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久世家戦記・現  作者:
現代編
38/59

第五部 創世神コスプレする

 精神世界が――震えた。

さっきまで数十体だった人格エーテルたちの背後、

空間そのものが割れる。

まるで宇宙が崩れるみたいに。

ヒビの奥から、光の粒が洪水のように溢れ出す。


一体、十体、百体、千体。

止まらない。

一万を超える“エーテル”が次々と出現する。


剣を持つエーテル

血に染まったエーテル

王冠を被ったエーテル

子供のエーテル

怪物のようなエーテル

泣き続けるエーテル

誰も信じないエーテル


時代も性格も存在理由も違う“転生の残骸”。

空間が埋め尽くされる。


ミラが震えた声で言う。

「……これ、全部……エーテル?」


優しいエーテルは静かに頷く。

「全部俺だ」

「生きた回数分だけ、ここにいる」


ナポリネスが歯を食いしばる。

「転生の度に人格が保存されていたのか……」


レオンが乾いた笑いを漏らす。

「バックアップ多すぎだろ神様」


だが次の瞬間。

一万のエーテルが、同時にこちらを向く。

視線の圧だけで空間が歪む。


殺気

後悔

怒り

絶望

希望

感情の嵐。


一体が叫ぶ。

「奪われた!」

別の一体。

「裏切られた!」

また別。

「守れなかった!」


声が重なり、世界が揺れる。

「俺たちは――消された人生だ!!」


無数のエーテルが叫ぶ。

「今のエーテルだけが幸せになるな!!」

「全部背負え!!」

「逃げるな!!」


精神世界が暴走領域に突入。

かやがエーテルの腕を掴む。

「エーテル……!」


優しいエーテルは歯を食いしばる。

「来る……」


次の瞬間。

一万体が一斉に踏み込む。

津波みたいな人格の突進。

戦国のエーテルが刀を抜き、創生期のエーテルが銀河エネルギーを放ち、狂気のエーテルが空間を引き裂く。


完全に戦場。

ナポリネスが叫ぶ。

「数で殺しに来てる!」

レオン「これ物理的に無理なやつだろ!!」

イリス「精神崩壊コース一直線よ!!」


その中で――

エーテルだけが動かなかった。

静かに立ち、全ての人格を見渡す。

「……分かってる」

「お前たちは消されたんじゃない」

「置いてきたんだ。俺が」


一万の人格が一瞬、止まる。

エーテルの声が響く。

「生きるために、前へ進むために」

「弱かった自分も」

「壊れた自分も」

「守れなかった自分も」

「全部切り捨てた」


拳を握る。

「それが“創生神の生き方”だと思ってた」


空間が静まり返る。

だが――


最前列の絶望エーテルが笑う。

「だから歪んだんだよ」

「だから俺たちは増え続けた」


「逃げた数だけ人格は増殖する」

「お前は一生完成しない」


その瞬間、全人格が共鳴。

精神世界が崩壊寸前。


かやが一歩前に出る。

「違う」

全員が彼女を見る。

「エーテルは逃げてきたんじゃない」

「生きるために進んできた」

「それを否定したら、ここまで来れなかった」

一万の人格がざわつく。


かやは涙を浮かべながら叫ぶ。

「でも!」

「置いてきた痛みを“無かったこと”にするのは違う!」

「背負うって、苦しむことじゃない!」

「認めることだよ!!」


沈黙。


優しいエーテルの目が見開かれる。

人格たちの表情が、少しずつ変わる。

怒りから――悲しみへ。

恨みから――寂しさへ。


一体が震える声で言う。

「……見てほしかっただけだ」

また一体。

「忘れないでほしかった」

さらに一体。

「存在していたって」


空間が涙のような光で満ちる。

エーテルがゆっくり歩き出す。

一体一体に触れていく。


「ごめん」


「ありがとう」

「生きてくれて」

触れられた人格は光になって溶けていく。

消滅じゃない。

融合。

一万体が次々とエーテルへ戻っていく。

精神世界が再構築されていく。


最後に残ったのは――

最初に現れた絶望エーテル。

彼は静かに笑った。

「やっと来たな……本当の完成形」


エーテルが手を差し出す。

「一緒に行こう」


絶望エーテルは少しだけ泣いて、消えた。

光が収束する。

エーテルの背後に、無数の記憶が一本の光輪となって浮かぶ。


転生統合状態。

人格暴走、完全停止。

ナポリネスが呆然。

「……神の完成形か」

レオン「メンタル強化イベントが規格外すぎる」


かやは静かに微笑う。

「おかえり、全部のエーテル」

エーテルは目を閉じて、そして開く。

「ようやく……自分になれた」


 

