78話
この物語には自己解釈やオリジナル設定が含まれています。
オリジナルの妖怪が登場することもあります。
素人がただ思い付きで書いている物語なので最後まで温かい目で読んでいただければと思います。
篁音「それで、志乃さんはこちらで管理するという事で良いですか?言いたいことは言ったようですし。」
志乃「いや、なんでそうなる。」
篁音「なら少し布団を捲っても良いですか?」
志乃「別に良いが何か関係があるのか?」
篁音「見てもらえば分かります。」
篁音が布団を捲ると志乃は寝間用の浴衣に着替えさせられていて、足が見えるようになっている。
篁音が鏡を持って志乃に足の方を見せてくれた。
そしてその足には鱗が生え、布団の上には鱗が何枚か落ちている。
篁音「あれから丸1日経っています。足首より下は戻っているようですがそこまで変わりありません。あ、着替えは私と真琴さん、雫さんだけでしているので心配しないでくださいね。」
志乃「それはいい。」
篁音「一応です。」
志乃「痛みは軽くなっている。」
篁音「鱗だけ最後に戻るのでしょうか?」
黒根「嘘はついておらんよな。」
風見「呼吸は安定しているから痛みが軽くなったのは本当だと思う。」
黒根「そうか。」
篁音「いつ治るかは分かりますか?」
志乃「まだ2回目だからな。前は鱗が数枚生えただけで1時間程だったか、、なあ、少し足をさすってくれないか?」
篁音「大丈夫ですか?触ったら痛いんじゃ無いんですか?」
志乃「痛かったら言う。鱗で手を切らないよう気をつけてやってくれ。」
篁音「志乃さんが言うのなら、、」
篁音が志乃の足に手を乗せる。
篁音「痛くないですか?」
志乃「、、少し、だけど大丈夫だ。続けてくれ。」
篁音が手を動かすとポロポロと鱗が取れていく。
篁音「えっと、大丈夫ですか?」
志乃「ああ、続けてくれ。」
篁音がしばらく続けていると鱗は所々禿げていく。
篁音「本当に大丈夫なんですか?」
志乃「ああ。少し楽になった。」
そう言って志乃は軽く足を動かす。
篁音「え?」
志乃「前も鱗が落ちたら痛みが減ったんだ。」
篁音「つまり私は志乃さんが動けるように手助けしたって事ですか。まあ、良いですが。」
焔「つまりその鱗全部取っちまえば良いのか?」
篁音「触ったところ、まだ剥がれそうにない物もありました。」
雫「無理に剥がすのは、駄目よね。」
志乃「少しやってみても、、」
樹霧之介「駄目ですよ!」
志乃「気になる事があるんだがな。」
篁音「それは何でしょう?」
志乃「大体の妖怪の体は妖力が無くなれば消えるはずなのにこの鱗、剥がれても残っているだろ。」
樹霧之介「そう言えば、この鱗って志乃さんが妖怪になったから生えているんですよね。」
篁音「取れて楽になったのもこれに妖力が集まっていたからでしょうか?」
志乃「調べてみないと分からないな。」
志乃は後ろの壁にもたれかかりながら上半身を起こす。
樹霧之介「大丈夫ですか?」
志乃「今痛いのは足だけだからな。」
そして竹筒から管狐が顔を出して一番最初に12号が出てきて志乃の肩に乗る。
それから次々と出てきて殆どの管狐が飛び回っている中、5号は志乃の足と鱗を交互に嗅いで9号は鱗を志乃に渡している。
篁音「結構回復したんですね。」
志乃「お陰でな。」
焔「ならやっぱりその鱗取った方が良いんじゃないか?」
雫「何であんたはそんなに鱗を取りたがるのよ。」
茂蔵「魚っぽいから美味しそうとかか?」
雫「鱗だけなのにそれは無いわよ。」
焔「駄目なのか?」
雫「え。」
それを聞いて志乃は持っている鱗の匂いを嗅いで口に入れてみる。
樹霧之介「ちょっと、何してるんですか!?」
志乃「硬くて食べることは無理そうだな。」
