影から、ゆっくり現れるネメシス。
目がうるうるしている。
ネメシス「父上……」
「否定しないでくれて、ありがとう……」
ちびエーテル「近い!!感動するな!!」
ネメシスは勢いよく抱きつく。
「愛してる!」
ちびエーテル「はいはい分かった分かった!」
かやは苦笑しながら腕を組む。
「でもエーテル」
「受け止めるのと甘やかすのは違うからね?」
エーテル「そこは教育係よろしく頼む」
ネメシス「母上が最大の壁だ……」
夕焼けの中、またいつもの騒がしさが戻る。
でもそこにはちゃんと――家族の温度があった。




