とある冒険者達の呟き
ガキの頃からの付き合いで冒険者として中堅まで一緒にやってきた俺の相棒は、ガキの頃から変わらずアホだった。剣の腕は良い、度胸もあるのだがそれは冒険者としてだ。普段は気の小さい鈍感野郎で、怪我しても治療が嫌で自分で何とかしようとしちまう。何とかなるもんも多いけどな。これはないだろ。
同じチームのライラが怒る怒る。どう見ても協会行きの怪我だ、利き腕ではないけど後遺症は出るだろう。ライラはあいつに惚れてるからなぁ、心配通り越して激怒してる。
受付で化膿止めの薬を発注したけど、効くかね。
薬の代わりにこのギルドの職員の中でも怒らせたらまずいトップが来やがった。
見たことない若い美人の兄さんだが薬師さんらしい。駆け出しか?レオが連れてくるんだから実力者だろうが。
男だろうが女だろうが美人が怒ると怖いのは共通らしい。あいつの腕をちらっと見て、言い訳するあいつに無表情でエグい脅しを淡々と掛けてきた。それでも抗うあいつにキレたのか、口調も敬語からタメ口になり貶し始めた。
無表情で。息継ぎしてる?って心配になるくらいに止まらねえ。しかもあいつの気の小ささを的確に指摘してくる。
え、こいつら知り合いなのか?って思うくらい的確に。
「ねえ、ドルガ。あの人知ってる?」
「知らねえ。この町の者じゃねえな」
「そうよねぇ、あんな美人見たことないもの。ならなんであの人ガディスの性格知ってるの?」
「あれ、あいつの性格を知ってるんじゃなくてただ貶してるんじゃねえか?たまたまそれがドンピシャなだけで」
「そう。薬師さんだから洞察力凄いのかしらね、あそこまで言い当てるなんて」
あ、言い負かされてやんの。
治療の前に香が焚かれた。煙を吸えってなんのまじないだ?煙って上に昇るよな、なんで全部鼻ん中に吸い込まれてくんだろう。