そう言って志乃は口から鱗を出す。
焔「俺なら多少硬くても平気だぞ。」
雫「止めなさい。」
手を伸ばす焔を雫が止める。
志乃「焔、お前が美味しそうって思うのはいつも食べ物じゃないよな。」
雫「こいつが馬鹿なのは知っているけどいきなりそんな事言わなくてもいいでしょ。」
志乃「火車が食べるのは人の死体だ。特に罪を犯している人の死体を食べている。お前、あまり人の食べ物には食欲湧かないだろ。」
焔「だけど一応腹は膨れるぞ。」
雫「なら何で美味しそうなんて言うの?」
焔「美味しそうなものは美味しそうなんだ。」
志乃「惣領は何人もの人間や妖怪を犠牲にしている悪人だ。お前が反応しているのは惣領が関わったものなんじゃないか?」
焔「そうなのか?」
志乃「あの分身にも何か感じただろ。」
焔「え、いや、、別に、、」
雫「本当分かりやすいわね。素直に言いなさいよ。」
焔「、、気持ち悪いだろ?あの肉の塊を美味しそうと思ったんだぜ。」
雫「あんたにもそんな感情あったのね。」
志乃「それは種族によるものだ。特にそんな風には思わないな。」
焔「だけど樹霧之介も茂蔵も触っただけで気持ちわるそうにしていた奴を食べたいと思ったんだぞ。それもずっとだ。」
雫「あんたが変わっているのは今更でしょ。」
風見「と言うかここには変わったものしかいないぜ。」
雫「そうね。似たようなものはいても同じものなんていないわ。」
焔「それでも気持ち悪くはないのか?」
雫「だから今更なのよ。そんな事でうじうじ悩んでいるくらいなら相談しなさい。そんな事で仲間を嫌うものはここにはいないんだから。」
焔「雫~。」
雫「うざい。あんた人型だとデカくて重いんだから自重しなさい!」
焔は雫に抱きつき、雫は迷惑そうに突き放す。
志乃「どちらにしろあれは呪いの塊だ。食べるなよ。」
樹霧之介「鱗を口に含んだ志乃さんはどうなんですか?」
志乃「別にいいだろ。」
篁音「それで焔さんは惣領の気配が分かるという事で良いのでしょうか?」
雫「もしかして浜名瀬さんがこの事言い出したのってその為?」
志乃「焔が悩んでいたことも考えずにすまなかったな。だけどあいつの本体の場所が分からないんだ。」
焔「俺は気にしてないぜ。解決したんだからな。」
雫「そうね。能天気なこいつがこんな悩み抱えているなんて私も知らなかったし。」
焔「能天気ってなんだよ。まあいいさ。役に立つなら何でもするぜ。」
風見「ワイの十八番、、」
茂蔵「今回は仕方ないだろ。」
篁音「良いお仲間ですね。」
志乃「あと問題なのはあいつが妖力を無効化するって事だな。」
真琴「やっぱりそうよね。」
樹霧之介「あれってどうなっているんですか?」
志乃「私もできるが霊力を妖力で発動させた術に流すと無力化できるんだ。だがあいつは樹霧之介の中に入っている間は使わなかった、というより霊力自体使えないんだと思う。」
篁音「あの分身の中でしか使えないという事ですか。何故そう言い切れるんです?」
志乃「言霊を使う時に名前を間違えれば術を返される危険がある。あいつはそれをしなかった。」
樹霧之介「そんな危険があるって分かっていたのにあんな事したんですか!?」
黒根「何をしたんじゃ?」
樹霧之介「惣領の名前を当てずっぽうでいくつか言っていました。」
志乃「言っただけで術は掛けてない。当たりの名前だけ言い直しただろ。」
樹霧之介「そう言われてみればそうだった気もします。」
篁音「それであの分身だけは霊力を使うという事で良いですか?」
志乃「ああ。だからあれだけは私が相手しないといけないと思う。」
篁音「それなら志乃さんを閉じ込めるのは良くありませんね。」
志乃「そうだろ。」
黒根「じゃがお前だって呪いを掛けられれば動けんくなるんじゃぞ。」
