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1話
「あの…宮前さんとは喧嘩してないし、西原さんと呑みに行ったのは四日前だそうです」
キッチンで待っていた颯介と山上に祐斗が報告すると、二人は顔を見合わせた。
「寄り戻した事について、触れないって事はもしかして…なのかな?」
颯介は苦笑いを浮かべ、コーヒーを飲んだ。山上は二本目のタバコに火を付けて、溜め息と一緒に煙を吐いた。
「宮前さんを呑みにでも誘いますか?…あれ、でも最近ちょくちょく来てますよね?」
ずるずるとコーヒーをすする山上は、方眉をあげて、それがとうしたと、颯介に続きを促す。
「社長に用あるなら電話かメールだったんじゃないんですか?」
「むつの様子が気になってんだろ…みやは何か知ってんのかもな」
牛乳を足してカフェオレにしたコーヒーに、祐斗はガムシロップを二つプラスし甘い液体を飲んでいる。
「それなら、尚更ですね。呑みに誘いましょうか」
「湯野ちゃん…みやと仲良くないくせに」
「えぇ。なので、祐斗君を連れて行ってください」