俺の気持ち、兄の気持ち
「傷が良くなっていくのが本当に嬉しかったんでしょうね、あれからも何度か差し入れをお礼として頂いてます。
メリンダさんとも気が合うみたいで遊びに来られてますよ」
「それだけだと本当に思ってる?」
「それだけでしょう?」
「あの子は君に惹かれているよ。旅についていきたいと思うほど。口には出さないけどね」
「駄目じゃないですか、憶測で話していいことではないでしょう?違ったら怒られますよ?」
「違わないからね。家に籠ってはいたけど元々行動力ある子なんだ。今は毎日外に出て歩いて体力つけようとしたり、ギルドに行って旅について質問したりしてるよ」
「それをゼガルさんから聞いてどうしろと。
俺は彼女の気持ちは知りません。元気になったなら良かったと思います。
そして春にはまた一人旅です。
と言っても兄としては納得しないでしょうね、そんなふてくされた顔されても。
ぶっちゃけるとマイリアさんは俺の好みの人です。好意を寄せてくれて素直に嬉しい。でも惚れてるかと言われたら違うと答えます。
同じ時間を過ごせば惚れてしまう可能性が大きいでしょうけどね」
「なら!」
「俺も彼女もお互いの事をよく知らない。取り繕った表面だけでしょう。少なくとも俺はね。
俺が旅をする理由は、以前祖父と住んでいた村でいざこざがありまして、祖父が亡くなってから住む訳にはいかなかった。
それともう1つ、祖父は薬師としての師匠なんです。その祖父が若い頃に旅をして各地で得た知識を自身で書き留めた薬学書を教材としてね」
薬学書は俺の為に更に解りやすく、追加事項がびっしり書き加えられていた。寝たきりになってからじーさんが思出話を聴かせてくれながら書いていた物だ。俺の大事な遺品で財産です。