 エーテルはゆっくり振り返って、

さっきまで一万の人格が荒れ狂っていたとは思えないほど静まり返った精神世界を見渡した。


光は穏やか。

空間は安定。

無数の記憶は一本の巨大な光輪となって、背後でゆっくり回っている。


そして――

エーテルは、いつものちょっとドヤ顔で言った。

「どうだったでしょうか……俺の、脳内は!」


一瞬の沈黙。

レオンが真顔で言う。

「感想言っていい?」

ナポリネス「許可する前に言うだろうな」

レオン

「地獄。」

即答。


イリス

「カオスの博覧会よ。人格テーマパークか何か?」

ナポリネス

「論理的に見て、あれは精神構造ではなく災害だ」

ミラ「怖かった……途中ホラー映画かと思った……」

ルーク「僕、途中から数えるの諦めた……」


ルミナは目を輝かせて言う。

「すごかった!エーテルの中、宇宙より広かった!」

ネメシスは半泣き。

「父上の頭、住めるレベルで怖い……」


かやだけは、くすっと笑ってエーテルの胸に額を当てる。

「でもね」

「全部エーテルが生きてきた証でしょ」

「ぐちゃぐちゃでも、苦しくても」

「ちゃんと今のエーテルに繋がってた」


エーテルは一瞬照れて、視線を逸らす。

「……まあな」


レオンが腕を組んでため息。

「二度と中に入るイベントは勘弁してくれ」

ナポリネス「精神耐久値が宇宙規模でも足りん」

イリス

「次やったら保険降りないわよこれ」


するとエーテルがニヤッと笑う。

「安心しろ」

「もう人格増殖は起きない」

「今後はこの脳内、平和だ」


その瞬間――

光輪が一瞬ブラックホールみたいに脈動。

全員「……」

エーテル「……たぶん」


一斉にツッコミが飛ぶ。

「たぶんじゃねぇ!!」

精神世界に久々の平和(?)な笑い声が響いた。


 

