救済⭐︎愛を紡ぐ埴輪だよ!
「ああ、なんて美しいんだろう」
黒騎士は花畑の中で仰向けに倒れていた。
そこに上から覗き込む女性の姿があった。
「本ッ当に無茶ばかりして!!」
その女性は頬を膨らませながらも、瞳に涙を浮かべていた。
「長かったな…… やっと会えた。白巫女」
黒騎士は彼女の頬に手を伸ばす。
白巫女はその手を握りしめ。
「ありがとう。黒騎士。 それと……」
彼女は視線を花畑で冠を作る少女に向けると
「素敵な魔法使いさん」
と、頬を綻ばせた。
黒騎士と白巫女の姿が次第に透け始める中、
「黒レ騎士さん。念願のハッピーエンドですわね」
と、メオが笑顔で駆けつけた。
彼女に向かい、白巫女は「ふふっ」と笑い
「いいえ、まだハッピーエンドじゃないわ」
と、天を見上げる。
「私は白巫女…… 本当の意味は死路神輿。魂の送り手よ」
白巫女は手をかざすと、そこには輝く光が。
「あなた達の仲間が欠けるとハッピーエンドにならないでしょう?」
光の塊は花畑に着地すると、その中から……。
「え? 僕の身体が…戻ってる?!」
ハンムラビが驚いた表情で自分の掌を見つめていた。
「あとは…… この人も必要でしょう?」
………… まあああああ!! なんて事でしょう?!
みんなのアイドル、モノローグ復活ッッ!!
これには全世界がスタンディングオベーション確定ですッ!!
「レイルちゃん。アッシのために協力してくれたんだよ?」
ハオちゃんはレイルちゃんに笑顔を近づけます。
いけない! このままでは百合展開になってしまう!
「いいえ、ハオちゃんの為だけじゃないわ。 これは、あたしへの救いでもあるの。 もう一度、奇跡を信じてみたかったのかもね」
そう言って2人はクスクスと笑い、お互いが作った花の冠を被せ合いました。
「……ハオちゃん。ありがとう。 最後に最高の思い出ができたわ」
そういうレイルちゃんは…… なんてこと?!
身体が透け始めたわ!!
「レイルちゃん。一人では行かせないよ。アッシは誓ったんだよ。みんなを救うって」
ハオちゃん? 何を言っているのかしら?
「アッシもレイルちゃんと一緒に彼岸に行くよ」
「何を言ってるのですわッ?! そんなのダメですわ!!」
メオちゃんはハオちゃんに駆け寄ると腕を掴みます。
「何を馬鹿な?!」
「ふざけないでよね!!」
ハオちゃんの仲間達も叫ぶ中、ハオちゃんはゆっくりと呟いたのです。
「みんな、今までありがとうだよ。 アッシは幸せな埴輪だったんだよ。 だけどね? アッシは埴輪。本来、死者に寄り添う副葬品なんだよ。役目を果たす時が来たんだよ」
そんな馬鹿なッッ?! ハオちゃんが! ハオちゃんが居なくなったら私はどうすればいいの!
「何を言ってるのハオちゃん? あなたはこの世界の光。あたしと来てはいけないわ」
レイルちゃん、よく言ったわ!!えらい!!
「それじゃあ、レイルちゃんが可哀想すぎるんだよ! 今まで、長い間一人で……。暗闇の中を彷徨って……」
ハオちゃんの言葉にレイルちゃんは微笑みます。
「だーめ! ハオちゃんはこの世界を笑いで満たすんでしょう? あなたが居なくなれば笑えないわ」
レイルちゃんは
「そろそろ時間ね……。さようなら、ハオちゃん」
と、姿が薄れていきます。
黒レ騎士と白巫女も笑顔で手を振り消えゆきます。
こうして、魔砲少女達の戦いは幕を閉じ……。
「待つんだよッ!! レイルはこのままじゃ天国に行けないんだよ! メオちゃん!アッシが何とかして帰って来るから待ってて!」
あああッ?! なんてこと!
ハオちゃんはレイルちゃんを抱きしめて、一緒に消えてしまいました!!
これは読者への!ハッピーエンドへの裏切り行為です!!
ハオちゃん!! ダメよ!戻ってきて!!
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