プロローグ①
夜空にキラキラ、輝く星。
手を伸ばしてみても、届くことはない。
星はやがて、雲に覆われて見えなくなる。真っ黒な雲の奥底で、ひっそりと光続けていても、誰も気付くことはない。自分ですらも、気付かない。
辺りを見回す。暗く淀んだ空気が充満している。
光り輝くモノは、どこかにないか。見つけて側にいれば、その光が照らしてくれる。そう信じて止まない。自分の輝きを忘れた星は、闇の中をひたすら彷徨い歩き続けた。
星が流れる。
どこに行くの、と問いかける。流れる星は答える。誰にも分からないさ。
輝きを忘れた星が揺れる。流れ落ちていく星を追いかける。流れる星が、あまりにも綺麗に輝いていたから。自分もそうなれるのでは、と思い追いかける。
星は、流れ星を見失った。知らない闇の中で、蹲る。闇と同化する。暗い隅の方で座り続け、それが当たり前と思えるまで、じっとしている。闇の中に溶け込んでしまえば、楽になれる。そう信じ続ける。
時は流れる。星と同じように流れる。
当たり前とは、思えない。何度、自分なんかどうでもいい、と思っても、それが当たり前だと心の底から信じることが出来ない。身体の内側で息づく何かが、自分の存在を嫌というほど突き付けてくる。今ここで生きているということを、顔面に叩きつけてくる。
星は顔を上げた。
一瞬の煌めきが、闇を拒絶する。輝くことを、期待させる。
星が揺れた。辺りを見回す。闇に染まった夜空。誰も、輝きを与えてはくれない。
星はじっとしている。輝きが訪れることを待ちながら、じっとしている。自らの輝きを忘れた星。
辺りを見回す。真っ黒な夜空。
輝いていることを忘れた星々。巨大な雲が辺りを覆う。
輝き忘れた星々がじっと座り、静かに眠っている。光ることを望んで、眠っている振りをしている。
目を開けることを、誰もが祈った。何より自分自身が祈った。
目を開けて広がる世界。キラキラと輝く世界。
星は問いかけた。どうしてそんなにも輝いているの。
誰かが答えた。
キミが光り輝いてるからさ。
星々は、眠り続けている。