 翌朝。 


窓から光が差し込むリビングの一角で、ミラとルークは並んで机に向かっていた。

ペンの音がカリカリと心地よく響く。


エーテルはコーヒー片手に、何気なく後ろから覗く。

「お、今日も漫画か。どんな話――」

そこで固まった。


紙いっぱいに描かれていたのは。

真剣な眼差しで剣を構えるアーク。

その胸元を掴んで引き寄せるエーテル。

背景にはなぜか薔薇とキラキラのエフェクト。


吹き出すコーヒー。

「なに描いてんの!???」


ミラは振り返って満面の笑み。

「えへへ、昨日の人格ラッシュ見て思いついたの!」

ルークも頷く。

「感情のぶつかり合いから生まれる絆…尊いってやつだね」

エーテル「尊くねぇ!!!」


よく見るとタイトルまである。

――『創生の剣と運命の王』

しかもページ数30超え。


エーテルのこめかみがピクピクする。

「待て待て待て待て」

「なんで俺とアークなんだ」


ミラはキラキラした目で即答。

「だって宿命!転生!殺し合い!和解!全部そろってる!」

ルーク

「王道カップリングだよエーテル」


その瞬間、後ろから声。

「……何が王道だ?」

振り返ると、アークが立っていた。

紙を覗き込み――

数秒沈黙。


次の瞬間。

「ぶはぁっ!!!!!」

アーク爆笑。

「エーテルお前受けじゃねぇか!!!」


エーテル「そこかよ!!?」

ミラ「攻め受けは会議で決めました!」

ルーク「多数決でエーテル受け」

エーテル「民主主義やめろ!!」


アークは肩を震わせながら言う。

「いやぁ……俺こんな優しく微笑まないからな?」

「エーテルのこの潤んだ目なんだよ」


エーテル「描き直せ!!!今すぐ!!!」


するとミラが真顔になる。

「えー……でももうイベントシーン入っちゃってるし」

エーテル「イベント?」

ルーク、次のページをめくる。


そこには――

雨の中で抱き合う二人。

「もう君を失いたくない……」のセリフ付き。

エーテル「やめろォォォォ!!!」


その叫びで家中の神々が集まってくる。


かや、状況を見て一瞬で理解。

「……ミラ、売れるわこれ」

エーテル「かやまで裏切るな!!!」

ルミナは大爆笑。

「パパヒロインじゃん!」

ネメシスは嫉妬で震える。

「父上は僕のなのに……!」

イリスは冷静に分析。

「感情線の構成が上手いわ」

ナポリネス

「市場的には需要がある」

エーテル「需要の話するな!!!」


ミラがニコッ。

「コミケで出そうと思ってるよ!」

エーテル「却下!!!宇宙規模で却下!!!」

ルーク

「でももう印刷予約してる」

エーテル「仕事早いな!?」


アークは腹抱えて笑いながら肩を叩く。

「諦めろエーテル」

「お前、今日から薄い本の主人公だ」


エーテルは天を仰いだ。

「……宇宙救った報いがこれか」

その横でミラが嬉しそうに続きを描き始める。

こうして――

創生神エーテルの新たな黒歴史が、地球に誕生したのだった。



 エーテルがまだ頭を抱えているその横で、

ミラがふと思い出したように手を挙げる。

「そういえばね、まだあるよ?」

エーテル「……何が」


ミラは机の引き出しから分厚いスケッチブックを取り出す。

ずしん、と嫌な重み。

「シリーズ化してるんだ!」

ルークが誇らしげに補足。

「創生家CP大全だよ」


嫌な予感しかしない。

ミラ、最初のページを開く。


――そこには。

ナポリネスが壁に手をついてネメシスを追い詰めている構図。

目を伏せて赤面するネメシス。

背景:稲妻と薔薇。


セリフ

『逃げ場はないよ、ネメシス』


エーテル「誰がそんなドSなんだよ!!!!」

ナポリネス(本人)

「私はそんな低次元な迫り方はしない!!!」

ミラ「えーでもツンデレ攻めって最高じゃん」

ルーク

「理知的支配型と純情年下の組み合わせは王道」


ネメシスは顔真っ赤。

「ぼ、僕そんな目で兄上見ないし!!」


次のページ。

夜の星空の下、肩を寄せ合う二人。

手、絡み合ってる。

タイトル

――『均衡の檻に咲く感情』


エーテル「詩的にすんな!!!」

ナポリネス「燃やせ!!!」


ミラは満足そうにさらにめくる。

今度は空気が変わる。

かやとセラが向かい合い、優しく微笑み合う構図。

光の花びらが舞い、距離ゼロ。


セリフ

『あなたがいる世界なら、私は何度でも生まれ変わる』


一瞬の静寂。

かや「…………え?」

セラ「…………え?」

ルミナ「百合だ!!」

エーテル「急にジャンル変えるな!!!」


ミラはキラキラした目。

「これ感動系だよ!魂の絆!」

ルーク

「戦争を越えた愛」


かやは耳まで真っ赤。

「ちょ、ちょっと待って!?

私セラちゃんとそんな…!」


セラも動揺しながらも小声で。

「……悪くはないけど」

エーテル「肯定するな!!!」


さらに次のページ。

手を繋いで星を見上げる二人。

もう完全に恋人。

タイトル

――『創生に咲いた双星』


エーテル「出版社止めろ!!!!」


ミラは腕組みして満足そう。

「まだあるけど今日はここまでにしとくね」

エーテル「まだあるのかよ!!!」

ルーク

「ちなみに一番人気予想はナポネメ」

ネメシス「やめてぇぇぇぇ!!!」

ナポリネス「この文化を宇宙から抹消したい」


かやはそっとエーテルの袖を引く。

「……ねぇエーテル」

「私とセラちゃんの続き、ちょっと気になる」

エーテル「気になるな!!!」


ルミナ大笑い。

「パパたち全員薄い本要員じゃん!」


こうして――

創生一家は正式に同人ジャンル化されたのであった。

しかも作者は身内。

逃げ場ゼロ。


 

