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優夜と花  作者: 瑞代 杏
14/18

13.近所の公園で涼もう




「んー、とっても涼しいですね、優夜」

「だなー」

 今日は日曜日、俺と花は近所の公園に涼みに来ている。

 家ン中より外のほうが涼しい、こんなに風が涼しい日は外に出るに限る。

「みーんみーんみーん……」

 暇なのか、蝉を真似をし始める花。

「ははは、せみはまだ土の中だぞ?」

「みーんみーんみーん……」

「はぁー、平和だねぇー」

 ホント、平和だねぇ……。

 こうしてると、世界のどっかで戦争が起きてるなんてことは忘れちまいそうだな。

「みーんみーんーだーはー」

 ……――眠々○破か?

「……飲みたいのか? 花」

「いえ、それほどでも?」

「そか。アレだけはやめとけ……飲み慣れてねぇとマスターリバースだからな」

「ますたーりばーす?」

 おや、動画やネットの用語に詳しい花さんが珍しいですな。

「ゲロを吐くことだよ」

 正式には吐符「マスターリバース」らしいが、そんなことはどうでもいい。

「そうなんですか。分かりました、みんみんだは?だけは飲まないようにします」

「賢明だな。あれはマジでヤバい……」

 以前、徹夜した時に飲んだが……確かに2時間は眠気のネの字すら吹っ飛んだが……その後の反動で強烈な眠気はするわ、腹具合はおかしいわ、挙句の果てにマスターリバースするわで散々だった……もう二度と飲まねえぇ!!

「ふぅ、本当に風が気持ちいいですねー」

「ああ、気持ちいいなぁー」

 涼しいな、嗚呼気持ちいい、風が吹く――

 何故か出来損ないの川柳みたいになったが、それほど気持ちいいってことだ。

 とはいえ、少し喉が渇いたな……近くの自販機で何か飲むか。

「花、ジュース買ってくるけど何飲むか?」

「んー? じゃあ、花は……タ○クリアがいいです」

「ヲイ……それもう売ってねぇよ!!」

「えー……じゃあ、ステ○アかポカリをおねがいします」

「あいよ」

 ス○ビアももうねぇだろうが、ポカリは確実にあるだろ。

 自販機に着いたので金を取り出す、500円玉を入れる前にチラッと売ってるモノを見てみたが――

「……メッコ○ル、ステ○ア、タブ○リア、カ○ェコーラ、ペプ○しそ味、炭○文明、シュールs――なんだこりゃ?」

 ……キワモノか絶滅種か絶滅危惧種ばかり売ってるように見えるんだが……気のせいか? 最後のは飲み物ですらないと思うが……。

 もちろん、普通のコークやポカリも置いているには置いているんだが、圧倒的に数が少ねぇ……。

「俺は、メッ○ールにするか。花はポカリだな」

 メッコ○ルは隣の国のコークで、評判は良くないが俺は嫌いじゃない。

 花のは……ス○ビアだと賞味期限がヤバそうだし、普通のポカリにした。

「ふー」

 ベンチに戻ると、花は暇そうに足をぶらぶらさせていた。

 ん? 公園とベンチ……いや、何も言うまい。

「あ、おかえりなさい。優夜」

「ああ、ただいま。ステ○アはなかったからポカリな」

「はい、ありがとうございます。優夜……?」

「ん? どした?」

 花の視線が、俺が手に持っている細い缶に集中する。

「そんな飲み物で大丈夫ですか?」

「大丈夫だ、問題ない」

「……」

「……」

「……ふふふー」

「ははは。ま、早く飲もうぜ」

「はい、ごくごく――」

 俺も座って缶のプルタブを開けて一気に飲む。

 コーク系は一気に飲むのがマイジャスティスだ。

 ……意味わかんねぇ。

「んー? なんだかねむくなってきました……」

「寝てもいいぞ、いい時間になったら起こしてやるからな。ほら、ポカリこっちによこしな」

「はい、それじゃ……おやすみなさ……ぃ――すやすや」

 俺の太ももの上に頭を乗せた花は、よっぽど眠かったのか、すぐに寝息を立て始めた。

 俺は、なんとなくその髪を撫でてやる。

「ホント、いい風だよなー」

 涼しい風を感じてるうちに俺もなんだか眠く……まぶたが落ち――




「――んー? はっ!? 優夜優夜! 起きてください!! もう夜ですよっ!?」

「んー――……何ィ!? しまった! 俺まで寝ちまってたのかっ!?」


 俺達2人ともアホの子でしたとさ……めでたしめでた――くねぇわいっ!!

自販機に売ってたシュールsは開けるとヤバい缶詰のことです(汗


11から15は所謂お出かけ編なので、どれも外に出た時のお話になります。

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