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淡々後漢書  作者: ンバ
第十五、鄧晨伝
20/102

五・六、冀州指折りの治績、灌漑に従事/後嗣その後

5.

晨好樂郡職,由是復拜為中山太守,吏民稱之,常為冀州高第。十三年,更封南䜌侯。入奉朝請,復為汝南太守。十八年,行幸章陵,征晨行廷尉事。從至新野,置酒酣宴,賞賜數百千萬,復遣歸郡。晨興鴻郤陂數千頃田,汝土以殷,魚稻之饒,流衍它郡。明年,定封西華侯,復征奉朝請。二十五年卒,詔遣中謁者備公主官屬禮儀,招迎新野主魂,與晨合葬於北芒。乘輿與中宮親臨喪送葬。謚曰惠侯。


(訳)

鄧晨は郡職をよく楽しみ

これに由り、復た拝されて中山ちゅうざん太守となった。

吏人や民衆はこの事を称え、

(治績は)常に冀州でも高水準であった。


十三年(37)、新たに南䜌(なんらん)侯に封じられた。

入りて朝廷の要請を奉じ、復た汝南じょなん太守となった。


十八年(42)、

章陵への行幸の際に

征きて廷尉ていいの事業を兼行した。


新野しんやに至るに従い、

置酒(酒盛り)し、宴も酣となると

数百千万を賞賜され、再び郡へと帰された。


鄧晨は鴻郤陂こうげきはを興し

數千頃の田野を灌漑し、

漁業や稲作を豊かにして

汝南の地を栄えさせ、

他の郡にも利益が幅広く行き渡った。


明年に事業が定まり、西華せいか侯に封じられた。

再び征きて朝廷の要請を奉じた。


二十五年(49)に卒した。

詔を宮中の謁者に遣って

公主の属官の礼儀を備えさせ

新野の主魂を招き迎えて

鄧晨とともに北芒ほくぼうに合葬した。


乘輿(光武帝)は中宮(陰皇后)とともに

自ら遺体の葬送に臨んだ。


諡して「恵侯」といった。



(註釈)

治水で結果出してる人は評価上がります。

長江や黄河を日本の河川のイメージで

捉えちゃあかんよね。



6.

小子棠嗣,後徙封武當。棠卒,子固嗣。固卒,子國嗣。國卒,子福嗣,永建元年卒,無子,國除。


(訳)

小子の鄧棠とうとうが嗣いだ。

後に武当ぶとう県に徙封された。


鄧棠が卒すると、子の鄧固とうこが嗣いだ

鄧固が卒すると、子の鄧国とうこくが嗣いだ。

鄧国が卒すると、子の鄧福とうふくが嗣いだ。

永建えいけん元年(126)に鄧福が卒した際に

子はおらず、国を除かれた。


(註釈)

三国志の鄧艾とうがいが南陽(義陽)の人だから

てっきり鄧晨の系譜かと思ってました。



最後にワシの個人的な鄧晨評です。



戦闘 ★★★★★★ 6


昆陽の戦いに従軍。

その後、京などを平定。


銅馬・高胡戦でしっかと

援軍をよこしてくれたので

光武帝は安心して戦うことができた。


李通と同程度しか戦には出てないけど

決して弱くない。



・戦略 ★★★★★ 5


この項目は特筆すべき点はなし。


鄧奉が反乱したのに

鄧晨に何のお咎めもないのは

何らかの工作を講じてたとか?

憶測でしかないので何とも。



・内政 ★★★★★★★★ 8


更始政権下の常山太守。

銅馬戦で補給を絶やさなかったのは

あの蕭何を彷彿とさせる

ナイスアシストでした。


中山の統治、汝南の灌漑。

どっちも抜群にすごかった。

朝廷からの要請で太守抜擢だから

それだけ治世の手腕を買われてた。



人格 ★★★★★★★ 7


小長安の敗戦で何もかも失ったのに

それでも劉秀と劉縯に

恨み言を言わないぐう聖。


それが脚色だったとしても、

鄧奉の死後に

光武帝との関係がまるで

ギクシャクする様子が見られない。

重用され続けたのは

鄧晨の人格の賜物ではなかろうか。


蓋を開けてみると

李通と全く同じ評価になった。

ほんと光武帝配下ってバランスいいなぁ。

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