第二ラウンド
魔法形態に移行したリッチ戦はここからが本番になる。
リッチが魔法を発動すると、武器を持った10体のスケルトンが現れる。
それぞれBランクの冒険者並みの力を持っており無視出来ない
更にその後方からリッチが魔法を飛ばしてくるので厄介極まりない。
「ヴネル、一掃できるか?」
「最大火力で行きます」
フラワーステッキを構え、風の刃を飛ばして真っ二つにするつもりだったが、リッチが出した土の壁に阻まれる。
「うぅ、リッチのくせに・・・・・・最大火力連続!」
先程と同じ魔法に加え、火、水、土、4つの属性の魔法を放つと、リッチの壁だけでは耐えきれず半分は倒す事に成功した。
「流石に効率が悪すぎます」
私が嘆いているも、後ろから声が聞こえる。
「ターンアンデット」
アンデットが特に苦手とする光魔法を放ったのはクリスタさんである。
「あっ、そう言えばクリスタさんって一応聖職者でしたね」
「一応は余計よ。エレオノーラの手紙には貴女のリハビリと書いてあったから最低限のサポートに徹しようと思ったけど、流石に見てられなかったから」
今のターンアンデットで残りの半分も倒しきった。
しかし、リッチは無尽蔵に近い魔力で再びスケルトンを召喚しようとする。
「させん」
レンダさんが籠手の妖力を使用し、リッチを吹き飛ばし壁にぶつける。
「畳み掛けてくれ」
「はい!」
再び全力で魔法を叩き込み、しばらくすると土埃の中からリッチが現れる。
6本に増えた腕が3本に減っており確実にダメージは通っていて用心深くこちらを見ている。
「まだ倒しきれないか」
「そもそもこんな少人数で挑む様な奴じゃないのよ」
準備をした冒険者の集団でも、この第二形態にやられるそうだ。
「残り半分と仮定して、ヴネルは魔力は残っているか?」
「あと3分の1くらいです。クリスタさんは?」
「私はそもそも非戦闘員だから、あのレベルのリッチに効く対抗手段は今日は無いわよ」
「私も妖力を連発するには限界があるし、それ抜きだとあのリッチとの相性は少し悪い。だから、ヴネルには1ヶ月前に練習していたあの技を披露して欲しい」
「あうっ、なんで知ってるんですか?」
「すまない、たまたま覗いてしまったんだ」
「そんな凄い技があるなら最初からやりなさいよ」
「すっごく恥ずかしいんですよ!誰にも見られてないつもりだったのに・・・・・・」
「心配するな私は喋っていないし、他の者は知らない筈だ」
「私も口は堅いから安心なさい」
「うぅ、分かりました」
決心して前に出る。
「う、うるさい!アンタも準備しなさい」
フラワーステッキの笑う声が聞こえ、ギュッと握り締めて集中する。
「ふ、フワフワ キラキラ フラワーガール!」
掛け声を言うと、リボンやフリルの付いたピンク色のワンピースに服が変わる。
しかも、髪型も勝手に変わりツインテールになっている。
そんな私をクリスタさんはジトーッとした目で見ている。
「そ、そんな目で見ないで下さい!」
恥ずかしさでその場にうずくまりたいが我慢する。
「一瞬で終わらせます!レンダさん、サポートを!」
「任せろ」
妖力でリッチの動きを封じ込めて貰い、私は4つの属性の魔法陣を展開し、それらを重ね合わせる。
「オリジナル魔法 フラワーエクスプロージョン!」
魔法を放つと、色々な花の形をした色とりどりな爆発が相手を襲う少しメルヘンチックな光景が生まれる。
それでも効果は絶大で、
「コォォォォォ!」
リッチは断末魔と共に絶命する。
「よくやった」
「あら、もう服を戻したのね」
「あんな恥ずかしい姿でずっとはいられませんよ」
「まぁまぁ似合ってたわよ」
「あんまり嬉しくないです」
「それにしても不思議な杖ね。服装を変えるだけであんな魔法を放てるなんて。どういう仕組みなの?」
「服は関係無いんです・・・・・・」
「そう・・・・・・」
一瞬で察するクリスタさん。
この変身はコタケさんの前世の創作物をモチーフにしているだけで意味が無いのだ。
じゃあ何故そんな事をするかだが、それをいたく気に入ったステッキが変身しないとオリジナル魔法の補助をしないとほざくのだ。
「貴女もなかなか大変なのね」
「ほんと、この杖のせいで」
腹いせにブンブンと振り回す。
「変な所で疲れたので報酬をゲットして帰りましょう」
「無いわよ」
「無い?」
「あのリッチはボス扱いじゃないの。だから、倒しても魔石をゲット出来るだけ」
「そんなぁ」
「一応その魔石は純度も高く、高価に買い取ってくれるから安心するんだ」
「もっと豪華な報酬を期待してました。これじゃあ変身損じゃないですか」
「元々攻略じゃなくて、リハビリだったのなら達成出来たんじゃないの?」
「そうですけど・・・・・・はぁ、そうですね。目的も達成出来ましたし帰りましょう」
こうしてリッチを倒した私だが、気分は下がり気味で帰るのであった。