志乃「あいつが呪いを掛けるにはあの玉を呑み込ませる必要がある。今回だって解呪の為に受けたが掛からないように気を付けることはできる。」
黒根「何故今回はしなかったんじゃ。」
志乃「閉じ込められて解呪しないと解放されないと思ったんだ。」
黒根「お主なら周りの木を3号で焼くなり、大百足の毒で枯らすなりできたじゃろ。」
志乃「...。」
黒根「お主の気持ちも分かるが篁音が来なければどうなっていたか分からんのじゃぞ。」
志乃「、、分身が消えた事で油断していた。あれがまた地面から出てくるなんて思ってもいなかったんだ。」
黒根「5号で気配を探れなかったのか?」
志乃「意識が樹霧之介に移った途端に無くなった。だが匂いは残っていたから次は油断しない。」
黒根「そうか。」
篁音「次があって良かったですね。その機会を作ったのは誰ですか?」
志乃「、、今度は何すればいいんだ?」
篁音「いえ、その鱗を何枚か貰えればいいですよ。」
志乃「それくらいなら別に良いが、本当にそれだけか?」
篁音「いいと言いたいところですが、あれの本体が見つかったら場所は教えていただきたいですね。」
志乃「近くの烏にでも言えばいいのか?」
篁音「それで構いません。」
志乃「もし言えない状況だったら?」
篁音「仕方のない状況であればいいです。そちらを優先してください。」
志乃「いいのか?」
篁音「あなたに考えがあり、もう無理をしないのであればこれ以上は何も言いませんよ。」
志乃「そうか、、」
篁音「もしも、私達の説得も聞かずに無理をしそうなのであれば野々香に連絡しようと思っていましたが、必要なさそうですね。」
志乃「そんな事考えていたのか。」
篁音「はい。あの子とその烏の追跡能力と執念は知っているでしょう?」
志乃「自分の子供を脅迫に使うな。」
篁音「ですが効果はあるでしょう。」
志乃は図星を突かれて目線を逸らし、何も言えなかった。
篁音「それじゃ、私はそろそろお暇しますね。」
篁音は鱗を何枚か拾って巾着袋に詰めるとそれを懐にしまい出て行った。
樹霧之介「あの鱗、何に使うつもりでしょうか。」
志乃「それは分からないが一応あいつも敵討ちの為に動いているからな。手掛かりは多い方が良いんだろ。」
雫「この鱗って何なの?」
志乃「私もよく分かって無い。まあ、人魚の鱗なんだろうなとは思う。」
真琴「何か効果はあるの?あの惣領と言われている奴はこれを取り込んで体が少し戻ったって言っていたけど。」
志乃「足りないのは人魚だと言っていたからな。あいつの呪いに干渉していても不思議じゃない。」
樹霧之介「なのに他の人間に呪いを掛けて取り込んでいたんですね。」
志乃「それであの呪いが出来たから無駄では無かったみたいだがな。」
樹霧之介「酷いですよね。人を実験の道具みたいに、、」
志乃「前にもいただろ。」
樹霧之介「確かにあれも酷かったですけど、、」
黒根「こういう自分勝手な奴は一定数出てくる。そいつらを放ってはおけん。」
樹霧之介「そうですね。今回も解決しましょう。」
雫「だけど、今回の相手は不死身なのよね。」
真琴「封印するしかないの?」
志乃「それか不安定な呪いのようだからいっその事暴走させるか。」
真琴「そんな事できるの?」
山姥「あいつは呪いの大半は制御できているようだった。それは難しいぞ。」
そう言いながら山姥が扉を開けて入って来た。
志乃「体はもう平気なのか?」
山姥は志乃の足を見てため息を吐いた。
山姥「お前ほどじゃない。もう平気だ。お前こそ起きていて良いのか?」
志乃「今はそこまで痛みはない。」
樹霧之介「それでもまだ足は痛いんですよね。安静にはしていてください。」
