内緒の授業参観
「今日はよろしく頼んだよ」
「任せてください!」
俺はルインに向けてお願いする。
その依頼内容とは、ユリの学校での普段の生活を見てきて貰う事だ。
前世の様な授業参加などは存在しないので、本人には内緒で姿を消せるルインにお願いしたのだ。
学校へのゲートを開き、先に向かったユリとベルを追って貰う。
〜〜〜〜〜〜
「さぁ、バレずに頑張りますよー!」
「うん?」
「ユリちゃん、どうかしたの?」
「なんか後ろからルインお姉ちゃんの気配がして」
「こわぁ。お化けかな?」
「あはは、ルインお姉ちゃんはお化けだよ」
「確かにそうだね」
2人は笑いながら学校までの少しの道を歩く。
「危ない、危ない。油断してバレる所でした」
振り向かれた瞬間に姿を消したのでギリギリでバレなかった。
キーンコーン カーンコーン
「授業を始めます」
最初の授業は算数の様で、ユリシアちゃんはまだ8歳なので難しいものではなかった。
(私でも分かります!)
8歳の子達相手に対抗心を燃やしていると、
「ではこの問題を・・・・・・ユリシアさん」
「はい」
教師に当てられ黒板に答えをスラスラと書いていく。
「はい、正解です」
(当然です!アリシアさんにミッチリ教わっているんですから!)
私が誇らしくしていると、ユリシアちゃんが後ろを振り向き私が居る所をジーッと見つめ首を傾げる。
(バ、バレてます?)
視線でバレたのかと思い逸らしていると前を向いて直る。
(ふぅ、危ない所でした)
その後も見守っていたが、授業はどれも簡単そうなものばかりで問題無さそうだった。
キーンコーン カーンコーン
正午、昼食時間となり大多数が食堂に移動する。
「ベルお姉ちゃーん」
どうやら2人一緒になって食べる様で、何を食べるか相談している。
「今日はサンドイッチにしようかな」
「じゃあ私はハンバーグで」
ベルちゃんはサンドイッチ、ユリシアちゃんはハンバーグを選び、2人で向かい合って座る。
(美味しそうですけど、アンさん達の料理の方が美味しいですね。幽霊なので食べられませんけど!)
しばらく見ていると、2人の周囲がざわつき始め1人の男の子がやって来る。
「ユ、ユリシアさん!僕とお付き合いして下さい!」
まさかの公開告白である。
(最近の子はませてますね。ユリシアちゃんはどうするんでしょうか?)
「ごめんなさい」
短くも申し訳なさそうに断った。
男の子は膝から崩れ落ち、食事を終えた2人は去って行く。
「ユリちゃん、今年で何人目だっけ?」
「5人目かな?」
「モテモテ」
「別にそういう事しに来てる訳じゃないんだけどね」
「なんかシェリーさんみたいだよね」
(確かに前にそんな事言ってた気がします・・・・・・)
1時間の休憩が終わると午後の授業が始まる。
午後からは魔法の授業で、的に向かって各自得意な魔法を練習している。
当然、我が家のメンバーに鍛え上げられたユリシアちゃんは飛び抜けて強力な魔法を放っている。
「ねぇ、ユリシアちゃん。どうすればもっと強い魔法打てるのかな?」
「1番は練習する事だけど、例えば・・・・・・」
「ありがとう、やってみるね!」
「頑張ってね!」
「なぁ、俺もちょっと教えて欲しいんだけど」
「私も」
まるで先生の様に頼られら彼女は、優しく同級生に教えるのであった。
〜〜〜〜〜〜
「とまぁ、こんな感じでした」
「「ただいまぁー!」」
「お帰り」
「あっ、ルインお姉ちゃん。今日もしかして学校に来てた?」
「ふぇ!?い、いやそんな訳ないんじゃないかなぁ〜?」
「うーん、でも視線と気配を感じたんだよね」
「ごめんユリ、パパが普段の学校生活をしりたくてお願いしたんだ」
「なーんだ、全然いい・・・・・・あっ、今日のお昼の事も話しちゃった?」
「ふふん、私も女の子ですから勿論ナイショにしてますよ」
「流石ルインお姉ちゃん!」
「何かあったの?」
「「ナイショ〜」」
2人とも教えてくれなかったが、楽しそうに学校生活を送れている様で良かった。




