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悪役令嬢、亡命して国家魔術師になる  作者: 星空月夜
ルート2マギラ王国と国家魔術師試験
12/23

王都到着

本当は敬老の日に投稿しようと思ってたんだけど

冒険者一行は王都に向かう途中で下車し、乗客は私一人になってしまった。神官もどきになんで話し掛けてしまったのか。今更悔やんでも遅いけど、悔やまずにはいられない。彼は、私が貴族になる前によく遊んでいた子に似ていた。もし、彼が成長したら、あんな感じになってたのかな。会いたい。けど、もう、会うことは叶わない。


「お客さん、今日はここで宿をとってください。明日には王都に着きますよ」


御者の青年に言われ、馬車から降りる。嫌なこと、思い出しちゃった。一人ぼっちは、怖い。


宿を取り、ベッドに腰を下ろした。鞄から一冊の手帳を取り出す。マギラに着いてから、私は日記をつけることにした。最初はその街の雰囲気とかを記録していたけど、王都に近付くにつれて、街は似通ってきてしまい、書くことがなくなってしまった。すると、私の日記帳は過去について書くようになってしまった。改めて文字に起こすと、波乱万丈だよね、私の人生。我ながら凄いと思うよ。マジで、さ。


「さて、日記も書き終わったし、寝るとしますか」


明日には王都に着く。一度、師団長さん達に手紙を出そうか。王宮に送れば届くよね?そもそも、試験はいつなんだ?


翌日、私は馬車に乗り込み、王都に到着した。長かった。とにもかくにも長かった。王都の中はどの街よりも賑やかで、人も多く、気分が自然と高揚してきた。おっと、のんびりしていられない。家は試験の合否が分かってから買うとして、まずは情報を集めないと。


私は近くの宿屋に入り、一ヶ月分の料金を払った。受付の子はこの宿屋の看板娘のミカちゃん。すごく、騙されやすそう。


今回は奮発したからか、今までで一番いい部屋を取った。他の客室の二倍の広さで、一ヶ月住む部屋としては悪くないだろう。冷蔵庫も大きいし、冷暖房付き。この魔道具、カランにもあればよかったのに。冬は暖炉で寒さをしのぎ、夏はなるべく薄着をした。だが、この魔道具があれば常に快適な空間を作り出せる。ちなみにこの魔道具を作り出したのは転生者だ。この世界には極稀にこことは異なる世界の記憶を持って生まれてくる人がいる。その人達を積極的に保護しているマギラは、魔道具の面でも他国より一歩抜きんでている。教育・財政・軍事力に技術力など、様々な面において、マギラは他国よりもずっとずっと先を行っている。だから、ここまでの大国を作り出すことができたと言えよう。


今日は疲れたから、手紙だけ出して、王都散策は明日にしよう。私は手紙に無事王都に着いた旨を書き、ミカちゃんに頼んで出してきてもらった。


「はっ!試験について、書くの忘れた!」



カーテンの僅かな隙間から、太陽の光が部屋に差し込んでいる。重い体を布団から出し、白いカーテンを開ける。空は快晴で、散策日和である。欠伸を噛み殺しながら、パジャマからいつもの服に着替える。久しぶりに熟睡できたかもしれない。ここまで大きい王都なら、魔物を退治してくれる人も多いし、不審者が入り込んでも警備兵が捕まえてくれる。カランの人間も、マギラ王都にいれば手出しはできない。なんて安全な環境なんでしょう。


王都に入る時に貰った、観光客用に配布されている王都観光マップを見ながら今日の予定を決めていると、コンコンとドアがノックされた。誰かな。


「はーい」

「レインさん、朝食をお持ちしました!入ってもいいですか?」


ミカちゃんが朝食を持ってきてくれたのね。いやーパンのみ生活ともおさらばか。嬉しいねぇ。私はミカちゃんから朝食の載ったおぼんを受け取り、ちょっと色をつけてお代を渡す。彼女は金額を確認すると、にやりと笑い、頭を勢い良く下げて、駆け足で去っていった。小動物みたいでちょっと可愛い。貴族にはあのタイプの令嬢がいないからね。


はい、では本日の朝食はこちら!ふわふわで温かい、焼き立てのパン、野菜の旨味がたっぷり出ているポトフ、シャキシャキ野菜のサラダに熱々コーヒー。完璧だ。まさしく朝食。朝食の中の朝食。


私はパンを取り、真ん中で割ってみた。すると、中から白い湯気が出てきた。うわ、ちょっと熱そう。サラダを食べてからの方がいいね。私、猫舌なんよ。一旦、パンを皿に戻し、サラダの野菜にフォークを突き刺し、頬張る。瑞々しい。サラダを食べた後、パンに手を伸ばすと、丁度いい温度になっていた。ん、柔らかくておいしい。スープも飲みつつ食べ進め、最後にコーヒーを飲み、優雅な朝食タイムは終わりを告げた。


食器類は出掛けている間に回収してくれるそうだから、放置。私はマップと財布、ナイフを持ち、宿を出た。


「冒険者ギルドに顔を出すか。あそこならあらゆる情報が集まっているだろうし」


冒険者ギルドは宿からそれほど離れていなくて、簡単に見つけることができた。

おしえて、レインちゃん!

?「レインちゃんは嫌いな食べ物はないの?」

レ「好き嫌いなんて、平民時代はできなかったからね」

?「あーなるほど」

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