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コラプサーの正体

 星の大地を震撼させた北河荘のテロ事件――コラプサーは、その犠牲者の遺体を吸収し始めたのだ。

「やっぱり…」

 カペラがつぶやく。生前、フォマルハウトが予想していた通りだった。誰かがあれだけの遺体をわずかな時間で運び出すなんて不可能だし、そもそも理由がない。が、コラプサーの死体吸収なら話は別だ。

《それによってコラプサーは刀身を太くした。ナイフの柄は膨張して壊れて、黒い刀身だけになったんだ》

 直後、コラプサーは雷のような速さで事件現場を去った。空を飛び、南へと向かったのだ。着いた先は西の村――ならず者が住む無法地帯だ。そこでも野ざらしになった死体を吸収し、どんどん大きくなった。

そんな中、刀鍛冶くずれの男がその刀身を見つけて拾う。男の心にどす黒い感情があふれ出してきて、人間や動物の骨で拵えを作った。さらに男はその剣に「コラプサー」と名前を付け、西の村で横暴に振るい始めたのだ。ならず者たちを殺し、あるいは脅して金品を奪い取り、手当たり次第に女を犯すようになった。

 しかし、その横暴も突然終わりを迎える。他の男と争った時、コラプサーを奪われた挙げ句にそのコラプサーで刺し殺されたのだ。そして今度はその男がコラプサーの主になり、また悪事を働くようになった――。その繰り返しで、持ち主が次々と変わっている。今では、西の村ではコラプサーを持つ者が支配者となっている。

 ちなみに、村には放置されていた祠が一つあるが、コラプサーを持つ者がその祠を恐ろしい意匠で復活させた。以来、持ち主が死ぬとコラプサーはそこに帰るようになった。


 その頃――双子は這々の体で逃げていた。向かうのは西の村だが、途中の浅瀬道にマルケブがいる。そこで合流しようということだった。

 闇夜の中、双子はマルケブを見つけて飛びついた。「マルケブさん! カノープスが…」と言いながら訳を話す。

「そうなの。まったくうちの子にも困ったものね。私たちの邪魔をするなんて…」

 そう言いながら、マルケブは服を全部脱いだ。月明かりの浜辺に、妖艶な肢体があらわになる。犯したい――双子はいつもの衝動にかられ、マルケブを押し倒した。

「んっ…あっ、いい子ね2人とも」

 マルケブはガクルックスの精を股に、アクルックスのは口に受ける。終わったら2回目は交代だ。こんな調子でほぼ毎日双子と快楽を共にした。

 3回目はマルケブがガクルックスの上に乗り、立っているアクルックスのものを口に入れる。誰もいない浜辺とはいえ、月明かりに照らされながら屋外で裸体をさらす3人は妖しい姿となっていた。

 が――3回目を出そうとしたガクルックスの表情がこわばる。快楽の絶頂の瞬間、胸に激しい痛みが走った。

「え?」

 気が付くと、マルケブが心臓に黒い剣――コラプサーを突き立てていたのだ。

「!?」

 双子は何が起きたのか分からないという表情だった。刹那、マルケブはガクルックスの胸を肩の方に切り裂いた。血しぶきが舞うと、アクルックスが「ひいっ!」と悲鳴を上げた。その瞬間、今度はコラプサーを横にないでアクルックスの首を切断した。

 2人ともほぼ即死だった。マルケブは口から溢れそうになったアクルックスの精液を飲み干し、自分の股からガクルックスの液も取り出して飲んだ。その後――双子の傷口から流れ出ている血を手ですくい、飲み始めた。

「ふうっ、ふふ、おいし」

 妖艶かつ狂気に満ちた微笑みをたたえていた。


 次の日。一行は東の都に戻ることにした。

 暗黒十字の言ったことが本当なら、西の村を本拠地としているわけだ。ならば、そこに

殴り込むというのがカノープスの案だった。

 ところが、船がすぐに手配できないため、一行は浅瀬道を歩いて帰ることにした。貪狼の祠がある岩屋まで来て、さらに南下して東の都に戻る。準備と休息のために1日とり、次の日に出立する。歩きながら、概ねそのような計画を立てた。

 その計画に関すること以外、6人は言葉が少なかった。ミアプラはカペラと距離をとり、ミモザの隣を歩いている。カペラはカノープスと先頭を歩き、そのすぐ後ろには、アルセフィナを支えるようにアヴィオールが寄り添って歩く。

 しばらく歩くと、岩のそばに何かが寄りかかっているのが見えた。歩を進めてみると――。

「きゃああっ!!」

 アルセフィナが悲鳴を上げた。それは、見覚えのある双子――ガクルックスとアクルックスの裸の遺体だったのだ。


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