志乃「立つ事はできないんだから心配するな。」
樹霧之介「逆に心配ですよ。」
山姥「お前は本当に、、」
志乃「何で責められているんだ?」
山姥「もういい。それで呪いを暴走させる事だがどんな事が起こるか分からん。止めておけ。」
志乃「少し言ってみただけだ。そんな事すれば呪いがばら撒かれるだけだからな。」
山姥「たとえあいつが血縁であろうともお前に責任はない。あまり思い詰めるな。」
黒根「そうじゃ。その事を気にしてる奴なんてここにはお主以外おらん。」
志乃「分かってはいる。」
山姥「いや、分かっていない。」
志乃「何故そう思う。」
山姥「ならなんでお前は本気を出さなかった。」
志乃「何の話だ。」
山姥「お前、呪いを封印しているから霊力を全て使えないと聞いたぞ。しばらく霊力が使えなかったのに何故、何もないんだ?」
樹霧之介「あれ?そう言えばそうです。封印しきれない時は体の一部が灰になっていませんでした?」
山姥「わざわざまだ使えないふりをして何をしようとしている。」
志乃「それは、、」
山姥「誤魔化しても無駄だぞ。惣領の付けた印の方の封印はお前が寝ている間に私が施した。その時にそれが無くなっている事は確認済みだ。」
志乃「…。」
黒根「やはり烏天狗に預けた方が良かったか?」
山姥「そんな話になっていたのか。そこはここよりも安全な空間なのか?」
志乃「隠里じゃない。人間のいる場所から離れた山の中だ。」
山姥「ならここの方が安全じゃないか?何故そんな話が出てきたんだ?」
黒根「あっちには夢籠というこいつを閉じ込めておける物があるからな。」
山姥「ああ。」
志乃「何故それで納得する。」
山姥「お前が何かを企んでいるからだろ。」
志乃「企んでなんかない。」
山姥「なら何をしようとしていた。いつ解呪を終わらせた。」
志乃「…。」
山姥「今回も封印に協力的だと思っていたのに勝手に解呪したよな。」
志乃「、、すまない。」
山姥「はあ。今回はそこまで深くは聞かないが行動は制限させてもらうぞ。」
志乃「また山に籠るのか?」
山姥「それだと私が目を離した隙に何するか分からない。だからお前ら。」
樹霧之介「僕達ですか?」
山姥「ああ、お前らは妖力に頼り過ぎだ。このままでは惣領に太刀打ちできないから武器を使えるようになれ。」
樹霧之介「武器ですか。」
山姥「そうだ。それで志乃、動けるようになったら見てやれ。」
志乃「そういう事か。」
山姥「こいつらに教えるとなると勝手な事はできなくなるだろ。」
志乃「、、分かった。教えるのであれば手加減はしないからな。」
それから樹霧之介にたまに足を撫でてもらい鱗が殆ど落ちて志乃が歩けるようになると樹霧之介達は志乃の屋敷の道場に来ていた。
まだ立ったままだと辛いので志乃は椅子に座って指示を出している。
志乃「まずは武器を決めるぞ。」
志乃がそう言うと管狐達が奥から様々な武器を持って来て床に並べた。
雫「凄い種類ね。」
志乃「殆どは私の師匠が集めたり作ってもらった物だけどな。」
焔「なあ、俺も刀使えるようになるか?」
志乃「使いたいなら教えるがお前なら短剣かこっちの方が良いかもな。」
そう言って志乃は焔に1つの武器を渡す。
焔「これどうするんだ?」
志乃「鉄爪だ。手に付けて使う。お前の焔爪に似ているから使いやすいと思う。」
焔「だけどこれ重いし切れ味もよく無さそうだ。」
志乃「使い方は違うと思うがお前の型には合っていると思うぞ。」
焔「志乃が言うなら使ってみる。」
志乃「他にも触ってみて使ってみたい武器があったら言ってくれ。」
真琴「私これ使ってみたいんだけどいい?」
志乃「薙刀か。」
焔「だけど真琴は紙で槍作ってなかったか?」
真琴「確かに紙で槍は作っているけど、あれ飛ばしているのよね。」