 ミラがさらっと爆弾を落とす。

「あとね、ルミナちゃん人形も作ったよ」


エーテル「……は?」

ルミナ「え?」


ミラは机の下から等身の半分くらいある精巧な人形を取り出す。

銀髪ふわっと再現、瞳は星みたいにキラキラ、服も完全再現。

完成度が異常。


ルーク「素材研究に三日、構造設計に二日、縫製に一日」

エーテル「職人か???」

ルミナ「わぁ……かわいい……私だ……」

ミラ「しかもね」


カチッ。

背中のスイッチを押すと――

人形「えへへ、エーテルだいすき!」

ルミナ「!?!?!?」


エーテル「なんで音声入ってんだ!!!」

ミラ「日常ボイス50種入れてあるよ」

ルーク「寝言モードもある」


人形「すぅ……パパ……いっしょ……」

エーテル「やめろォォォォ!!!」


ルミナは顔真っ赤で抱きしめる。

「かわいい!!ほしい!!」

エーテル「本人いるだろ本人!!」

ミラ「さらに衣装チェンジ可能」


ゴソゴソ出てくる

・制服ルミナ

・パジャマルミナ

・剣道着ルミナ

・なぜかメイドルミナ

エーテル「最後なんでだよ!!!」


ルーク「需要」

ネメシス「欲しい……僕バージョンも作って……」

ミラ「もう設計図あるよ♡」

ネメシス「早くない!?」


かやが静かに一言。

「……エーテル人形もある?」

ミラ「もちろん」


奥から出てくる

抱き枕サイズのエーテル

かや「買います」

エーテル「売るな!!!」

ルミナ「ずるい!!私もパパのほしい!!」

ナポリネス「商品展開をやめろ!!」


ミラ、目を輝かせる。

「創生ファミリーシリーズ第1弾だよ!」

エーテル「シリーズ化すな!!」


こうして――

BL本に続き

公式(身内)グッズ展開まで始まったのであった。

しかもクオリティが宇宙一。



 夜。


みんながそれぞれくつろいでいるエーテル家。


ソファでかやはエーテル人形を抱きしめていた。

本物のエーテルは台所でコップを洗っている。


そのとき――

人形「かや……今日も綺麗だ」

かや「……え?」

人形「君がそばにいると、宇宙すら霞む」


エーテル「ブフォッ!!!!!」

水吹き出す。

「ミラァァァ!!音声切れって言っただろ!!」


ミラ「えー?恋愛モードオフにしてなかったかも」

ルーク「感情学習AI入れてるから成長するよ」

エーテル「余計なことすんな!!!」


かやは真っ赤になりながらも離さない。

「……エーテル、こんなこと普段言わないよね?」

本物エーテル「言わねぇよ!!」


人形「だが本心だ」

エーテル「違う!!」


すると今度はネメシス人形が棚から勝手に起動。

ネメシス人形「父上は渡さない……かやは敵……」


かや「え?」

ネメシス「え?」

本物ネメシス「待ってそれ俺より病んでない!?」


ルミナ人形も起動。

ルミナ人形「パパ〜一緒にねんねしよ〜」

ルミナ「それ私のセリフ!!」


場が一気に地獄絵図。

人形エーテル「かや、私の腕の中へ」

ネメシス人形「近づくな」

ルミナ人形「パパは私の!」

三体が同時に動き出す。


エーテル「やめろォォォ!!魂の取り合いみたいになってる!!」


かやは混乱しつつ、少しムッとする。

「……エーテル、本当はこんなに甘いこと思ってたの?」

エーテル「思ってねぇ!思ってるけど言わないだけだ!」

人形「つまり愛している」

エーテル「黙れ偽物!!」


ナポリネス「家庭崩壊まであと五秒だな」

アーク「人形の方が口説きスキル高いの何なんだ」

グアラ「これは戦争ね」


かやが静かに立ち上がる。

「……エーテル」

エーテル「は、はい」


「この人形、没収」


エーテル「助かった……」


と思った瞬間。

かやは人形をぎゅっと抱きしめて部屋へ。

「今日はこの子と寝るから」


エーテル「え?????」

かや「おやすみ、エーテル」

エーテル「クソォォォォ!!人形に負ける俺って何だよ!!!」


ルミナ「パパ取られたー!」

ネメシス「人形に負ける父上……」

ミラ「想定通り」

ルーク「修羅場成功」


その夜――

エーテルは廊下で正座反省となった。

しかも部屋の中から聞こえる。


人形「かや、愛してる」

かや「……うるさい、でも可愛い」

エーテル「存在抹消してやる……」



 数日後。

ミラが目を輝かせながら言う。

「新作イベント出るんだけどさ……本人達にコスプレしてほしい」


エーテル「却下」

ルーク「もう衣装作ってある」

ナポリネス「早いな」

イリス「サイズも完璧」

エーテル「待て待て待て待て」


■ 衣装一覧

・エーテル(王子様BL表紙ver)

