ナイショの話
「パパ、相談があるんだけど」
ある日、学校から帰って来たユウキがそう言った。
「どうしたの?」
「えっと」
リビングで他の人も居るからか言い淀んでいる。
「部屋で話そっか」
「うん」
寝室に向かい改めて話を聞く。
「実はね、今日女の子に告白されちゃったんだ」
予想外の相談に少し驚く。
まだ8歳だが、最近の子はそんなものなのだろうか。
「そうなんだ。返事は返したの?」
「ううん、まだ」
「その子とは仲は良いの?」
「同じクラスだし、良く話すよ」
「ユウキはどうしたいの?」
「良く分かんない。良いよって言ったらパパとママみたいになるの?」
「あはは、すぐにはそんな関係にはならないよ」
8歳の子達の好きはちょっとした友達の延長線上の様な物で、大人のそれとは少し違うと考える。
「まだ子供だし焦らなくていいんだよ」
「でも断ったら傷付けちゃいそうで、なんて言えばいいのかな?」
「パパもちょっと手伝うけど、ユウキの言葉じゃないとね」
「うん、分かった」
それから断りの言葉を2人で考える。
「明日伝えてみる」
「うん頑張ってね。ちなみに相手の子はどんな子なの?」
「良い子だよ。あ、あと近くの国のお姫様なんだって」
「えっ?」
「どうかしたの?」
「な、何でもないよ」
まさか相手が一国の姫とは思わなかったが、ユウキにその気が無いなのならしっかり断るのが大事だと、それ以上は口にしないのだった。
〜〜〜〜〜〜
一方その頃、
「ママ、相談があるんだけど」
アリーの元にはリンティアが同じ様にやって来ていた。
「どうかしましたか?」
「ここじゃ話しにくいからお部屋に来て」
「えぇ、良いですよ」
ユウキとリンティアの部屋に移動する。
「実はね、今日男の子に告白されちゃったんだ」
「まぁ!それでリンは何と返事をしたのですか?」
「返事は明日聞かせて欲しいって」
「相手の事は知ってるんですか?」
「あんまり知らないの。なんか一目惚れでーって、友達に聞いたら何処かの王子なんだって」
「王子ですか・・・・・・」
昔の自分を思い出す。
「ハッキリと言いますが、その王子に婚約者が居なければ告白よりも求婚に近いでしょうね。もしオーケーを出せば王子の国が正式に婚約を結ぶ様に言ってきます」
「ママとパパみたいになるの?」
「将来的にはそうなるのと、そこの王族の一員として色々な事を学ばなければなりません。ママにはあまり良い思い出はありませんが、ユリはどうしたいのですか?」
「まだそういう事はしなくて良いかな。だから明日は断る」
「でしたら波風立たない様に断りましょうか」
「なんて言えばいいかなぁ?」
「一緒に考えましょうか」
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ガチャ
「あら?2人も何かお話を?」
「そうだよ。男同士の秘密だけど」
「ふふ、ならこちらは女同士の秘密ですね」
お互いに相談に乗っていたようで笑い合う。
翌日、ユウキは相手を傷付けず今まで通り友達でいたいと話し大丈夫で、リンティアの方も無事解決したようだった。