志乃「投げ槍もあるが荷物が多くなるな。」
真琴「私も浜名瀬さんみたいに棒手裏剣とか使った方が良い?」
志乃「あれは術の発動のための補助に使っている。慣れないと刺さらないし痛手を与えるには向かないからな。それでも使ってみたいなら教えるぞ。相手の注意を逸らしたりするのには使えるからな。」
真琴「そうね。」
志乃「まあ、向き不向きは使いながら見るか。」
真琴「お願いするわ。」
志乃「他に気になった物はあるか?」
風見「なあ、これも武器なのか?」
風見は様々な武器が並ぶ場所にある煙管を指差す。
志乃「喧嘩煙管だな。打撃武器にもなるがそれには刃物が仕込んである。」
風見「へー。一応武器なんだな。」
茂蔵「そう言えばそれ大将が持っていた気がするな。」
志乃「それって刑部狸だろ。前に来たときは見なかったな。」
茂蔵「先代の時に見たんだ。皆集めた時にカンッて鳴らして注目を集めるんだ。」
志乃「多分それは普通の煙管だな。」
茂蔵「だけど、威厳があってその時はまだ子供だったけどカッコいいと思ったんだ。おいらこれ使えないかな?」
志乃「これは大きいからな。仕込みは無いが少し小さいものがあるからそれで練習してみるか?」
茂蔵が持とうとしている喧嘩煙管は大きく、小柄な茂蔵と並ぶと喧嘩煙管の方が10cmほど大きい。
茂蔵「いや、これを使わせてくれないか?」
そう言いながら茂蔵はその喧嘩煙管を持ってみるが少しよろよろとしている。
志乃「打撃を与えるために重くしてある。それだと仕込み刀を抜く事も出来ないだろ。」
茂蔵「おいら変化できるからその時にも使いたいんだ。」
志乃「そうか、ならそれ持ってこっち来てくれないか?」
茂蔵「お、おう。」
茂蔵は志乃に言われた通り少しよろめきながらもその喧嘩煙管を持って志乃の元へ行くと志乃は喧嘩煙管を受け取りそれを茂蔵の背中に括りつける。
志乃「武器を運ぶ事も考えなくてはいけない。このままこの屋敷を走って問題なく走れるようになったら使い方を教える。」
茂蔵「これでか!?、、まあそうだよな。やってやる!」
そう言って茂蔵は走って行ってしまった。
志乃「蔵には入るなよ!」
真琴「ねえ、ここには常闇の封印とかあるのよね。」
志乃「そっちは封印を強化して解こうとしない限り解けないようにしてある。危ない物は蔵に集めてあるから大丈夫だ。」
真琴「じゃあ、私達も外出ても大丈夫?」
志乃「ああ。走り込みは全員してもらうからな。」
真琴「私達も?」
志乃「武器を持って走る感覚は全員覚えてもらいたいからな。」
真琴「まあそうよね。これ持って走るの結構大変そうだし、いきなり実戦でやれは厳しいわよね。私も走って来ようかな。」
志乃「なら縄貸すぞ。両手は使えた方がいい。」
真琴「ありがとう。」
真琴も薙刀を背負って外に出て行った。
その一連の流れを見ていた雫は焔に聞く。
雫「あんたは行かなくても良いの?」
焔「俺は雫と行きたい。なあ、何を選ぶんだ?」
雫「そうは言っても私は支援が主なのよね。」
志乃「なら自分を守れるような物を選ぶか?結界もあいつなら無効化してくるだろう。」
雫「そうね。」
焔「雫なら俺が守ってやるぞ。」
雫「できない時もあるでしょ。それに自分で守れた方があんたも安心でしょ。」
焔「そうだな。」
志乃「護、盾、雨、、これとかどうだろう。」
志乃が奥の方を見ると3匹の管狐が何かを持って来て雫はそれを受け取る。
雫「これ傘?重いわね。」
志乃「鉄製だからな。」
雫「閉じれば棍棒、開けば盾って事?」
志乃「そうだがその様子だと無理そうだな。もっと軽い物にするか。」
雫は傘を振り回そうとして引きずっている。
雫「そうしてもらえると助かるわ。」
