表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この世界の管理を任されたら!?  作者: ちぼりん
本章「初代異能者の軌跡」
13/19

阻止作戦⑧

アレクサンドルは一応耳を傾けているが、幹部達は信用する気配すら見せない。

それどころか、不審な動きを見せればすぐに討ち取る気配すらある。


双方の言い分を言い尽くした後、ディンが動くー。


「気になることがある。発言してよいか?」


キンメリーが次を促す。


「ああ、構わない。」


「そもそもだ。この国で発現した異能者がこの国の政府に追われる。人間からすれば異能者は驚異のように感じ取れなくはないが、人間社会そのものを脅かそうとする力のある人はいたのか?政府がここまで異能者を粛正する理由がよく分からないのだ。」


「人間社会を脅かす、まではいかなかったが、これまでにも人間を駆逐した異能者はいたぞ。何十人も殺した異能者もいたらしいな。」


「それはごく少数の異能者で全員がそうではないだろう?もう一つの疑問が、他の国で発現した場合、仮にその国の政府が異能者の存在を認識していた場合、その異能者も追われる立場になるのか、という点だ。」


キンメリーはハッとした。


そもそも、異能者は数多の核実験によって生み出された存在。

当然ながら他の国にも潜伏しているはず。


この国、アメリカは世界でも最大数の核実験を行ってきた。

異能者数がどの他の国よりも多いのは確かだ。


だが、その次に核実験を多く行ってきたのはロシアだ。

そして、あの最大威力の核実験が行われたのも、そこの地である。

その時にも異能者は誕生している。


ロシア政府自体も異能者の存在を認知している可能性は高い。


(人工知能よ。目の前にいるアレクサンドルで気になることがある。詳細の情報がないか調べられるか?)


(少々お待ちください。サーチ開始します……)


「他の国なんざ知らねえな。このアメリカで起こっている事なら、他でも起こっている事なんじゃねえのか?」


「仮にそうだとすると、この基地にはアメリカ出身以外の異能者もいるのか?」


「さあな、広く呼び掛けたから、いる可能性はあるんじゃねえか?」


(サーチ完了しました…。アレクサンドルの出身はロシアです。昭和40年代にアメリカへ渡ったものと思われます。これ以上の詳細は不明です。)


(ロシアの人がアメリカにいるとは。昭和40年代、あの最大規模の核実験の後か。)


「キンメリー。さっきから黙っているが何か気になることはあるか?」


ディンに発言を促され、ハッと我に返る。


「ああー、そうだな。そもそもこのアメリカは多人種国家でもあり自由の国だ。他の国の異能者がやってくる可能性は十分にあるだろう。アレクサンドルよ。君はアメリカ出身なのか?」


「いいや。俺はロシアから亡命してきた異能者だ。色々あってな。」


人工知能の供述と同じだな。

それはまあよいとして、なぜイエローストーンを暴走させようとしたのか、という疑問も残る。

暴走させれば当然ながら地球規模に影響を与え、そしてアメリカ本土、そこにいる異能者達が一番ダメージを受けることも今の技術であれば分かっていたはずだ。


「なるほど。もう一つ。守りたい対象としては、国に限らず地球上の異能者全員ということなのか?」


「ああ、そうだ。」


心拍数に変化は見られない。これも虚偽の供述ではないか。


もう少し思考を張り巡らせる。

この基地に招かれている時点で交渉の余地はあると信じているからだ。


先ほどの私とアレクサンドルの戦闘から思い返す。

私もそうだが、アレクサンドルもフルパワー解放で戦闘はしていなかった。

イエローストーンを暴走させたとしても、あの潜在能力からして基地は守り切れる能力はあるのかもしれん。だが暴走させるリスクの方が大きすぎる。


(もしや、はじめから暴走させる気などなかった?なら、なぜ暴走させるフリをするメリットがどこにあるのだ?)


アメリカやロシアは一旦置いておいて、政府という点に着目する。

どちらにせよ、地球規模で影響が出るものであれば各国政府は黙ってはいないだろう。


(仮にそんな暴挙に出ようとすれば、政府は全力で止めるだろう。そして集結した異能者達すべてを粛清しようとするはず。)


まさかー、アレクサンドルは政府の回し者を返り討ちにしようとしている!?

だが、これまでに思考を張り巡らした内容は憶測の域を出ていない。確証がどうしても得られない。


「仮にだが、政府に異能者達を今後粛正しないと約束させ、且つ異能者達も自分を守る術が確立できれば、人間と対立することはなくなるのか?」


「ふん。夢物語だが、その通りだな。」


そもそも、政府が異能者を駆逐しようとする理由もいまだにわからずままだ。


基地全体に振動が走り、サイレンがけたたましく鳴り響く。

部下が突然ミーティングルームにやってきて報告する。


「各監視カメラの人物像を見るとこれまでに戦闘してきた政府の異能者と合致します。何らかの攻撃を仕掛けたようです!」


「次から次へと!俺自らが出陣する!」


「アレクサンドル。私も同行させてくれ。」


「邪魔はするんじゃねえぞー!」


「ディン、すまないがここで待機しててくれ。何かあったときは基地を守ってほしい。」


「我は留守か。承知した。」


即座に基地の外に躍り出るキンメリーとアレクサンドル。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