・アーク(対になる戦神衣装ver)

・ナポリネス&ネメシス(双子風ゴシックver)

・かや&セラ(百合騎士ver)

・ルミナ(天使ver)


エーテル「なんで俺が一番露出高いんだ」

ミラ「売れるから」

ルーク「肩出し正解」

エーテル「誰の需要だ」


ネメシス(目キラキラ)

「父上……似合う……」

エーテル「お前やめろ」


まずはアークが着替える。

戦神衣装、黒×金、マント翻す。


アーク「……悪くないな」

ミラ「最高」


次にエーテル。

王子様衣装、胸元開きすぎ、腰細すぎ、やたら色気強調。

エーテル「これ絶対俺の性格と違う」

かや(じー……)

セラ(じー……)

ナポリネス「父上、妙に似合ってるのが腹立つ」

レオン「数値的に完成度98%」

エーテル「分析するな」


問題はここから。

ナポリネスとネメシス。

ゴシック双子衣装。

ネメシスは完全に女装寄り。

ネメシス「……どう?」


一同沈黙。

エーテル(本気で息止まる)

アーク「これは……危険だ」

ナポリネス「似合いすぎだろ」

ルミナ「可愛い」

ネメシス少し赤くなる。


かやとセラも着替える。

百合騎士衣装。

かや「……なんでこんなに距離近い設定なの?」

ミラ「人気だから」

セラ「かや、背中のリボン直すわ」

エーテル(精神ダメージ)


そして撮影開始。

ミラ「はい!エーテルとアーク距離近づけて!」

エーテル「断る」

アーク「仕事だと思え」

ネメシス「父上、こっちもあるよ」

ルミナ「パパ笑って!」


カメラ連写。

パシャパシャパシャ。

だがここで事件。


エーテル人形(まだ存在)起動。

「やはり私の方が絵になる」

エーテル「またお前か!!!」


人形は完璧なポージングを取る。

しかも微妙に色気上。


ミラ「……本体より映える」

エーテル「解体する」

かや「だめ」


ナポリネスは言う。

「我が家はもう公認同人素材か」

エーテルは天井を見る。

「宇宙創った俺がなんでBL表紙やってるんだ……」


ルミナが笑う。

「でも楽しそうじゃん」

エーテル少しだけ笑う。

「……まぁ、家族が笑ってるならいいか」


ミラが小声で言う。

「次は水着回だね」

エーテル「やめろ」



 朝。


エーテル屋敷は戦場だった。

ミラ「ウィッグ固定よし!」

イリス「衣装の耐久補強よし!」

レオン「関節可動問題なし!」

エーテル「誰も俺の人権チェックしてないよな?」

ナポリネス「今さらだ」


会場到着。

巨大展示ホールに人の波。

そして――

現れた瞬間、空気が変わる。

ざわ……ざわ……ざわ……

「え、なにあれ本物?」

「完成度高すぎない?」

「公式?公式なの?」


■ 登場メンバー

王子エーテル(露出過多)

戦神アーク(威圧感やばい)

ゴシック双子ナポリネス&ネメシス(ネメシス可愛すぎ)

百合騎士かや&セラ(尊さ暴力)

天使ルミナ(会場浄化)


一瞬で囲まれる。

カメラの嵐。

フラッシュ地獄。

ミラの同人ブース、開始3分で行列。


ルーク「完売ペース異常」

ミラ「神々来たの強すぎる」


ネメシスが歩くだけで悲鳴。

「可愛い!!!」

「天使!?悪魔!?どっち!?」

「抱きしめたい!!」


ネメシス(小声)

