44 武の頂き
まじかよ…
いやね、細切れとか吹き飛ぶとかなら予想できたよ?けどさ、爆発は無いんじゃないの?
しかも、その相手と平然と切り合ってる黒い人も黒い人だよ。
どうやってそこまでやってるんだ?
どうしたらその領域まで行ける?
なんか無理そうだ。
まあいい。
とりあえず続きを…ってあれ?
やめてる?
「老体には来るものがあるのぉ。」
「無理すんなっての。
まあ、しゃーねぇか。
いい運動になったしな。
お〜い、血花さん今日の昼飯は?」
「フンッ!!あんたに食わす飯はない!!」
「ひでぇ…」
なんか…
終わってたみたいだ。
しかし、すごい。
あの戦いが。
まるで世界が違う。
俺は本気でこの武術を学んで来なかった。
確かに奥義というか技?は使えるし自力で形にした物も持ってる。
だが、やっぱり本気で習ってるのかと言われると習っていない。
週に2回軽く稽古に加わるだけだ。
本当にそれだけ。
たったこれだけで化け物になれる。
そんな武術だ。
この武術は。
まあ、少し話がずれた。
じいちゃんの戦いに当てられたんだろうな。
この武術を一度本気で爺ちゃんに習おうか…。
いや、これには基礎しかない。
残りはすべて応用だ。
ならば…挑むべきだろう。
だが、じいさんに挑むのは怖いな。
うん、黒い人に挑もう。
どちらも強さは同じだろうけど明確な強さがわかってる爺さんより黒い人のほうがわからないから恐怖は薄れると思う。
少し、戦わせてもらおうか。
「すいません」
その一言で全員がこっちを振り向く。
怖えぇ…
「黒さん、一度戦わせてくれませんか?」
「俺の名前は黒じゃねぇんだけどなぁ…
それに、今の戦いを見て俺に勝負を挑むのか?
合理的じゃねぇと思うぜ?
勝ちたいのならそこらにいる子供達と戦えばいいだろ?」
「合理的云々、勝ちたいという自尊心を満たしたいと言うわけでなく、一度自らがどれほど弱いのか確認したいだけですよ。」
「へぇ?まあいいぜ?来いよ」
そう言うと、彼は刀を納刀し無手になる。
なめられてるなぁ。
まあ、当然か。
ならその余裕を無くしてやるまで。
「本当にそれでいいんですか?」
「全然構いやしねぇよ。
お前如き、俺からしたら誤差の範囲だ。
そうだなぁ…
俺にまともに一太刀入れたら褒美をくれてやるよ。」
そう言うと、彼は自然体になる。
俺も本気でかかるか。
鞄から木刀を取り出し彼の前まで行くと木刀を正眼にかまえる。
いつでも踏み込みはできない。
タイミングを逃せばこの瞬間に負けが確定。
やべぇ。
緊張する。
軽く息を整え木刀を軽く振りかぶり切りに行くっ!!
「ハアっ!!」
「丸見えだっての!!」
そういうふうに返されたときには彼の足が俺の足へと迫り俺を転がす直前だった。
危ないっ!!
とっさに振り切ってすら居ない木刀を片腕で持ち受け身を取れるようにする。
そして、近くにある彼の体に向けて死角木刀を振る…が、無意味に終わる。
「遅えんだよ。
その程度の速度なら見てからでも避けれる。」
まあ、見られてないのに避けられると想定はしてたけどやっぱりショック。
だがそんなこと言ってる暇などない。
いまのが不発に終わったのなら、受け身を取りながら距離を稼ぐのみ。
こんな化け物相手にまともに戦えば相手のペースに乗せられるだけだ。
それだけは避けなければならない。
もし乗ってしまえば確実に負ける。
一太刀入れるなど夢のまた夢。
まあ、相手もそれを分かっててあえて載せられてるんだろうけど。
まあいい。
全力で殺しにかかるぞ。
設定上最強同士の戦いでした。
楽しめたでしょうか?