風見「ワイも戦わないんだけどどうしよう?」
志乃「風見も重い武器は向かないよな。飛び道具とか合いそうだがこれとかどうだ?」
管狐は小型の銃を持って来る。
風見「これ、、」
志乃「前に押収した物を改造したものだ。」
風見「大丈夫なのか?」
志乃「試し撃ちはしてあるからこれ自体は問題ない。」
風見「ワイに扱えるかの心配なんだけどな。」
志乃「そうだな、1回撃ってみるか。」
風見「う、うん。」
風見と志乃は中庭に移動し、志乃は縁側に座ってそれを見る。
風見は志乃の指示で一発撃ってみるが反動で転がってしまった。
志乃「大丈夫か?」
風見「ワイは平気だけど、これは向いてないな。」
志乃「みたいだな。」
風見「、、なあ、この筒だけってあるか?」
志乃「あるぞ。」
風見「それ貰ってもいか?」
志乃「ああ。」
管狐に筒を持って来てもらい風見は受け取るとその筒に玉を入れて風で飛ばしてみるが威力が足りずに落ちてしまう。
志乃「吹き矢ならあるがそれだと妖力を使わないという趣旨とは違うんじゃないか?」
風見「やっぱり駄目か?」
志乃「いや、飛ばした後なら関係ないか。近付かれた時は筒の方で応戦できるから良いんじゃないか?」
風見「良かった。」
志乃「筒も大きさを調整しよう。飛ばす矢には毒を塗る事も多いからその辺も覚えてもらうぞ。」
風見「分かった。」
風見の武器が決まったので2人が道場へ戻り、志乃は椅子に座る。
道場では雫がまだ悩んでいて樹霧之介は様々な武器を試していた。
志乃「まだ決まらないか?」
雫「私に扱えそうな物が無くて、、」
志乃「雫は武器は向いてないのかもな。」
焔「雫は参加しないのか?」
志乃「いや、少し待ってくれ。9号。」
9号「なんだなんだ?」
志乃「奥に籠手があっただろ。取って来てくれないか?」
9号「任せろ。」
志乃は9号から籠手を受け取り雫に渡す。
9号「また呼んでくれよ。一走りしてやるぜ。」
志乃「ありがとう。」
雫「管狐達が喋るのまだ慣れないわね。」
志乃「私にとってはこっちが本来の姿だけどな。それでこれは武器とは違うが攻撃を受ける時には使えると思うんだがどうだ?」
雫「自衛はできるって事ね。だけどこれ少し派手な色じゃない?虎?」
志乃「鬼から貰った虎の皮だな。丈夫だから籠手に加工したが気になるなら染めるか?」
雫「そうね。できれば地味な色にして欲しいわ。」
志乃「大きさも調整しないといけないからな。その時に色も変えるか、黒でいいか?」
雫「ええ。だけど動けるようになってからで良いのよ。」
志乃「4号は染物もできる。補助はするがそこまで負担はない。」
雫「それなら良いけど、、言い出しといてあれだけど無理はしないでね。」
志乃「ああ。雫は決まったな。あとは樹霧之介だが、これで良いだろ。」
志乃は近くに置いてあった杖を投げて渡す。
樹霧之介「僕だけ適当じゃないですか?」
志乃「違うぞ。木の棒ならお前なら木があれば何処でも調達できる。妖力が使えるなら伸ばして攻撃もできるからお前に合っていると思ったんだ。」
樹霧之介「そうだったんですね。」
志乃「もう少し小さい物を携帯していれば木のない場所でも戦えるしな。」
樹霧之介「確かに。僕これにします。」
志乃「気に入ってもらって良かったよ。それじゃ全員走り込みに行ってもらおうかな。私が動けない間はそれを繰り返してもらうぞ。」
樹霧之介「はい。」
樹霧之介は杖を腰に付けられるくらいの大きさにして腰に付けて走りに行き、焔も鉄爪を腰に付けて走る。
雫と風見は武器の調整が済むまで何も付けずに走り、志乃は縁側でそれを眺めていた。
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