「父上……視線が多すぎて怖い……」

エーテル即ガード。

「近づくな」

アーク「完全に親バカだな」


一方エーテル。

女性陣+男性陣どちらからも視線集中。

「王子様やばい」

「エーテル様ください」

「結婚してください」

エーテル「創世神やっててこんなセリフ浴びたことない」


かやとセラの百合騎士ゾーン。

尊死エリア発生。

「てぇてぇ……」

「これは拝むやつ……」

「尊みで成仏」


かや「なんか宗教できてない?」

セラ「信者増えてるわね」


ルミナは完全マスコット。

頭撫でられすぎ。

ルミナ「今日だけで百人くらい家族増えそう」

エーテル「増えるな」


そして事件。

例のエーテル人形も展示されていた。

勝手に動く。

ポーズ取る。

ウインクする。


観客「!?生きてる!?」

ミラ「これ目玉商品」

エーテル「俺より働いてるの腹立つ」


 結果。

同人誌 完売

写真撮影列 閉場まで途切れず

ミラとルーク伝説のサークル誕生


スタッフ「次回は公式参加しませんか?」

エーテル「誰が公式だ」


帰り道。

みんなクタクタ。

ネメシス「……楽しかった」

ルミナ「またやりたい!」

ミラ「次は新刊倍刷り」

ルーク「覚悟しよ」

エーテルは空を見る。

「宇宙戦争より疲れた一日だった」


かやが笑う。

「でもいい思い出でしょ?」

エーテル「……まぁな」



 ■ 数日後

ミラ「……連絡、取れちゃった」

エーテル「誰に」

ミラ「コミケ公式」

全員「は?」


しかも――

“公式コラボ枠”で出演決定。

一般参加じゃない。

特別ステージ枠。


エーテル「待て。俺たち素人だぞ」

ルーク「先方の返信。“前回は伝説でした”って」

ナポリネス「地球の文化、怖いな」


■ 今回の参加メンバー(フル出動)

エーテル

かや

セラ

アーク

ナポリネス

ネメシス

ルミナ

ミラ

ルーク


そして追加参戦――

レオン

イリス

グアラ

メクル

創生全員。


■ 事前会議

ミラ「今回はテーマ統一する」

イリス「メカ系やりたい」

レオン「科学者路線いける」

メクル「宇宙図背景出す」

グアラ「生命系ドレス着る」

ナポリネス「数学神はどうすればいい」

エーテル「誰か止めろ」


■ 衣装案

レオン

→ 可変式スチームパンク博士

股間手回しは装飾扱い(展示用)


イリス

→ 近未来サイバー技術神

ホログラム演出付き


グアラ

→ 神秘的生命の女神

花と光のエフェクト


メクル

→ 宇宙地図纏う星読み巫女


ネメシス

→ 中性的ゴシック天使(確定)


ナポリネス

→ 冷静数学王子


アーク

→ 黒鎧戦神


セラ

→ 白騎士女王


かや

→ 月光姫


ルミナ

→ 星の子マスコット


エーテル

→ ……中央王座系


■ エーテルの悩み

「俺、これ本当に地球のイベントだよな?」

アーク「宇宙より盛り上がってる」

グアラ「前回の写真、海外まで拡散されてた」

メクル「既に“神々の降臨”タグができてる」

エーテル「やめろ」


■ 当日予告

公式サイトに出る。

“超話題サークル《Star Genesis》再来”

PVまで作られる。

イリス「演出装置は私がやる」

レオン「舞台強度計算済み」

ミラ「新刊は家族ギャグ本」

ルーク「健全寄り」

エーテル「そこ大事」


ネメシスがぽつり。

「……父上、また隣に立ってもいい?」

エーテルは頭を撫でる。

「好きにしろ」

ナポリネスが横から割り込む。

「俺もだ」

ルミナも抱きつく。

「わたしも」


かや、無言で腕を組む。

エーテル「圧が強い」


 

■ コミケ当日・控室

スタッフ「出演者の皆さまに公式衣装を配布します!」


箱がずらっと並ぶ。

開けた瞬間――

全員「……水着?」

しかもただの水着じゃない。

世界観ガチ仕様。


エーテル

白と金を基調にした神紋入りロングコート風スイムウェア

マントだけ耐水仕様でひらっひら

アーク「戦う気満々じゃねぇか」


かや

月模様の上品なワンピース型

露出控えめなのに神秘感えぐい

セラ「姫そのものだね」

エーテル(直視できない)


