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負け主人公である俺が真の青春を謳歌する  作者: えもやん
1年生編……俺が「負け主人公」と呼ばれるまで
15/15

解決

「「ちょっと待ったーーーーーー!!」」


とテンプレ見たいなセリフを吐いて教室に入って来たのは亜蓮と剣解だった。


「それについては俺達が説明してやろう」


と亜蓮が勝手に説明を始めた。


*何週間か前


「最近、朝陽たちよく桜井さんと一緒にいるな」


「そうだな」


亜蓮が剣解に話を振るが、剣解は軽く受け流す。


「なんだ〜?なんか冷てぇな」


「だってこんな話しても虚しいだけだぜ」


「そうなんだよな〜。なんて言うか」


「「普通にずるい」」


剣解と亜蓮の声がハモる。


「おめェはいいだろ女子から結構人気なんだから」


そう剣解は身長のせいか顔のせいか意外と女子から人気であった。


「いや〜そうなんだけど。あそこまで仲の良い女子はいないからさ〜」


「そこは否定しろよ」


「亜蓮は仲良い女子いないからな」


剣解とは対照的に亜蓮は性格のせいか、体型のせいか女子の友達はほとんどいない。

アレン曰く『小学生の頃は結構いた』らしい。

て言うかコイツ、男の友達も俺たちぐらいしか居ないだろ。


「よし、ちょっと裏出ろ」


「おいおい、お前じゃ俺に勝てねぇぞ」


「それに俺がムカついてるのはそこに金木がいることなんだよ。金木は俺と同じで女子の友達いないと思っていたのに」


亜蓮の中で金木は亜蓮同じ扱いになっていたらしい。


「……………、さてと冗談はさて置いて、何するつもりだ?」


剣解は何かを察したのか話を戻す。


「流石、分かってるわ。ちょっとアイツら監視しようぜ」


「監視?」


剣解が不思議と聞き返す。


「そう。俺はやっぱアイツらの事だから、何かしらやらかすと思うんだよ」


亜蓮がまるで未来が分かっているかのように自信満々の顔で言う。


「例えば?」


「例えば、朝陽が口を滑らせて桜井さんに『ブス』って言っちゃたり、金木が桜井さんの前で踊ったりしちゃうかもしれないだろ」


「…………おい、ほんとにやりそうなこと言うなって」


剣解も少し不安なところが合ったのか珍しく亜蓮に共感している。

て言うか朝陽や金木って亜蓮たちにとってそういう扱いになっているんだな。


「だろ〜!だから俺たちがアイツらを監視してないと大変なことになってしまうかもしれないだろ」


「それはもうやるしかないな」


亜蓮の力説が効いたのか剣解がいつになくやる気だった。


──────────────────────────


「ってな訳でお前たちと同じクラスの川一にお前たちの監視を頼んだってわけだ」


亜蓮たちが一通りの説明を終えると、俺は少し考え込む。


「なるほど………」


「あと、誤解しないで欲しいのだが朝陽たちに直接ちょっかい出していたヤツらに関しては俺らは無関係だ」


俺が気になっていたことを察していたのか、剣解が大俊くんを庇うように補足を入れる。


「あぁ分かってる」


その言葉を聞いて亜蓮たちはそのような事はしないと分かってにもかかわらず、疑ってしまった自分を恥じる。


「暁霞くん、今回は頼まれていたからとはいえ、あのようなことをしてしまったのは事実だ。ほんとに申し訳ない」


大俊くんが深く頭を下げながら謝ってくる。


「別に被害は受けてないし気にしなくていいよ。それに元はと言えば大俊くんに頼んだコイツらが悪いんだから」


と言いながら亜蓮たちに目を向けると


「そんな、かっかしなさんな。俺たちの仲じゃないか」

「そうだぞー」


誤魔化そうとする亜蓮の言葉に剣解が便乗する。


「ハァ…。それじゃあ、俺たちにちょっかい出しているやつお前たちでどうにかしたらチャラな」


「まかせろ」


亜蓮が自信アリげに言う。そんなに簡単なのか?と思ったが、何とかしてくれるならこっちとしても、都合がいいので気にしないでおく。


「もうすぐ金木たちが来ると思うからお前らは自分の教室に戻っとけ」


時計を見るともうすぐ金木たちが来る頃だったので、亜蓮たちに自分の教室に戻るように促す。


「わかった。それじゃあな!」


「あとは任せな!」


剣解と亜蓮がそれぞれ捨て台詞を言いながらが教室から出ていった。さてと、これで一安心なのかな?なんか思った以上に簡単に終わって拍子抜けと言うかなんというか………

ともかく、あとはアイツらに任せよう。


亜蓮たちが去ってから少しすると、金木、凌空、桜井さんといつものメンツが来た。


「暁霞くん。今日、さきに行くって聞いたけど何かあったの?」


ずっと気になっていたのか、桜井さんが教室に来てすぐに聞いてくる。


「いいや別に。なんでもないよ」


「ならいいんだけど……」


俺が何も無かったように少し素っ気なく答えると、桜井さんの声がのトーンが下がっていった。女子ってこう言う時、鋭いよな。(普段バカな奴ほど)

それに何があったかなんて、この人が知る必要ないし、知って欲しくもない。

余計なお世話や1人でどうにかしようとしないで、とか思われるかもしれないし。

何はともあれこれで1件落着だな。

と、少し安心してしまった朝陽であった。



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