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Look at me...  作者: 宮野彩希


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2/2

後編 今すぐ 梨花side

「そんなことないよ。梨花ちゃんの魅力に気が付く前に目移りしてしまったんだよきっと」


 (またこれ……)

 梨花は泣きじゃくりながらそう考えていた。

(なんで昔みたいに抱きしめてくれないの……?)


 小学生のころまでは家で不機嫌な親に八つ当たりされると、いつも抱きしめながら慰めてくれたのに。


 中学に上がってから春樹くんはいつもそうだ。私が彼氏を作ると邪魔をするくせに恋人らしいことは絶対にしてくれない。


 はじめは中学の時だった。なかなか付き合ってくれない春樹くんにイライラして、当時私に告白してきた先輩と付き合った。春樹くんほどじゃないけど整った顔立ちをしていたし、女子人気の高い先輩だったから少しは嫉妬してくれると思った。


 なのに、


 

 「ふーん。おめでと」

 


 それが春樹くんの反応だった。


 少しでも焦ったような態度を期待していた分、ショックだった。

 

 (どうやったらもっと私のこと見てくれるかな)




 それから先輩と一緒に帰ったり、昼休みに仲良さげに話したりしているところを見せびらかしても、おそろいのキーホルダーをつけても、ストーリーに一緒に撮ったプリクラを載せても何事もなかったかのように接してきた。


 (私のことほんとにどうでもいいのかな……)


 そう思っていたころ、先輩が突然振ってきた。

 理由は分からない。何も言われなかったから。他に好きな人ができたのかもしれないし、単に私に魅力を感じなくなったのかもしれない。


 振られた帰り道。春樹くんに会った。


「なんか暗いね。大丈夫?」

 心配しているようなことを言っているが、顔は少し機嫌がいいように見えた。

「別に、春樹くんはなんかいいことあったの?」

「そう見える?とくにないけど」

 

(嘘つき)

 

 今は好青年タイプになったが、このころの春樹くんはクール系で感情を表に出すことなんて滅多になかった。だからすぐに何かあると分かった。

 

「ふーん、あ、そういえば、彼氏と別れたから」

「へー、そうなんだ。落ち込んでる?」

(……)

 その時は確信が持てなかったけど、その後二人くらい付き合って別れての流れをやって、春樹くんが絡んでいると確信した。

 


 

 今回だって、海に誘ったのは新しい彼氏と一緒にいるところを見せびらかしたかったのはもちろん、水着でほかの異性と話すところを見せるためだった。

 

 だから、春樹くんが佐紀ちゃんを連れてきたときは安心した。

(また私の恋愛の邪魔をしてくれる)


(こうやって二人きりで会ってくれるのに何でダメなの……?)

(もしかして、すぐにほかの男に尻尾振る女は嫌い?全部春樹くんのためにやってきたのに!)

 梨花は彼氏に振られたことで泣きじゃくっているのに、春樹のことで頭がいっぱいだった。



「梨花ちゃん、」


 春樹がそう呼ぶ。


 「元気出して、きっと梨花ちゃんのいい所見つけてくれる人と出会えるよ」

「ありがと……」

(私は春樹くんがいいのに……)


「せっかくだし、なんか歌ってく?」


 「うん!」


 涙を拭いて、春樹くんが差し出したマイクを受け取った。


 (まだ見捨てられてはいない。きっと大丈夫。)


 そう、考えていた。

 

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