セラ

白騎士モチーフのスポーティ水着+軽装アーマー風装飾


アーク

黒ベースのバトル系ショーツ+肩に紋章ホログラム


ナポリネス

王子様系ロング丈ラッシュガード

「肌を晒す合理性がない」


ネメシス

天使モチーフのふわっとした中性的デザイン

ミラ「完全に優勝」


グアラ

花と光が浮かぶ幻想系ビキニ(健全寄りの神仕様)


イリス

近未来スーツ型スイムウェア

「防水完璧」


レオン

……球体対応水着(どう考えてもギャグ)

レオン「進化した」


メクル

星図が流れるローブ風水着


ルミナ・ミラ・ルーク

ちゃんと子供用の可愛いデザイン

星柄・雲柄・動物モチーフで完全ほのぼの

エーテル「公式わかってるな……」


■ スタッフの一言

「“夏の神々降臨ステージ”です!」

全員「聞いてない」


■ ステージ開幕

照明ドーン

水エフェクト演出ブワァァ

司会「公式史上最大スケールのコスプレステージです!!」

観客「うおおおおおおお!!!!!」

海外勢「OMG GODS」


エーテルが中央に立つと、

ホログラムの星空が広がる。

かやが横に来て小声。

「ねぇ……やりすぎじゃない?」

エーテル「公式だ」


ネメシスが袖引っ張る。

「父上、手……」

エーテル「はいはい」

ナポリネス「俺もだ」

ルミナ「ずるい!」

ミラ「尊い空間できてる!」


■ トレンド爆誕

#神々の水着回

#公式が本気出しすぎ

#現実バグってる

#レオンだけ別ジャンル


レオンが回転しながら言う。

「夏仕様レオンです」

会場爆笑。



 スタッフ「ここからは〜!

公式キャラクター人気投票タイムです!!」

※ミラとルークは見た目的にアウトなので省きます。


スクリーンに全員の名前と水着ビジュアルが並ぶ。

会場の熱量、爆上がり。


第一回・創生ファミリー公式人気投票

司会「1人につき1票! リアルタイム反映です!」

カウントが動き出す。


初動トップ

1位 ネメシス

2位 かや

3位 エーテル

4位 セラ

5位 ルミナ


ネメシス(きらきら)

「父上に……勝ってる……!」

エーテル「おお、すごいな」

かや「ちょっと!?なんであなたそんな強いの!?」


ここで海外票が雪崩れ込む

ネメシス爆伸び。

「中性的天使」「守ってあげたい」「尊い」


アーク「おいネメシス強すぎだろ!」

ナポリネス「理論的に不公平だ」

セラ「可愛い枠はズルいよ!」

ルミナ「え!?私負けてるの!?」


中間発表

1位 ネメシス(ダントツ)

2位 かや

3位 セラ

4位 エーテル

5位 ルミナ

6位 アーク

7位 ナポリネス

8位 グアラ

9位 イリス

10位 メクル

11位 レオン(別枠)


レオン「機械生命体部門では1位だ」

誰も聞いてない。


家族内戦争勃発

かや(エーテルの耳元)

「ねぇ、ちょっとファンに手振って」

エーテル「ん?」

かや「笑顔!」

エーテル(神スマイル発動)

エーテル票が一気に伸びる。


セラも負けじと戦闘モード。

セラ「アーク、肩組んで」

アーク「なんでだよ」

セラ「ファンサ」

→ 姉弟尊さ票爆増


ルミナ、全力で手を振る。

「みんなー!」

子供枠票が爆発。

ネメシス、最後の切り札。

エーテルの腕にぎゅっと抱きつく。

「父上……好き……」

会場:

(尊死)


票、バグる。

最終結果

1位 ネメシス(圧勝)

2位 かや

3位 ルミナ

4位 エーテル

5位 セラ

6位 アーク

7位 ナポリネス

8位 グアラ

9位 イリス

10位 メクル

11位 レオン(安定)


司会「優勝は……ネメシス!!」

紙吹雪ドーン!

