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HANIWA⭐︎HAO  作者: なかと
第三章 ノロワ=レイル編
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聖夜⭐︎クリスマスくるしみますだよ! 後編

「YAAAAA!! アッシはぁ! ハオちゃんッ! プロレスラーだよォォ!! みなさんッ元気ですかぁ!!」


 元気があれば、なんでもできる!! さあ、ハオちゃん。ノロイをやっつけましょう!


「こちら実況席。聖なる夜に相応しい試合が始まりました! 僕はハンムラビ。この熱き戦いを実況します! 解説にはモノローグさんにお越しいただいています。 よろしくお願いします」


 お願いします。


『なんでプロレスのリングが出現してんだよ?! クリスマス要素どこいった!』


 ノロイは混乱しているようですね。クリスマスといえば告白。告白といえば指輪。 つまり、リングってことですねぇ!!


「そのリングではありません。 さあ、ゴングが鳴り試合開始です」


「喰らえだよ!魔砲、延髄斬り(ケーキカット)!」


「おっと、初手から大技です。しかし!」


 ノロイはケーキを盾にしていますね。自腹で購入していたとは、なんて卑怯な手を使うのでしょう!


『あ、あっぶねぇ。ケーキ買っといて助かったぜ。魔砲少女、このケーキがある限り、攻撃は出来まい』


「これにはハオレスラーも表情を歪めています! いったい、どうすれば攻撃が出来るのか?!」


 おや、ハオちゃんに動きがありますよ! どうやら彼女は衣装替えをしているみたいですね?


「ケーキのノロイ。クリスマスケーキを楽しみにしている子ども達の夢を奪わせないんだよ!」


「おおっと?! ハオレスラーは観客席に向かって人差し指を天にかざしていますね?」


 これは…… まさか!


「いっくぞぉ!! ご唱和くださいだよ。 いち!にぃ! サン……タァ!!」


「これは素晴らしい! ハオレスラーはサンタ衣装へチェンジしましたね!! 観客席も大盛り上がりです!」


 プレゼントにも期待ですね!


『て、テメェ? どういうつもりだ?!』


 ノロイは体勢を崩しましたね。今がチャンスです。


「ケーキのノロイ。これでとどめだよ。 魔砲!悪い子にはプレゼントは無しだよぉ!」


『そんなのは嫌だぁ! ごめんなさい。いい子にしますぅ』


「鮮やかに決まりました! これでケーキのノロイは浄化されました。モノローグさん、素晴らしい試合でしたね」


 こんなにも美しい試合は見たことがありません。

今日はありがとうございました。


「ありがとうございました。 この後は、メオチューバーvsクリぼっちの番組をお届けします。チャンネルはそのままで!」



 と、いうわけでケーキのノロイは撃破されました。

一方、メオちゃんサイドでは……。

 なんて事? メオちゃんが苦しんでいます!!

これは!クリぼっちのノロイによる、心無いコメント攻撃!!


『どうせ彼氏いるんだろう?』

『クリスマスイヴに配信なんてあざといよなぁ』

『ぐふふ。メオちゃん、室内を全部映してよぉ?』


 メオちゃんになんて事を! 許せません!!


「なんて怨嗟を含んだ言葉なんですわ。メンタルが削られますわ!」


 しかし、メオちゃんは健気にも笑顔を絶やさずノロイに語りかけました。

「ノロイさん。そんなに世界を憎んではいけませんわ。 あなたにもきっと現れる。運命の人が」


 ああ!! メオちゃんの頭の上に光の輪が浮かんでいます!

 その姿ッ、まさに天使! いや、女神様!!


「天使の輪じゃないのよね。ウチのリングライトなのよね」


 なんという合体魔砲!! その神々しさと眩さにノロイは涙を流しています。


「とどめですわ。あなたに訪れる運命の人は……警察ですわ! 魔砲!シーペイン(痛い目に)ですわ!」


『誹謗中傷はいけないよぉぉ!!』


 こうしてノロイ達を浄化した魔砲少女たち!

黒レ騎士は空気と化しながらもクリスマスケーキを死守したのです!


「3カウントで、呪・詛・封・印!!(字余り)」


「メリークリスマス! 邪・心・消・滅!!」


「ウチの台詞がほとんどないのよねぇ!!」


「……モノローグの声は、やっぱり僕にしか聞こえていないんだな……」


 今日も魔砲少女たちは世界を救い………?



 【 自 壊 ノ 刻 】


『見つけたぞ。 我が愚かな独白よ。 さあ、我の元に還るがよい。 そして、この世界を終わらせよう』


 あ、あなたはノロワ=レイル!?


 これは…… 何?!


 記憶が、流れ…混んで…くる。


 

 真相は、こういう事だったのね。

なんて事なの。




 ── 疑いもしなかった。

私は私であると。


 この世界を俯瞰し、ハオちゃんたちと楽しく過ごす。


 それが私の日常であり、現実だった。


 私の名前…… モノローグ。


 ── それは独白という意味。


 本来なら、物語の語り部は

  ストーリーテラーやナレーターという。


 私はモノローグ。


 かつて、存在したレイルという少女の……


 ノロワ=レイルとなる前に残した


 楽しい世界を夢見た独白。


── だから。私はハオちゃんたちと、笑いに満ちた楽しい世界を作りたかった。

 この想いに偽りはなかった。



『我が独白よ。 まさか、自分の蒔いた種がここまで育つとは思ってもみなかった』


 ノロワ=レイル! たとえ、それが真実でも、この世界に指一本触れさせないわ!


『何をいう。お前は我の一部。我の能天気で世間知らずな馬鹿げた理想』


……違うわ。私は……私はもう、ただの『理想』じゃない。ハオちゃんたちと一緒に笑って、この世界の『今』を愛する心なのよ!


『フン。その「今」とやらも、我という現実の前では一瞬の夢に過ぎない。さあ、戻れ』


 ノロワ=レイルが冷たい手を伸ばす。その指先が私という思念の境界線に触れた瞬間、私の中に『漆黒の絶望』が流れ込んできた。


 ── 痛い。暗い。寒い!


 ……っ! レイル……あなたは、こんなに真っ暗な中で、ずっと独りで『自壊』を待っていたの……?


『……黙れ。余計な感情を描くな。お前がハオなどという埴輪と遊んでいた間、我は……!』


 ハオちゃんは、ただの埴輪じゃない!! この世のヨクボウやゴウヨク。ノロイでさえも、誰一人として傷つけず楽しい世界を描いてきたの!


 見てよ、レイル! 私が……あなたが願った『愛情』が、こんなにカラフルな世界を作ったのよ! 理想を否定しないで! 虐殺の未来を肯定するための呪いなんて、悲しすぎるでしょう!


『……やめろ。その眩しい光を消せ! もう良い、貴様はまもなく我に統合され、そのふざけた意識は消える。このふざけた世界と共に』


……ハオちゃん、メオちゃん。聞こえる……?


 これから、あなたたちを導くことが出来ない。

どうか、どうか! 


 あなたたちの描く未来に…… 祝福を……奇跡を。

…… …。


『……ふん、やっと消えたか。さあ、魔砲少女。物語を導く語り部を失い、貴様らの勝機は潰えた』


 ノロワ=レイルはフードを深く被り直すと空を見上げる。

『ふふ、これが最後の足掻きか。 よかろう、この涙が乾いたその時、この世界の終焉は始まるのだ』


 その頬を、一筋の温かい雫が伝っていた。


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