ネメシス(涙目)

「父上……!」

エーテル「おめでとう」


その裏で――

かや「納得いかない」

セラ「絶対操作されてる」

アーク「海外勢強すぎ」

ナポリネス「統計を取り直すべきだ」

ルミナ「次は勝つ!」

レオン「家族というより戦場だな」


 

 司会が満面の笑みで言う。

「そして!人気上位3名は――

 限定公式グッズ化決定でーす!!」


会場、歓声。

スクリーンに表示。


ネメシス

かや

ルミナ


発表されたグッズ内容エグい

・等身大アクリルスタンド

・抱き枕カバー

・限定ボイス入り目覚まし時計

・水着フィギュア(超高クオリティ)


かや「待って待って待って」

ルミナ「等身大ってなに!?」

ネメシス「抱き枕……?」

エーテル「……公式、殺しに来てるな」 


しかも追い打ち

スタッフ「なお、順位が高いほど露出多めデザインになります!」

1位 ネメシス → ほぼ布仕事してない

2位 かや → 大人の色気全開

3位 ルミナ → 健全だけど可愛さ暴力


セラ「は?????」

アーク「俺たちは???」

ナポリネス「市場原理主義め」

グアラ「私も可愛いのに……」

イリス「技術的には私の方が完成度高い」

メクル「引きこもりにも人権を……」

レオン「機械は対象外か」


家庭崩壊寸前

ネメシスの抱き枕デザイン公開された瞬間

かや「回収しなさい公式!!!」

セラ「教育に悪い!!!」

アーク「誰が買うんだよこんなの!!」

会場「買いまーす!!!!」


エーテル、頭抱える。

「……俺の家族、商品化されてるんだが」


予約開始5分

▶ サーバーダウン

▶ 転売ヤー発狂

▶ 海外トレンド1位


スタッフ「歴代最高売上です!!」

ネメシス(震え声)

「父上……ぼく……売れてる……」

エーテル「誇るところじゃない」


下位組の反乱宣言

セラ「次は絶対奪う」

アーク「筋肉票集める」

ナポリネス「知性層を取り込む」


グアラ「癒し枠で行く」

イリス「機械萌えを流行らせる」

メクル「ネット工作する」

レオン「私は改造で人気を取る」



 人気ランキング中間発表。

ネメシス圧倒的1位。

かや2位。

ルミナ3位。

その下にずらっと沈む創生兄妹たち。


エーテル(敗北を悟る)

何も言わずネメシスを抱き上げる。

「……強いな、お前は」

ネメシス「え、父上!?急に!?」

エーテル「人気という戦場を制した英雄だ」


一瞬で

#エーテルパパ公認最推し

トレンド入り


下位組、正気を失う

セラ(急にぶりっ子覚醒)

「えへ……エーテルお兄ちゃん♡一緒に写真撮ろ?」

一同「誰????」


アーク(筋肉路線へ暴走)

その場でシャツ破る。

「筋肉は裏切らねぇぇぇ!!」

女性客「キャーー!!」

男性客「キャーー!!」 


ナポリネス(知性捨てる)

「勉強より愛よ!計算よりハグよ!!」

エーテル「誰に洗脳された」


グアラ(癒し系に全振り)

「疲れてませんか…?回復しますよ…?」

光エフェクト出し始める

観客「女神……」


イリス(完全に迷走)

機械羽つけて

「メカかわいいは正義!」

爆音で変形

司会「音量下げてください!!」 


メクル(ネット工作ガチ勢)

スマホ高速操作

「今bot5000投入した」

エーテル「犯罪だ」


レオン(意味不明進化)

突然金ピカ形態

「限定仕様です」

観客「なんかすごい!!」


なおネメシスは何もしてない

ただエーテルの胸で安心してるだけ。

ネメシス「父上あったかい……」

観客「尊い……」「勝てるわけねぇ……」


結果

ネメシスさらに票伸びる

下位組キャラ崩壊したのに伸びない

セラ「なんでぇぇぇ!!」

アーク「筋肉だぞ!?」

ナポリネス「知性捨てたのに!」

メクル「bot無駄だった!」


エーテルがため息つく。

「人気はな……作るものじゃない

自然発生するものだ」

ネメシス「?」


最後の追い打ち

公式が発表。

「ネメシス×エーテル親子ビジュアル、追加グッズ決定でーす!」


会場爆発

下位組全員

「終わった……」



 

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